昨日からあいにくの雨です。おかげでDIYが進みませんが、これで太陽光関係の宿題ができます。屋根の温度もなんとか測れたのでGW中にまとめたいと思います。
さて、太陽光発電を初めてからずっと思ってました。
どうも我が家の太陽光発電は、曇の日に弱い。最初は、曇の日は、散乱光中心になるので薄膜シリコンは弱いのかなと思っていたら、同じ夢発電の方より悪い模様です。
そんなとき、遭遇したのが低照度特性の高さをうたったQセルズ。メーカーシュミレーションなら私の知る限り年間発電量は最大です。確かに毎日、朝夕は必ず低照度ですし、曇りの日だって低照度です。低照度特性が高くないと高い実発電量はのぞめません。Qセルズは、低照度特性の高さをセル(太陽電池の半導体)の性能としています。
そこがポイントと考えてよいのかどうか検討してみました。
低照度特性に必要な特性として、3つの性能を検討しました。
1.太陽電池モジュールの性能、セルを含めて太陽光による電力の立ち上がり特性です。
2. 影に対する特性、モジュールの繋ぎ方や制御プログラムです。
3.パワコンの効率、低出力時の特性です。
まず1.の太陽電池モジュールの性能からです。Qセルズがホームページでこんなグラフをだして高性能をうたっています。
これがセルの性能だというのですが、照度と出力のグラフなのでこれはシステム全体の性能を示すグラフです。セルの性能かどうかというのは分かりません。
ちなみにこのグラフ、散布図じゃなくて度数分布なのでちょっとずるいです
そこで太陽電池パネルの出力自体を測定したデータを探しました。
よく見かけるのが、こんなグラフです。
発電量とはこんな感じで対応してます。
電気回路に詳しくないと読み取るのは難しいと思いますが、肝心の低照度時の情報は載ってないのです。
太陽光パネルの電圧測定をやったらしい方のブログとかもあったのですが、今いち測定方法など良くわかりません。
今のところ一番良さそうだと思っているのがこの論文です。
http://miuse.mie-u.ac.jp/bitstream/10076/9016/1/2006T005.pdf
P17とP18に低照度時のグラフがあります。
最大出力の10%程度の出力ですとパネル自体の出力電圧が下がることが分かります。パネルごとに差は有るのでしょうが、このくらいの出力以下だと太陽光パネル自体の性能が重要になってくるようです。
次に2.の影に対する特性です。
太陽電池は、直列のダイオードが等価回路ですので一部影になると効率が落ちます。これを回避するためパネルの繋ぎ方を変えたり内部抵抗を小さくしたり各メーカー工夫しています。パワコンの制御の最適化を制御などもかけています。
メーカーごとの違いも結構あると思ういのですが、評価のしようがないのでこれについては良く分かりません。しかし、部分的に発電しない状態をフォローする仕組みなので最後のひと押しになるとは思いますが主役にはならないと思われます。
最後が3.のパワコンの特性です。
三菱のホームページにパワコンの特性のデータがありました。
パワコンの出力が低くなると変換効率が極端に低下します。
同様のデータは他メーカーも出していますが、残念ながら低出力時のデータは正しく表記されておらず、一定となっていることが多いです。原理的にそういうことはないのですが、上のグラフは縦軸をすごく拡大しているので、グラフのプロットが粗ければそうなるのでそういう表示もまた誤りではありません。
このグラフの見た感じだけならこのパワコンの特性が最も重要に見えます。
しかし、見た目だけの判断は危ないので先の論文とQセルズ、三菱のグラフをそれぞれ同じグラフ上にプロットしました。
拡大すると
横軸の出力や照度は、最大出力または1000w/m^2で規格化しました。かなり強引に並べてます。
三菱の97.5%のパワコンならば、太陽電池モジュールの性能と同等クラスであることが分かります。メーカーごとの差は有るでしょうが、最新の太陽電池システムならば太陽電池モジュールとパワコンの性能双方が低照度特性に効きそうです。
これだとQセルズがたいしたことないように見えますが、三菱はパワコンのみの性能にたいしてQセルズはシステム全体ですので太陽電池モジュールとパワコンのロスの両方を含んでいます。
Qセルズのあて馬の比較用データは、明らかに良くないですが、三菱の95.5%のパワコンのデータと比較してもかなり差が大きいので一般的な性能ではない気がします。
こうして並べるとQセルズのグラフも突出して良いわけではなさそうですが、低照度特性にセルが重要という主張はまんざら間違いではないようです。パワコンの性能や制御方式がこの数年の間に進歩し、差を出すにはそこまでこだわる必要が出てきているようです。
こうしてみると太陽光発電の技術もまだまだ進歩している最中ですが、極端な差が付きにくくなってきているのかなと感じます。
ここまで分かったことはいいとしてどういうパワコンや太陽電池モジュールが低照度特性が良いことを示すのかパラメーターを当たってみました。残念ながら私には、太陽電池モジュールの低照度時の電圧降下を示すパラメーターは見つけることはできませんでした。
パワコンについては、昇圧回路のDC-DCコンバーターの性能とか上がればいいのかなとか想像しますが、パワコンの性能をみてもこの低出力時の特性を示すパラメーターは見当たりません。これではパワコンもどこの物が良いのか判断できかねます。
そこで今わかる範囲で低照度時の特性を最大限生かす方法について考えました。低照度特性を上げるにはパワコンの出力は、低い方が良いことになります。
図で書くとこのようになります。
ずいぶん極端な絵だなと思う方もいるかと思いますが、低勾配の屋根の冬場の発電量は4割程度低くなりますからこの図のようなシュチュエーションは十分あり得ます。
低勾配の屋根や40度以上の高い勾配は、季節による発電量の変動が激しくなります。このため年間発電量に対して容量の大きなパワコンが必要になります。
これに対して25~35度の勾配の屋根なら年間発電量が安定しています。
必要十分なパワコンの容量が小さく、低照度時の発電に有利です。
よって、1.5寸で低勾配でしかも7.84kWのパネルに8.5kWのパワコンつんでる私は、不利なわけです。30度の勾配で実際の発電量ぴったりかやや少なめのパワコンを搭載している人が低照度時は、最も有利ということになります。
無念です。
とはいえ、現在、6年でペイできるペースで発電中なので不満があるというわけではありません。次に発電システムを組む時は、この点も注意したいと思います。
にほんブログ村
にほんブログ村