え、そうなんだ…——閉校になった小学校で使われていたカスタネットが、地球の裏側で再び音を鳴らしている。そんな話を聞いたら、少し驚きませんか。
少子化や人口減少の影響で、秋田市内でも学校の統廃合が進んでいます。役目を終えた校舎や教材たちは、静かにその歴史を閉じていきます。しかし、その一つひとつには、子どもたちの笑顔や学びの記憶が詰まっています。
「これらを、もう一度誰かの役に立てないだろうか」——そんな思いから、今回の取り組みが始まりました。
■「もう一度、音を鳴らそう」閉校教材の新しい旅
今回、秋田市教育委員会を通じて、市内の閉校となった小学校で使われていた教育用カスタネットを寄贈していただきました。
箱を開けてみると、150個ほどのうち、少し傷んだものやゴムが切れているものも多く、「このままでは使えないな」という状態のものが約50個ほどありました。けれど、それらを手に取ると、不思議と温かさを感じました。きっと、かつての教室で、子どもたちがリズムに合わせて鳴らしていたのでしょう。
そこで、私たちNGO RASICAのメンバーで一つひとつ修理を行いました。
ゴムを付け替え、割れを補修し、音がきちんと鳴るか確認する——まるで「もう一度、舞台に送り出す」ような作業でした。
作業中、あるメンバーがぽつりとこう言いました。
「これ、また誰かが使うんだよね。なんか嬉しいね」
その言葉に、全員がうなずいたのが印象的でした。
■「秋田からブエノスアイレスへ」つながる想い
修理したカスタネットを届けた先は、南米アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスにある日亜学院。実は、私の妻がJICA海外協力隊として、この学校で活動しています。程度の良かったカスタネットはひと足先に妻が赴任時に持って行っています。
現地を訪れ、日亜学院の代表の方にカスタネットを手渡したときは感無量でした。
現場ではこんな話も聞きました。
「日本から来たものには特別な価値を感じるんです」
「子どもたちにとって、日本とのつながりを感じられる大切な教材になります」
アルゼンチンには日系人コミュニティーがあり、先人たちが長年にわたって真面目に働き、信頼を築いてきました。その積み重ねがあるからこそ、日本へのリスペクトがとても強いと想像以上に感じました。
日亜学院には雛人形が飾られたり、日本語の歌を歌ったり(君が代も子どもは歌えるんですよ!)日本語の本だけの図書室があったり…
「こんなにも大切に思ってくれているんだ」——その実感が、胸にじんわりと広がりました。
■「役目を終えたものに、もう一度光を」地域の力
今回の取り組みは、単なる物資の寄付ではありません。
秋田で役目を終えたものが、海外で新たな役割を持ち、再び誰かの学びや喜びにつながる——いわば「地域の記憶のリレー」です。
そして、その裏側には多くの人の協力があります。
* 寄贈を調整してくださった秋田市教育委員会
* 修理に関わったRASICAメンバー
* 現地で受け取ってくれた先生や子どもたち
こうした一つひとつのつながりが、今回の活動を支えています。
個人的には、「地域に眠る資源は、まだまだ活かせる」と強く感じました。
使われなくなったものも、視点を変えれば新たな価値を生み出せる。これは、これからの地域づくりにおいても重要なヒントだと思っています。
■まとめ:あなたの一歩が、誰かの笑顔になる
今回、アルゼンチンを訪れたことで、「また行きたい」と心から思える国が一つ増えました。それと同時に、秋田から世界へつながる可能性も、はっきりと見えた気がします。
もし、ご自宅や地域に「もう使っていないけれど、まだ使えるもの」があれば、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
それは、遠く離れた誰かにとって、大きな価値になるかもしれません。
小さな一歩で構いません。
あなたの行動が、誰かの笑顔や学びにつながります。
これからもNGO RASICAは、秋田と世界をつなぐ活動を続けていきます。ぜひ一緒に、その輪に加わってみませんか。













































