9月鑑賞映画まとめ | 三つ子の魂百まで…トラウマニア

三つ子の魂百まで…トラウマニア

映画レビュー、コレクション紹介、映画や趣味全般について書いています。

9月に観たビデオの数:21本
観た鑑賞時間:1839分

『獄門島』
横溝正史モノにしては陰惨な演出が弱いかも。
釣鐘のトリックは仮装大賞みたいで笑ってしまった。
せわしいカットバックと素早い編集が斬新。
貫禄があり過ぎる佐分利信を
犯人にしたのは無理があり過ぎる。
監禁されてる内藤武敏、親から聞いた話だと(岡山出身)
昔は病気や精神病になると実際あのようにしていたらしい。
崖から飛び降りるラスト切ないですね。
坂口良子の語り口が自然で説得力がありました。
金田一さんのフケが落ちる時も露骨に嫌な顔するし(笑)
まんまなピーターより、良沢役の池田秀一さんの
登場が嬉しかった。
鑑賞日:09月01日 監督:市川昆

『2048 海底冒険時代!』
海面上昇で陸地のほとんどが水没した2048年。
環境破壊に警鐘を鳴らしながら人類存亡と
親子の強い絆をファンタジックなアイデアで
描いた秀作!白髪でよりダンディになった
ジェームズ・ブローリン。
これだけでアタリと思ったら、まさかのTV映画。
水位を下げる研究をしているジョバンナがえらい美人さんで、
水着に戦隊モノっぽいダイビングスーツ姿でメロメロ。
インディジョーンズのオマージュっぽいけど、CGや美術が
安っぽくなくて最高だ!あのラスト、続編が見てみたい。
蛇足だけど枢機卿がジェンキンスさんそっくりでした。。
鑑賞日:09月02日 監督:ジーン・デ・セゴンザック

『八つ墓村』
母の故郷が舞台でロケ地や映画の事は幼少期から
嫌というほど聞かされた。人間が人間を殺める時、
鬼の形相になると言うが絡み付く小川真由美の
演技には圧倒される。落武者が騙し討ちにあう前の
独特な間、夏八木さんの瞳が青く光り「末代まで祟ってやる」
と言い残す姿のカッコいい事!
多治見要蔵が桜をバックに颯爽と駆け抜ける印象的なカット
一度通り過ぎた民家へ再び戻って来る恐ろしさ。
辰弥のお宮参りを畑から見守る加藤嘉さんの叙情的な
語りが「砂の器」を思わせ熱いものが込み上げてきます。
思わぬ形で怨みが晴れる結末はさすがの一言!
鑑賞日:09月03日 監督:野村芳太郎

『ゴジラVSビオランテ』
怪獣よりもキザな峰岸徹の独壇場が最大の見せ場。
ゴジラは三原山にて5年過ごしただけで
耳が形成され顔つきもネコっぽくなった。
デザインは植物と巨大ワニを融合させたような
ビオランテに軍配が上がる。
生物らしからぬ去り際は違和感ありますね。
スーパーX2は中途半端な装備と遠隔操作が災いして
全くメカとしての魅力が薄れてしまっている。
女性オペレーター役をデビュー間もない
鈴木京香が演じており若さと凛とした佇まいに
魅了されました。サラジアの胡散臭いスナイパーは
何処行ってしまったの?w
高嶋政伸の力み過ぎた恥ずかしい演技は見物。
鑑賞日:09月07日 監督:大森一樹

『ゴジラVSキングギドラ』
過去へタイムスリップし放射能を浴びゴジラに
なる前の恐竜を転送しようとする未来人w
たどたどしい日本語で話すチャック・ウィルソン
はハマり役だね。バックトゥザフューチャーを参考に
しているそうだけど、未来から持ってきた書物とか
過去には存在しないとか言いだしたり矛盾点が多く
投げやりな演出とお遊びが過ぎてせっかくの特撮が
霞んで見える。当時一世を風靡したターミネーター2を
パクったロボットが思いっきりパロディ展開
するのは興醒め。見所はゴジラザウルスの生々しい質感!
ゴジラ本体より素晴らしいデザインだった。
鑑賞日:09月08日 監督:大森一樹

『バトル・オブ・バミューダトライアングル』
海軍が魔の三角地帯でエイリアンに遭遇。
まんま「バトルシップ」な設定と
「インデペンデンス・デイ」のオチを流用するも
既に見た感ばりばりで全く盛り上がらない。
下手糞なCGに箔を付けようとしたのか「ターミネーター」の
リンダ・ハミルトンを起用するも劣化した表情に
ガッカリするだけで逆効果。「エイリアン2」の
フロスト役なリッコ・ロスも出てるけど別にどうでもいい。
脱出ポッドでヒーヒー言ってた大統領が「核を使え!」と
しゃしゃり出て来たり、宇宙船から帰還したヘリの形状が
実写とCGで異なるなど手抜きにも程がありますw
鑑賞日:09月11日 監督:ニック・ライオン

『コナン・ザ・グレート』
手を繋いでいた母の首が切り落とされると同時に
手が離れてゆく演出はコナンが孤独になり
仇のタルサへ復讐の念を燃やす
印象的なシーンとして描かれているのが感動します。
アクションスターとして注目される前の初々しい
シュワちゃんは、程よく隆起した筋肉が美しい。
シチューに突っ伏したり、耳なし芳一のような
呪文を体全体に書かれる姿は可愛らしいですねw
全編通して美女ばかり、裸体のオンパレードと誠に
眼福でございました。魔法使い役がハリウッドの日本人俳優
でもあるマコ岩松な所も侍魂を感じさせる素晴らしい配役。
ヘビ多めなのは少し辛い。
鑑賞日:09月11日 監督:ジョン・ミリアス

『シャドー・チェイサー』
『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴァル主演。
バケーション中に家族を拉致された息子が陰謀に
巻き込まれるいつものヤツ。ちょいと小遣い稼ぎの
ブルース・ウィリスはあっという間に死んで、
CIAエージェントのシガニー・ウィーバーが珍しく悪役に挑戦。
運転しながら銃を乱射するなど老体に鞭打った
激しいアクションに挑んでいるのは目新しかったです。
家族の絆や腹違いの妹と決死の逃亡劇があるのに
イマイチ物語に生かされていないのが残念。
着替えを持って泳いだり街を歩き回ったりする
ウィルに思わず苦笑。
鑑賞日:09月13日 監督:マブルク・エル・メクリ

『バウンティー・ハンター』
元警官で賞金稼ぎのマイロは出頭命令を無視し
報奨金が掛けられた元妻を捕えるまでを描く
ドタバタコメディ。ジェラルド・バトラーが
三枚目の役に挑戦。元妻の家に入り込み録画番組を
全消去したり歯ブラシを便器に落として元に戻すなど
陰険な嫌がらせをするけど、妻も黙っておらず
スタンガンを最大出力で押しあてる。
嫌よ嫌よも好きのうち。お互い良い所も悪い所も
理解し合っている元夫婦がヨリを戻すまでに
繰り広げる珍道中が笑えるし喧嘩しててもどこか
幸せな感じで泣けちゃう変な映画。
結婚生活って難しいのね。でも二人は良いカップルだよw
鑑賞日:09月13日 監督:アンディ・テナント

『TUBE チューブ』
これはいけません。素人のテロリストがいとも簡単に
爆弾を仕掛け、車両の構造まで熟知している
突拍子の無さ。チャン刑事が何度も車外に
放り出されるけど140キロ運転ですよw いくら映画の中とは
言っても車内で格闘したり日本製車輌の窓ガラスが
飴細工のように割れまくるのは節操なさすぎ!
高速運転してるのにVVVFインバーターの変調音が
鳴り続けているのは不自然だし、高速で分岐点に
突っ込んだら脱線しますよ。
新幹線大爆破からの引用が多くて特段新鮮味は無かった。
切り離した車両からビデオカメラ越しに
刑事を追うカットはロマンチック。
鑑賞日:09月13日 監督:ペク・ウナク

『ビロウ』
潜水艦を舞台にした幽霊ホラー。
閉ざされた空間で1人また1人と
乗組員が死んでゆく。
機器の不具合、ドイツ軍からの攻撃そして不気味な声と
勝手に鳴り出すレコード。息苦しい潜水艦という
シチュエーションだけで十分恐ろしいが、そこに怨念の篭った
幽霊が登場するという逃げ場のない絶望的展開が面白い。
女が乗り込むと不吉な事が起きる。死神を背負い込んだ者が
乗組員の中にいる衝撃の事実。精神的に追い込む脚本は
さすがダーレン・アロノフスキー。「ザ・グリード」のモリガンや
「ハングオーバー」のアランなど意外な俳優が
揃っているのも嬉しい。
鑑賞日:09月14日 監督:デヴイッド・トゥーヒー

『ダブル・インパクト』
双子のヴァン・ダム!
アメリカで育ったチャドは優しけど間が抜けてる。
香港で育った兄のアレックスは
気性が荒くだらしない。そんな凸凹ヴァン・ダムに
ギャップ萌え。燃えよドラゴンでボロを演じたヤン・スエが
極悪マフィアの手下で登場。ヤンの重量級パンチと
ヴァン・ダムのしなやかなハイキックが炸裂する死闘が熱い。
弟に彼女をとられた(と勘違い?)する兄がウイスキーを
浴びるように飲み片方の鼻からウイスキーをチーン!と
噴射するシーンが最高に笑える!
ジェフリー・ルイスも大熱演!
曽我部和恭と江原正士の日テレ版吹替ビデオで鑑賞。
鑑賞日:09月16日 監督:シェルドン・レティック

『モール☆コップ』
おデブなモールの警備員(警備官ってw)が
セグウェイに乗って走り回る毒男の恋愛コメディ。
モールで一目惚れしたエイミーを監視カメラで
ジーッと観察したり、気を引こうと彼女のウィッグ店で
洒落にも使えないカツラを購入。
下戸なのにバーでレモネードと酒を間違えガブ飲み。
酒癖の悪さで大暴れする痛い描写や
ゲーセンの戸締りを頼まれ我を忘れ
音ゲーにのめり込んでいる中、強盗が押し入ったのも
気付かず。。冴えない中年男が火事場のクソ力で
強盗を退治し、一躍ヒーローになる遅咲き青春物語に
ちょっと引きながらも他人事とは思えず共感できましたw
鑑賞日:09月16日 監督:スティーヴ・カー

カリフォルニア・ダウン『カリフォルニア・ダウン』
巨大地震を描いた映画だと大抵夕方に揺れ始め
夜に爆発と炎でそれらしく見せる手法が
多いですが、今作は日中に激震が襲い
高層ビルや橋が信じられないくらい簡単に崩壊する
「アメリカの耐震技術ってこんなもんなの?」と
心配になる豪快なパニック描写が見所。
家族愛で無理くり感動させる湿っぽいドラマは皆無。
ロック様の一家はサバイバルに長けているので簡単には
死にません。余震が発生する度に娘のおっぱいまで
揺れるのは困ったものです。
闇雲に街を崩壊させるだけじゃなく大震災への
備えを考えさせられる防災映画としても
出色の出来栄え!【3D・字幕】新宿ピカデリーで鑑賞。
鑑賞日:09月21日 監督:ブラッド・ペイトン

『悪魔の受胎』
女性隊員が異星人にレイプされ急激に妊娠。
胎児のマインドコントロールで仲間を虐殺する
エログロ度合いが楽しいSFホラー。
土偶風エイリアンに孕まされるんだけど、キミドリ色の精液を
なぜか試験管みたいな物で注入されたりと構造がいまいち
よく分からない。事故で凍死する女や内蔵を食われる男など
残酷度はなかなか。ポルノ畑出身の
ノーマン・J・ウォーレン監督は「人喰いエイリアン」が
面白かったけど、恐怖演出のセンスがあるのでもっと
撮ってほしかった。サンディの鬼気迫る演技と
絶叫が身体に染みついて後味悪し!
TV放送の吹替ビデオで鑑賞。
鑑賞日:09月26日 監督:ノーマン・J・ウォーレン

『サマーキャンプ・インフェルノ』
キャンプ場で惨たらしい殺人が繰り返される
スラッシャー映画の代表作。
育ちの悪そうなクソガキに、やる気のない従業員が揃いに
そろっているので死んで当然な空気がムンムン。
熱湯を被り水ぶくれを起こすデブやら溺死体の口から
ヘビが這い出る悪趣味ショット等、強烈なカットが大挙して
押し寄せるのは見ていて痛快だ!技術の高い
エド・フレンチの特殊メイクが安っぽい画面を引き立てている。
「人間の証明」でジョニー・ヘイワードの父を演じた
ロバート・アール・ジョーンズの起用も嬉しい。
トラウマ植え付け系の中でも意外に説得力のある
ラストは笑えますねw
鑑賞日:09月27日 監督:ロバート・ヒルツィック

『虐殺のテンキラー』
女2人が水着で湖を泳ぎガールズトークを
繰り広げるだけの脱力系サスペンス。
終始メロウな曲が流れていて睡魔に襲われます…。
テンキラーとはなんぞや?と思ったらやはり"TENKILLER"
(10人殺し)とインディアン娘の名前がどうたらこうたら。。
原ヘルス工業もビックリな血の泡風呂w
腕の切断が唯一ホラーっぽいだけで、随分とホンワカムード。
取って付けたようなラストと蛇足なアレ。
呪い云々より単なる片思いの痛い男が「ギー!やっちゃえ」と
殺人を犯すけどちゃんと10人殺せよと
突っ込みたくなる有り様。
鑑賞日:09月27日 監督:ケン・メイヤー

『暗闇の殺意』
ランベルト・バーヴァ監督の正統派ジャーロ。
最初の凶器がカッターでショボイなと思ったら刃渡りの長い
ナイフに持ち替えたw 犯人もダサいと感じたのか?
金網越しからネチネチ刺された後、絶命後は変顔で
金網にもたれ掛かる。この辺はアルジェントの「サスペリア」を
想起させ、フィルムと一緒に遺棄された死体はサスペリアの
針金地獄のようである。主人公が映画音楽家で
ホラー映画監督の友人がいたり、ズタズタに切り裂かれた
フィルムを繋ぎ合わせるくだりなどは「ミッドナイト・クロス」を
彷彿とさせます。地味だけど再見したくなる出来栄え。
鑑賞日:09月28日 監督:ランベルト・バーヴァ

殺しのストッキング『殺しのストッキング』
白い網目のストッキングで絞殺するサイコキラー。
久々に香港ホラーが満喫出来るかと思ったら…
女装の犯人が立小便、凶器がカッターだし周りを取り巻く
連中がドン臭くて苦笑いするしかないトンデモ
お笑いホラーでしたw 守衛の護身用武器に
釘バットや鎖鉄球、尖ったメリケンサックでドタマ殴られて
絶命とか管理がずさん過ぎる!
そして志村後ろ案件の多いこと!
7UPの自販機が突進してくる名シーンなどギャグも
ここまでやれば吹っ切れます。犯人が警官の制服を
着ているからお前らも全員脱げとかMr.BOO!を思わせる
間抜けな演出のオンパレード!
鑑賞日:09月28日 監督:レオン・ポーチ

『ブラッドダイナー/悪魔のメニュー』
人肉食堂を始めた兄弟が死んだ叔父の遺言を
叶えるべく血みどろ殺人を繰り返す。
やる事成す事節操がなくて面白いんだけど
見ている方は置いてけぼりを食うカオスな世界観。
収拾が付かないギャグを連発するし最後の方は
何が起きてるのか分からなくなります。
ドリフの血みどろ版って感じかな。
ほら馬鹿兄弟っていたでしょ。いかりやさんと
仲本さんの方が数百倍マトモです。両腕を切断された男が
車を運転。血で見えなくなった窓をワイパーで乾拭き
(汚れてるのは内側だ)サーターアンダギー風に
フライされる女の頭部は美味しそうw
鑑賞日:09月29日 監督:ジミー・マスロン

『アリス・スイート・アリス』
自堕落な人間ばかり出てきて鬱になりそう。
信仰心が厚いのは個人の自由だけど、片親で束縛された
生活を送る少女には地獄のような日々だと思う。
神棚?にゴキブリ入りの瓶が置いてあったり、
底意地悪い素行を見せるのは親への反発。
子供って残酷だからある程度の歳までは親が愛情を
込めて育てないと屈折した人生を送る事になる。
レインコートにパーティマスクを被った犯人。
あの人物も心は子供だったのかもしれない。
初々しいブルック・シールズが拝めるのも嬉しいし、
カメラワークと巧みな編集でぐいぐい見せる
スラッシャー物の先駆的存在!
鑑賞日:09月30日 監督:アルフレッド・ソウル