夢想家 441。 | ネズラー通信編集部のブログ

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夢想家441-1 ky ネズラー通信(C) 山本京嗣 作品

シャーペンB。



私の父は
スキューバダイビングの
インストラクターだった。

小さい頃から
父と一緒に
父の職場で水泳や潜水をした。

スキューバダイビングをする人は
年々減っているそうだけれど、
自然と触れ合いたい、
という理由で、
女性の生徒が
多少はいるんだよ、
なんて、
父は私によく話したものだ。

父の職場は
そういった「水場」の資格を取得する
特製のプールがあった。


父が教えていた横の施設は
高飛び込みの施設があって、
一度
私が登ってみたいと、
ダダをコネタとき、
父が同僚に頼んで、
父の同僚の先生に手を引かれ、

飛び込み台から水面を覗いた。

一番
低い位置、
1mの飛び込み板からでも、

下から見るのとじゃ
世界が違っていて、
私は泣いてしまった。


べそをかいた私に
父は
鍛え上げられた肉体に
Tシャツ姿で、
私の頭を撫でながら、

『ほら、
 泣いちゃったじゃないか。
 一番高い場所なんて、
 10mもあるんだよ。』


教えてくれた。


そのとき、
泣きながら恐怖を感じつつも、

あそこから飛びたい、

私の好奇心がムクムクと育っていたのを
今でも
ハッキリと覚えている。



そして、
私は
飛び板飛び込み、の選手になった。

最初は
1mから。

何度も
高飛び込みの基本を練習した。

そして、
5mへ。

私の恐怖心は全くと言っていいほど消え去り、
美しさを追求するこの競技に
のめり込んで行った。

母は、
父の影響だというが、

父が教えていたことは、
命を守る技術で、
勿論、
飛び込み競技は
失敗すると、
命を失うおそれもあるけれど、

水に着水するまでに
如何に技を決めていくか、
という
鍛錬が楽しかった。

父はいいアドバイザーで、
父の同僚と父は
私のコーチとなった。


さあ、
2020年、東京五輪の最終選考だ。

私が下から3番目に若い。


私は
関東地区代表であり、
銚子のみんなの声を背負っている。

私の名前がコールされた。

飛び込み板の反動を得る。

スタート!

空中で、
ぐっと姿勢を変える。

夢想家441-2 ky ネズラー通信(C)

美しく!
美しく!

魚のように美しく!

私の身体がピンと張る。

夢想家441-3 ky ネズラー通信(C)


水面へ帰るんだ。

そう心が言う。
私の指先まで
水の精の力が宿る。


夢想家441-4 ky ネズラー通信(C)











(こんな出だしはどうだろう?)









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白いTシャツ、黄色の向日葵、空の青。
【左】羊毛ブローチ。
【右】水彩。

ネズラー通信編集部(C)
ky


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