2019年2月6日(水)に、秋田県にかほ市立院内小学校で、代表菊地のJICAの時の経験を、小学校5年生と6年生の子どもたちに話をし、併せてワークショップをファシリテートする機会がありました。社会・総合的な学習の時間の「世界の人々と共に生きる」という単元での外部講師による授業で、JICA東北(JICA秋田デスク)を通じて、青年海外協力隊・JICA専門家のOBへ依頼があり、タイミングが合ったので受けました。

NGO RASICA(ラシカ)の活動として、ではないのですが、私自身の経歴の中にNGO RASICAが入っておりますので、ここでは活動の一つとして紹介したいと思います。


参加人数:55人(5年生26人、6年生29人)
目標・目的:日本とのつながりや他国の文化などを知ることで、世界への興味や外国語への関心が高まるとともに、開発途上国で国際協力に携わってきた方々の活動を知り、お互いの国の生活や文化を尊重しようとする気持ちを育てる。
概要:開発途上国で国際協力に携わってきた方からお話を伺うと共に、その地域の文化を始めとして、外国の人々の生活と日本との文化の違いについて学ぶ。その地域での活動の様子を伺い、その国の文化に触れられるような体験活動を行う。
 


●アイスブレイク 10分

【名刺で自己紹介】

 折り紙を半分に折って、上段に呼んでもらいたい名前、下段に最近がんばっていること/好きなことを書く 名刺づくり2分、自己紹介5分(立って動く。スペイン語で挨拶Hola!握手、からの自己紹介。最後は、Chao!)最後は名刺を折り紙でバラを作る。3分

●青年海外協力隊およびJICA専門家の経験(コスタリカ)について(パワーポイントでの説明)20分


●ラテンの時間の体験ワークショップ15分(ラテンの時間の流れ、日本の時間の流れを理解することができるオリジナルのワークショップ)

5年生、6年生共に2列にする 2分

指示カードを配って理解してもらう(リーダー各列から1名) 3分

WS 4分×2回

まとめ1分(日本とラテンの国の違いであることの説明。日本は時間とおりに着けるが、お互いのことを知る機会が少ない。ラテンは時間とおりに着けないが、お互いの理解が深まる。)


●全体のまとめ(パワーポイントでの説明)10分

-世界にはいろんな国がある。TVやITで身近になってきているが、実際に空気を吸うことが大切。だが、その先にあるものは?百聞は一見に如かず→百見は一住に如かず

-自分の心の垣根(子供のころはないけど大人になると持っていることがある)を知ること

-外国の人と交流したり、世界で仕事をしたりするためには?どんな準備をしたらいいのか 外国語の勉強?それよりも大切なこととは、きちんと勉強してたくさんの知識を日本語で持つこと。


-質疑応答5分

 

この院内小学校という学校は、JICAからの外部講師を呼んで、海外に目を向けてもらう授業を3年続けているということで、生徒さんたちの目が肥えているというか、体験したことに対する質問が非常にしっかりしていて、感激しました。

たまに、しっかりした先生が、講師への質疑応答で質問がないのは失礼だろうと、講演を聞く前から生徒に質問を準備させることがあるのですが、質問はありますか、という問いにすぐに挙手がたくさん、となります。ですが、準備させた質問を生徒が棒読みすることになる場合があり、講演の中ですでにその答えは言っていたりして、ただ質問すればいい、という状況を計らずして作り出していることがあります。

話を聞いて、自分で咀嚼して飲み込んで、考えて、出てきた質問というのは、その鋭さに驚きを覚えるとともに、次世代の未来は明るいと感じる瞬間でもあります。

 

このような機会を作ってくれた院内小学校、JICA東北に感謝するとともに、最後まで話を聞いてくれた生徒さんたちがいつか世界に目を向けるきっかけになれれば幸いです。

 

 

 

NGO RASICA(ラシカ)のメンバーは少数であることはご説明しましたが、それではどのようにして活動をしているのかをご説明します。

 

まず、ラシカのメンバー、もしくはその友人などが、何か社会にイイコトをしたい!と思った時、それが自分ひとりではできない、仲間が欲しい、と言うとき、その活動がラシカの根本原理である、Roots & Shoots(*)の精神に合致し、イイコト種まきであると判断した場合は、ラシカのコアメンバーで話し合いを行います。

 

代表が菊地、副代表が津川、役員が数名(プロジェクト・マネージャー、プロジェクト・コーディネーター、アクティビティ・コーディネーター、ボランティア・コーディネーター)がコアメンバーです。

 

国外のNGO活動の場合、アイデアからプロジェクトをデザインし、具体的な活動を決め、助成金を定め申請を行い、申請が通れば活動を行い、報告書を提出、という流れが一般的です。助成金の多くは、メンバーやスタディツアー参加者(中高生)の渡航費の補助、活動に必要な機材・資材の購入、ワークショップの開催にかかる費用、などに充てられています。

とはいえ、助成金だけで動かせるプロジェクトはなく、興味あるメンバーが参加するときはもちろん各自渡航費の一部、活動にかかるお金を自己負担するのが一般的です。

 

(*)Roots & Shootsとは:イギリスの動物行動学者ジェーン・グドール博士が提唱するチンパンジーの行動から喚起した考え方で、Roots(ルーツ):「根っこ」、Shoots (シューツ):「(種から伸びた)新芽」の意味を持つ英語を組み合わせ、「根っこは土の下に伸びてしっかりとした基礎を作り、新芽は光に向かって進み、やがてレンガの壁もうち破るほどの力を持つようになる」、そのような想いが込められています。

チンパンジーは様々な独創的なアクションを起こし、試し、その何百のうち数個が彼らの生活に役に立つものとして定着していきます。私たちも、たくさん想いがあっても、実際にアクションを起こさなければ、それから芽が出て根が生え大きな木になり森にはならないのでしょう。なんでもいいから自分にできることをやってみる、種まきをすること、これをラシカではRoots & Shootsと呼んでいます。

 

 

NGO RASICA(ラシカ)のメンバーですが、代表が菊地、副代表が津川、役員が数名で活動をまわしています。いままでに登録された方の総数は30名程度ですが、会費がありませんので、来るのも去るのもたやすく、幽霊部員状態(もしくは入ったことも忘れている)の方がほとんどで、実際に活動を積極的にするメンバーは数名の役員と呼ばれるプロジェクト・マネージャー、プロジェクト・コーディネーター、アクティビティ・コーディネーター、ボランティア・コーディネーターなどの方です。

 

NGO RASICAの活動は、大きく4つに分かれます。

 (1) 国際協力を推進するための催事や事業の実施。

  (2) 環境に配慮した活動を推進するための催事や事業の実施。

  (3) 国際協力と環境に関する教育の調査研究、事業実施および情報提供。

 (4) 地域貢献に関する催事や事業の実施。

 

具体的にどんなことをしているか、と言いますと

 (1) 国際協力の推進

→ネパールの孤児院のインフラ整備(ソーラーランタンの寄贈)や米麹による孤児の栄養改善プロジェクト。また、それらにかかる国内イベントにおける啓発ブースや発表。

※毎年行っているわけではなく、助成金を申請して受理されたときに事業化して行うことが多い。

 

 (2) 環境に配慮した活動の推進

→自然環境を学ぶワークショップの作成、実施。ファシリテーターの養成。

※NGO RASICA発足当初は、事業を告知して行っていたが、現在は要請があった場合、小中校、大学、各種団体などへ講演、ワークショップの開催を行っている。

 

 (3) 国際協力と環境に関する教育の調査研究

→スタディツアー、多国間の青少年交流事業、ワークショップの成果をまとめる

※毎年行っているわけではなく、助成金を申請して受理されたときに事業化して行うことが多い。

 

(4) 地域貢献

→災害ボランティア、バドミントン教室

 

 

NGO RASICA(ラシカ)は、どんな団体なのですか?という質問を受けることがあります。

 

簡単な説明はプロフィールに書いてありますが、秋田市を拠点にしたNGO団体で、Roots And Shoots International Cooperation of Akitaの略称で、イギリスの動物行動学者であるジェーングドール博士の提唱するRoots & Shootsを実践する団体として国内は秋田を中心に、海外での国際協力プロジェクトを行っています。

なんでもいいから自分にできることをやってみる、種まきをすること、これをラシカではRoots & Shootsと呼んでいます。

 

簡単に言うと、以下の条件を満たした任意団体です。

 

*NGO(non-governmental organization)、つまり非政府組織です。政府間協定によらず設立された国際協力を行う組織のことです。

*NPO法人格は有していません。

ここで、NPOとNGOの違いを聞かれることがありますが、NPO(non-profit organization)、つまり非営利組織という大きな傘の下に、NGOがあると理解しています。法人格の有無は、日本社会においてその団体が法人格を有していた方が社会的な信用を得やすいと判断した場合に所得するものですので、各団体によって考え方があります。

*秋田県秋田市を中心とした団体です。(メンバーは全国にいます)

*会費はありません。

*任意団体ですが、規約があり、きちんとした活動目的があります。

 

NGO RASICAの規約は次のようなものです。

(一部、事務局の住所は削除してあります)

 

NGO RASICA規約

 

●名称

この組織は、NGO RASICAという。

 

●連絡先

この組織の事務局は、秋田県秋田市内に置く。

 

●目的

この組織は、環境に配慮した活動、地球温暖化防止活動、国際協力活動、地域貢献活動、仲間作りなどについてみんなで考え、決定し、Roots and Shoots(ルーツ&シューツ)を実践すること(行動すること)を通して、環境教育、開発教育、自然環境保護、地球温暖化防止、開発途上国への国際協力、地域貢献、仲間づくりなどに必要な事業を推進することを目的とする。

 

●活動

この組織は、前術の目的を達成するため、次の活動を行う。

   (1) 国際協力を推進するための催事や事業の実施。

      (2) 環境に配慮した活動を推進するための催事や事業の実施。

      (3) 国際協力と環境に関する教育の調査研究、事業実施および情報提供。

   (4) 地域貢献に関する催事や事業の実施。

      (5) 上記(1)~(4)の活動を通した仲間づくり。

 

●NGO RASICAの参加条件

・一度NGO RASICAのイベントや活動に参加し、NGO RASICAの活動に賛同していること。

・最低でも年1回程度以上、活動に参加可能であること。

・NGO RASICAの目的を理解していること。

・運営の便宜上、メーリングリスト等を使って意思の疎通を図れること

 

●その他

・この団体は2008 年7 月28 日に発足し、同時に本規約も適用される。

 

以上

2008年に立ち上げたNGO RASICA(ラシカ)ですが、代表である私菊地は同じなのですが、立ち上げ初期からはメンバーが少しずつ変わってきました。

 

その時代その時代のメンバーで、そのときできることを、できる範囲でやってみる、それが社会に良い変化を起こしそうならすぐやってみる、私たちの言葉で言う「イイコト種まき」を続けてきました。

 

代表の私がJICA専門家という仕事で2013年から5年間中米のコスタリカへ渡米したため、活動は開店休業状態になりましたし、この5年間でメンバーも結婚、転職、秋田を離れる、など活動から離れてしまった人も少なくありません。

 

2019年からまた活動をゆっくりと行っていきたいと思い、これまでの活動をきちんと整理しました。

 

たくさんの助成金を受け、たくさんの人や組織を巻き込んで、たくさんの活動をしてきたことが、整理をすることでよくわかりました。よくこんなスピードで走ってきたものだ、とも同時に感じました。

 

これだけの事業をこなせたのは、たくさんの有能なスタッフに囲まれていたのだとも思いました。本当に感謝しています。みんなありがとう。

 

2008年から2013年までの活動一覧

 

過去のスタディツアーの報告書

 

過去のメディア掲載物