NHK・にほんこども新聞 -31ページ目

【第4回】用意周到-危うい杞憂-

木乃伊的生活.web-用意周到

昔から「人事を尽くして天命を待つ」と言うが、その実、人間というものは、得てして無駄な準備に奔走し、結果として大きな疲労を伴う徒労を経験することも珍しくない。

たとえば上掲の画像は、筆者の地元でたまたま目撃した光景であるが、一見して分るように、この家の主は、明らかに野良猫の接近を嫌っている。おそらく、ここまで用意周到にやっていれば、主の思惑通り、野良猫が近寄ることはないだろう。無論、効果があるのならばの話であるが。

ルネサンス期にグーテンベルクが活版印刷機の製作に成功してから、既に500年以上の時が流れた。その間、数多くの発明が生まれ、それらにより、産業界が 玉石混淆の様相を呈していたことは、世人の多くが知るところである。無論、効果のほどが些か怪しい発明も数多く出現し、その都度、人心を惑わすことに成功 している。

2010年現在、水入りペットボトルによる猫避けは、一切効果がないという見方が有力だ。それどころか、プリズム効果で火災が発生したという話もある。だが、この発明を信奉する人々は後を絶たない。



いつの世も、発明とは永劫性のないあやふやな崇拝対象である。