なぜ「逆年の差」というのだろうか? | カタル・ノ・ダ

カタル・ノ・ダ

40歳でアーティストになったねずみっ子が、ぼそぼそカタル・ブログ。
愛娘犬のシェルティのニナちゃんと、12歳下のフランス人天使と一緒にパリの端で暮らしています。

さて、ワシの天使、天使氏、日本滞在から戻って職業訓練学校に通い始めました!

 

 

実は天使氏、7年近く、南米のコロンビアで外国人向けのフランス語教師をしておりました。

 

一昨年フランスに戻ってきて、外国人向けのフランス語教師の仕事を少ししたのですが、あまりにも酷い勤務環境が続き、転職。

 

しかし、どこもあまり長続きせず。

 

これから一体、何をしたいのだろう・・・と悩んでいたときに、ワシと出会った。

 

ワシは、もちろんやりたくないこともする時もあるけど、基本的に好きなことをして生きてきた人間。

 

そんなワシを見て、さらに天使氏は人生について考えるようになった。

 

付き合い始めて間もない、ある日のこと・・・

 

 

ワシ「嫌な仕事やったってそんなに稼げるわけないんだから、だったら好きなことやったら?」

 

天使「でも、僕、好きなことってよく分からないんだよ。音楽を聞いたり映画を観たりするのは好きだけど、その仕事につきたいわけではなし・・・」

 

ワシ「とりあえず、今の仕事、好きじゃないんでしょ?」

 

天使「・・・うん」

 

ワシ「はっきりしてることから始めたらいいよ」

 

天使「・・・というと?」

 

ワシ「辞めな、今すぐ、そんな好きじゃない仕事。そんで、いま借りてるアパートを引き払ってウチに引っ越してきな(当時は別々に暮らしていた)」

 

天使「え?!」

 

ワシ「嫌なことに時間使って残りの人生を短くするより、一旦全部やめて何もしないで、興味あることだけやってみな。そしたら、本当にやりたいこと見つかる」

 

天使「見つからなかったら?」

 

ワシ「見つかるよ」

 

天使「・・・本当?」

 

ワシ「うん。ただし、興味あることには全てチャレンジすることね。ベッドに横になって「やりたい事ってなんだろう?」なんて頭の中で考えても出てこないから」

 

天使「・・・僕が仕事辞めて、ねずみっ子のところに引っ越してきたら、生活は大変にならない?」

 

ワシ「全くならない」

 

天使「・・・」

 

ワシ「なぜなら、今はワシは家賃や生活費など自分で全部払えてるし自活してるから、そこにキミが入ってきたところで、そんなに変わらないじゃん」

 

 

悩み悩んで、何度もワシと話し合った末、天使氏は3月にウチに引っ越してきて、6月に仕事を辞めた。

 

7月から職業「天使」になった天使氏は、失業手当をもらいながら家事とワシの仕事の事務のお手伝い。

 

ワシの地方の仕事にもアシスタントとして参加し(費用はワシ負担なので、赤字!テヘヘ)、色々なアーティストや文化担当者の人たちとお話ししたり手伝ったり。
 
 
天使「人生でこんなに色々なことをしたことがない!」
 
 
と言うくらい、今までの彼の人生とは全く違うことをした数ヶ月後、天使は、やりたいことが自分の中にあった事に気がついた。
 
中学から高校まで夢中になってやっていたことで、大学に入るときにいつの間にかやめてしまったこと。
 
そんな時に、資格の取れるパリ市の職業訓練学校を発見。
 
連絡をして、面談を受けて、合格。
 
あれよあれよと言う間に決まって、日本滞在後、すぐに授業がスタート。
 
 
天使「なんだかやろうと決めたら、トントン拍子・・・」
 
ワシ「そーゆー時には乗るのが一番だね!」
 
天使「・・・ねぇ、こんな僕でも一緒にいて嫌にならない?失業者だし・・・」
 
ワシ「天使氏、あなたはいいところしかないよ」
 
天使「・・・」
 
ワシ「料理ができる、価値観が合う、人の話をきちんと聞く、有言実行する、考えて行動できる、人を思いやることができる、おまけに永遠にワシより若くてニナちゃんを大切にするイケメン天使・・・こんなにいいところ揃いの人なんて探したってなかなかいません。いや、無職の方がかえって沢山の一緒にいる時間があるからいい!(←脳のラテン化)」
 
天使「あははは」
 
 
「そんな年下と一緒にいて、普通に付き合える?」
 
って聞かれた事があります。
 
年上の女性+年下の男性という図が珍しくなくなってきている昨今においても、一回り以上の年の差ともなると、男性が年上と言う方が、まだまだどこの世界でも一般的な事なのかもしれません。
 
たまたま出会って、お話して、とても気になって、好きになった人が、一回り年下のフランス人男性。
 
12年間の違いはあるけど、全く別の環境で生きてきた人の経験は、自分には無いものなので、彼から学ぶこともたくさんある。
 
普段は年の差は感じないけれど、年の差があるからこそ、お互い思いっきり完全自然体でいられる部分もあるんじゃないかなぁ。
 
と、まぁ、そんな感じで思って付き合っています。
 
 
天使氏、いつもワシとニナちゃんに天真爛漫な天使パワーをありがとう。
 
 
(↑天使氏のパジャマの上で一休みのニナちゃん)