商工会・商工会議所等からセミナー講師として依頼されるために -30ページ目

開業時の手持ちは退職金の230万円のみ


本章はおもに私の体験です。「オレはスゴイぜ」という自慢話でもなく、「こんなに苦労した」というお涙頂戴ストーリーでもなく、出来の悪い自虐ギャグでもなく、「私の場合はこうだった」という単純なドキュメンタリーです。いま振り返ると、「もっと早く融資を受けていれば」と思うことが多くありました。本章を読んで、「手元に資金があるということが、どれほど日々の活動を自由にするか、どれほど未来への展望が描きやすいか」という、経済面&心理面にもたらす大きな余裕を感じていただければと思いながら書いています。

あなたは士業としての独立にあたり、それなりの準備はなさったか、あるいは今ちょうど準備しているところだと思います。「独立前に資格取得」「少しは経験を積んだ」「ある程度の見込み客を作ってから」「半年は仕事がなくても大丈夫なほどの手元資金を」etc…。

私の場合は、勤めていた金融機関の破綻が独立のきっかけです。午前に顧客から預金を預かり、支店に戻って証書を作り、午後にお持ちしようと思いながら職員食堂で昼食を取っていたとき、そこで流れていたテレビニュースで自分の会社が破綻したことを知りました。その後は、預金者に(当時の法律で)預金が全額保護対象であることを、融資案件がストップしてしまった先に政府のセーフティネット利用法を説明するだけで手一杯。会社を辞めることは早々に決めたものの、来る日も来る日も残務処理です。経営コンサルタントとして独立・事業運営していくための資格も、人脈も、もちろん経験・実績も、何の準備もできず会社を離れた2002年、私にあったのは退職金の230万円のみでした。

それから経営コンサルタントとして「食える」ようになるまで2年9ヵ月かかりました。その約3年間を、退職金の230万円だけでつないでいたのでは、もちろんありません。コンサルタント業を細々と営んでいたものの、事業を一気に好転させたきっかけは国民生活金融公庫(現在の日本政策金融公庫)からの融資。お金を「借りて」、「使って」、借りた以上のリターンを得ればいいという効率の良さを、私は身をもって知ったのです。本章は私の個人的な失敗話ですが、第2章以降では友人や私自身の成功事例を詳しく説明します。両者の差を知れば、「使うべきときは使う」効果の大きさをご理解いただけるでしょう。

第0章 はじめに


今のあなたに足りないのはおそらく、手元資金だ



士業として、コンサルタントとして、あるいは講師として、またはコーチとして、今まさに独立を考えているあなた。独立したものの、毎月ある程度の収入が見込める…とまでは言えないあなた。そこそこ事業は軌道にのったとはいえるけれど、伸び悩みで成長の踊り場にいると自覚しているあなた。あなたが今の「その壁」を超えるために足りないのは、おそらく手元資金ではないかと私は想像しています。もちろん資金があればすべて何とかなるとは言いません。でも手元に資金があれば、もっと動ける。しかも、効率的に。

そんなことを言えるのは、資金がないため、スピーディに、効率よく動けないことが私にもあったからです。私は開業10年目の経営コンサルタントですが、食えるようになるまで2年9ヵ月かかりました。一番厳しかったのが開業後の、その2年9ヵ月です。私は世間知らずで、そして、お金の使い方をまったくわかってなかった。もしよくわかっていれば、もっと早く食えるようになっていたのに、あんなに長い期間、つらい、というより「窮屈な」思いをすることはなかったのにと思うと、この本を書かずにはいられませんでした。


事業に、自分自身に、積極的に投資する士業しか生き残れない


コンサルタントという仕事柄、多くの士業とお話しする機会があるのですが、たいていは私のように「食えるまでに3年かかった」とおっしゃいます。しかしその一方、3年もかからなかった人も意外と多いのです。大勢からお話を伺ううち、そして自分の過去も振り返れば、その差は「積極的に投資をするかしないか」にあると確信しました。すなわち、お金を上手に使う士業は早めに軌道にのり、その後も生き残っていきやすいのです。

独立する士業は大きく2つのタイプに分かれます。ひとつは、食えるようになるまで手持ち資金で何とか持ちこたえようとする資金節約型士業。名刺やHP、チラシは自作、スキルアップのためのセミナーや勉強会、人脈づくりのための異業種交流会も費用重視、交際費や交通費が気になるので懇親会は欠席、出不精になり、うまく顧客をつかめず、顧客を紹介してくれる人脈も築けず、時間だけが経って廃業…というケースが多く見られます。

もうひとつは、積極投資型士業。顧客獲得のための投資は必要経費と考え、手持ち資金が乏しくても「ここぞ」と判断すれば投資を惜しまないタイプです。HPやチラシ、事業案内も、顧客の興味を惹く見栄えを考慮した説得力のあるものをプロの制作者に依頼。どの異業種交流会や勉強会が人脈構築に有効かを知るため、金額に関係なく多彩な交流会に参加。そのうち顧客獲得法を早期に確立して、早い時期に事業を軌道にのせます。行動のスピードが速く試行錯誤の数が多いことを、「あの人はそういう性格だ」で片づけちゃいけない。行動を後押しするのは、手元のキャッシュ。「いけるかもしれない」という可能性だけで素早く動けるのは、「ダメだったとき」のためのバックアップ用資金があるからです。


借りれば、「手持ち資金がないから」と言い訳せずに済む


「そんなことはわかっている」「あれば投資するけれど、ないから手持ちでやりくりしているのだ」という反論もよくわかります。では、融資を検討してみてはいかがでしょうか。前述した積極投資型士業なら「早く顧客をつかむことができれば融資分はたいして問題なく返せる」と考え、借り入れに躊躇しません。しかし、資金節約型士業は「返せるあてがないのにお金を借りるのは怖い」と考えるでしょう。かつての私もそうでした。積極的な投資が必要なのはわかっていても、今まさに手元の資金が減っていくことの方に気を取られ、そのうえ借り入れなんてとんでもないと思っていました。

借りたら返せばいいんです。返せるだけの事業計画を練って、実行してみて、いや、あれは間違いだった、講じた策に効果がなかったと判断したら別の方法を試せばいい。そんな試行錯誤ができるのも、手元資金があるからこそ。もし300万円を年率4%、5年返済で借りたとしたら、月々の利子はわずか5000円程度。毎月1回の飲み会費用ほどで、あなたの行動は今より飛躍的に自由になります。HPに、事業チラシに、自分のスキル磨きに、見込み客と出会えるかもしれない(少し高額な)交流会やセミナーに、資金を惜しまず投資できる。もう、「お金がないから」と言い訳しなくていい。周りにも、自分にも。


借り入れは実際、そう難しくはない


かつて金融機関の融資担当だった私が断言します。独立開業者の借り入れは、あなたが思っているほど難しくはありません。そもそも「借りられる」ということは、あなたの事業計画書に「これなら返済できる」と金融機関の融資担当者も太鼓判を押したということで、実行に値する事業計画がすでに仕上がっているということなのです。借りてしまえば行動あるのみ。借りたお金をどう使うのが有意義か、周りの士業の成功事例や私自身の(おもに苦い)経験を交えてたっぷりお話ししましょう。また、「借りる覚悟はできたが借り方がわからない、金融機関は敷居が高い」という声には、とくに第3章で詳しくお応えしています。成功するために、いえ、廃業する士業が多いことを思えばむしろ、生き残っていくために必要なお金の借り方と使い方について、本書を何度でも読み返して隅から隅までお役立てください。大丈夫、今の「その壁」は、超えられないほど高くはない。「現状に納得はしていない」「次の景色が見たい」と、いま思うその気持ちがもう、あなたが次のジャンプの準備にしっかり入っている証拠です。

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ヒガシカワ