「深夜特急5 トルコ・ギリシャ・地中海」沢木耕太郎 | 読書日記2016.10〜

読書日記2016.10〜

読んだ本の中で良かったものについて、簡単に感想を記録しています。

昨日でTBSラジオの朗読が終わり6巻に入りました。


この5巻は私には1巻の次くらいに面白かったです。単純にエピソードが豊富だし、初めて自分が過去に行ったことのある場所が出てきたこともあります。


トルコではある女性を訪ね、東京で預かって来た物を渡すという使命がありました。それが旅のひとつの原動力でもあったようです。予想外の結末ではありましたが、使命を果たしたというエピソードが語られています。


次にギリシャに入りますが、ここでは初めて自分も行ったことのある場所、世界史などでよく知っている言葉が沢山出て来て、すごく親しみを感じました。

タベルナという食堂のような所、ムサカという茄子と挽肉の重ね焼き料理が特に懐かしいというか、親しみをもって思い出されました。


トルコまではお茶、ギリシャからは珈琲の文化圏です。色んな分け方があるのかもしれませんが、そこがアジアとヨーロッパの境目という考え方があることも知りました。


毎回最後に収録される対談も面白かったです。

芭蕉の旅を引き合いに出して、奥の細道も実は旅から2年後くらいに書かれていることや、帰りが決まっていない漂泊の旅であることなどを共通点として挙げていました。


時間が経過してから旅行記を書くのは記憶が薄れるし難しい気もします。3巻にもカトマンズからの手紙という章があったように、この5巻にも地中海からの手紙という章がありました。友人知人に当てたそれらの手紙が助けになったこともあるんだろうと思います。