Life in the Lone Star State -23ページ目

投資ファンドとは何か

昨日この本を読みました。

投資ファンドとは何か 知っておきたい仕組みと手法 (PHPビジネス新書)/北村 慶

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日本でも「投資ファンド」という表現はよく聞きますが、ファンドとはそもそも何か、どういう仕組みでお金を集めて運用しているのかということが、不動産ファンド、ヘッジファンド、企業買収ファンドと類型毎に分かりやすく説明されています。

特に仕事でもほとんど馴染みのないヘッジファンドについての説明は分かりやすかったです。経済や市場全体の動向にかかわらず「絶対的な利回り」を得られるような投資を行うという夢のようなファンドなわけですが、当然破綻のリスクもある投機性の高いファンドと言えます。

ヘッジファンドというのは、要はある投資対象(例えば株式)が今後値上がりするのか値下がりするのかを様々なファクターから予測し、その予測に基づいて売り買いを行うことで、その株が下がっても上がっても儲かるという仕組みを作ることがその肝なわけですが、その予測の立て方が各ファンドマネージャーの腕の見せ所ということです。

そして、ファンドマネージャーの報酬というのは、運用超過利益の約2割というのが相場だそうです。つまり、100億円を期待利回り10%で預かって、仮に運用益が30%出た場合、超過分の20億円の2割、4億円がファンドマネージャーの報酬ということになります。アメリカのトップクラスのファンドマネージャーの年間報酬額は1000億円を超えている人もいるらしく、まさにアメリカンドリームです。

個人的になんとなく腑に落ちないのは、ヘッジファンドを運用するファンドマネージャーというのは、一体何を社会に与えているのだろうかという点です。例えば、企業買収ファンドであれば、日本ではネガティブなイメージもありますが、買収対象企業の企業価値を向上させることで株価を高めたり、潰れそうな会社を再生させたりすることで自分達も利益を得るという仕組みですから、その会社の利害関係者、引いては社会に対しても一定の貢献をしているという側面もあると思います。それに対して、ヘッジファンドというのは、もちろん投資家の利益に対しては多大な貢献をしていますが、やっていることは「世界のどこかに存在する未知の”歪み”の発見」と「それを確実に抽出し増幅させ」その利益を得るということで、これって社会にとって生産的なことなのだろうか(1000億超ももらうに値する仕事なのだろうか)という気はなんとなくします。