片桐シリーズⅣ さらば片桐佐里 2 | 千の扉

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コンサルタント西河豊のSTORYを中心としたグログ

片桐シリーズⅣ さらば片桐佐里

 

S―1 発端 2013.7.13

CUT1 遊覧船


明るい陽射しの下、片桐佐里は、藤玉警部と赤レンガ博物館そばの埠頭から舞鶴名物の遊覧船に千円の乗船料を払い乗り込んだ。
2人ともラフな服装で・・・
船内のテーブルに腰掛け、ある人物を待つ。
夏の観光シーズンではあったが、平日だけに乗船客はそれほど多くなく、その気になって探せば相手は直ぐ見つかる範囲だった。
しかし、2人は事前の取り決め通り座ったまま男を待った。
「どうも、藤玉さん、片桐さんですね」
と黒いジャンパーを着た男が近づいてきて頭を微妙に下げた。
「はい、沢村さん?この度はどうも・・・」
と藤玉警部が答える。
沢村と呼ばれた中年の男と片桐が視線を合わせお互いを観察する。
「この度はお手数かけます。事前に聞いていた通り、美人だ・・」
「片桐です」
と沢村の言葉を遮る。
「それで、電話で少しだけ伺いましたが」
「その前に私の本名は沢村ではありません。そして、公安内での階級も探らないでください。すいません、公安と言うとところは極秘で動かねばなりませんので、ややこしい所で・・」

片桐が藤玉警部に特命の件で呼ばれたのは3日前だった。
公園警察より、舞鶴でテロの動きがあるので、舞鶴警察署に協力要請があったのだ。
しかも、公安の要請では、女性刑事を一名派遣して欲しいと言うことだった。
なぜ、自分が指名されたのかは分からなかったが、片桐は警部の指示通り、なるべく掲示とは映らない服装でこの指定された場所でやってきたのだ。

 

 

3 へ

 

 

 

CAST さらば片桐佐里 登場人物

沢村     公安の諜報員
水島千鶴   公安の諜報員
藩損義    北シンギ共和国工作員    
龍元日(中路道夫) 北シンギ共和国工作員

李静蕾(日向時子) 北シンギ共和国工作員

甲羅久美   ラーメン屋「大極殿」店員

水森 礼子  公安の諜報員

香川県企業家同友会

林会長
西村国際部長

小松島青年団
村瀬浩二    牧畜と牛乳業経営
村瀬久美子   浩二の妹

K大ミステリー研究会
有野辺会長
御蔵君 
佐々木さん

花澤 葉子  大山崎町の新米行政書士

藤玉 事男  舞鶴署 警部
水谷 蘭   舞鶴署 刑事
小岬 玲花  舞鶴署 交通課
片桐 佐里  舞鶴署 刑事

ケンブリッジ・セトム パトリック・コーズウエル女史の秘書

西河 豊   経営コンサルタント兼作家