スラムドッグ$ミリオネア http://slumdog.gyao.jp/
を見てきました。
インドのお話って、いつも想像に限界があります。本で読むのに…
- ぼくと1ルピーの神様 (ランダムハウス講談社文庫)/ヴィカス スワラップ
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原作は上記です。内容は映画とは、かなり違うようなので、読むのを楽しみにしています。
私はインドものは映像をみてから原作を読むようにしています。
独特のインド‥その土地の雑然や混沌、そしてエネジーはもう頭の外なんで。
さて
映画のほうですが
さすがにすごかった‥‥
なにがって?
人間の則:のり(生きる原則みたいのもの)の正しさを知っている、って…やはり才能なんだろうか?
て、いう究極的な、なぞが私には残ったからです。
意味が分かりにくいですよね。
物語は、手前の少年ジャマールと向こうの少年、兄のサリーム、そしてもうひとり、ルティカという少女の三人。
この親を失った三人の孤児たちの過酷な生立ちと、クイズミリオネアに出場した15歳のジャマールの現在が交錯していくのですが‥(詳しいことはHPのあらすじなどで)
どんなに虐げられ、裏切られ、どん底の境遇であっても、まっすぐな瞳と行動を失わないジャマールと、反対に、弟さえいじめ裏切り、はしっこく、ずるく、悪の世界ではいあがり、どんどんと荒んでいく兄のサリーム。
全く同じ時間を共有しているのに、対称的に人格になっていきます。
ふつうならサリームになってあたりまえなんです。
だって、やらなきゃやられるんですから。
だけどジャマールは、驚くほどストイックでまじめに、そして一貫して愛に基づいた行動を選択するのです。
その表現こそが、少女ルティカを愛しつづけ、探し続ける、という、この映画の大テーマになっているのです。
この映画は、ものすごいラブストーリーだと思います。
そして、ものすごいスピリチュアルでもあります。
(ストーリーの計算もすごいレベル!原作はどうかなー?)
ジャマールは、目先の損得・苦楽・世間の評価、に流されません。
だから、頭はいいのに(スラム育ちという差別から)普通以下の生活しかできません(本当はばかにしている奴のほうが大ばかなんですが)。
ですがジャマールは平気です。
なにが大切なのかちゃんと知っているからです。
愛とか、誠実とか、あきらめないこと、が一番大事だって、なぜか彼は知っているのです。
これが一番不思議でした。
彼には神も宗教もありません。孤児でしたから。
世間には稀に……
宗教や哲学なんかを知らなくても、神さまみたいな人格な人っていますよね?
その人たちってなんなんでしょうか?
生まれつきプチ解脱できているみたいな人‥‥
結局、こういった則に合った生き方をしている人には運命は微笑みかけるのです
(=ミリオネアの結果とルティカとの真実の愛)。
そして反対の結末をむかえたサリーム。
目先の利損と運命の過酷さに、躍らされたサリーム。 まさに人間らしい…
けれど、最後は‥
彼の精一杯の……愛を選択したのだと思いました。