あなたにとって、今年はどんな映画ジャンルの年だろうか?と
私が聞かれたとしたら…
え?誰も興味ないって?まあまあそう言わずに聞いてくださいよ⭐︎(聞け)
アクション映画をここ数ヶ月はよく見ているので,2021年は「アクション映画の年」となるわけですが、昨年はどうだったかというと「ミステリー映画の年」。その前は「ホラー映画」。とにかく年によって偏るわけですね。
そんなこんなで2019年が個人的「ホラー映画」の年だったんですけど、新作で言えば「ミッドサマー」「ドクター・スリープ」など。旧作なら「ドント・ブリーズ」「ヘレディタリー/ 継承」をこの年は見ていました。そこで出会ったのがロバート・エガース監督。彼はまだ長編は二本しか撮ってなかったのですぐ入り込めました。今回扱うのがその一本なんですが。今作は2019年にアメリカの映画館で見たのですが、「未公開になるか…どうかな…」と平静を保ちながら待つこと2年、遂に日本の劇場に上陸!
ということで扱わせていただきます。
1890年代、絶海の孤島にある灯台の管理を任された2人の男。ベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)の傲慢さ、体たらくさに初日から頭を抱える若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)。衝突を繰り返しながらも、何があろうと4週間は仕事をしなければいけない。遂に最終日を迎えたかに見えたが、大嵐により2人は島に閉じ込められてしまう。
原題: The Lighthouse
R15+
全米公開: 2019年10月18日
日本公開: 2021年7月9日
上映時間: 110分
製作国: アメリカ合衆国
監督&脚本: ロバート・エガース
脚本: マックス・エガース
製作: ユーリー・ヘンレイ、ロウレンソ・サンターナ、ロドリゴ・テイシェイラジェイ・ヴァン・ホイ
撮影: ジェアリン・ブラシュケ
音楽: マーク・コーベン
美術: クレイグ・レイスロップ
衣装: リンダ・ミューア
編集: ルイーズ・フォード
出演: ロバート・パティンソン、ウィレム・デフォー、ワレリヤ・カラマン、ローガン・ホークス
ロバート・エガース監督の作品を取り上げるのは今回初めてです。まあまだ長編は今作含めて二本しか撮っていません。長編一作目の「ウィッチ」は不思議な怖さがあるレアなホラー映画で、それは良かった(そしてアニャ・テイラー=ジョイに一目惚れしたきっかけ)のですが「面白い!」とは言える感じじゃなかったんです。良い意味でですよ汗 ただ軽く人には勧めずらかったと。では「ライトハウス」はどうだったかというと、謎なところ、全ては語らないなんとも言えない怖さは相変わらずなんですが、今回はね、「面白い」とも感じました。
アメリカで見た時には、正直ピンと来なかったんですよ。キャラクターの独特の訛りがカタコトジャパニーズスチューデントの当時の私には理解しきれなかったのも理由の一つ。(つまりアホだったんですけど)そして特別起伏があるものでもなかったので。でも、なんかが引っ掛かりまして。結構この映画のことはしばらく考えていて…。よって日本語字幕付きで見れるということで配給のトランスフォーマーさんには本当にありがとうと言いたい。(もうちょっと早ければなおよかったけど汗) 現地で買ったブルーレイでの分析も捗ります。
ロバート・エガース監督は過去の文献や実際に起きた事件をベースにホラー映画を描いているのが特徴なんですが、「ライトハウス」は1800年代に起きた灯台守による事件が元になっています。この映画と同じように灯台守が二人組で孤島に赴任したんですが、その中で一人が事故死してしまいます。元々二人は仲が悪かったのもあり、変に勘ぐられたら困ると思ったもう一方はあえて遺体をそのままにしていました。この時点でやばいんですけど、結局残った一人が救出された際には発狂してまともに会話もできなくなってしまっていたと。
そんな記録を元に描かれた作品です。みなさん、ぜひお楽しみください!(てなるかバカタレ)
まあ実際、映画自体はこれに似た話ではあるんですが、そこにプラスアルファ怪物、ミステリー、エロ要素などが世界観を広げます。絶対行っちゃまずいだろうというところに力不足な人数で行って案の定、元には戻れなくなってしまう、そんな顛末を鑑賞するホラージャンルに含まれるでしょう。「死霊のはらわた」「シャイニング」、いや近いのは「アンチクライスト」かな。それもあって、本編中メインで出てくるキャラクターは2人だけで、ウィンズローとトーマスだけでほぼ展開されるのでかなり閉鎖的です。
その場に行くとなれば自分もなんとか逃げようとするであろうロケーションも映画で見るうちは楽しいです。時代が違うのもありそこら辺の空気感やセット、衣装は好評価です。ただ想像していただきたい。井戸から出る水は汚れきっているのに酒は飲める。同居するおっちゃんはクソジジイ、外に出ればカモメに煽られる。
もうオ◯るぐらいしかないですよ。(あ、私じゃないですよ)
それぐらいに主人公は過労と飲み過ぎとストレスで理性がなくなってくるんですが、そこで見つける人魚の石像、よく見るとだんだんアレに見えてくる灯台、そしてそれを「私の領域だ」と死守するベテラン看守。発狂の末に見えてくるファンタジー、そしてこの灯台はそもそもなんなのか。性的なメタファーが垣間見える瞬間が常にちょい出しかつ不気味なので、どんどん引き込まれて行くことでしょう。特に脳内中学生の私は、ウィンズローが人魚の幻影に恐れおののく時に何を考えていたかというと
「ほうほう、今回の人魚はちゃんと穴があるぞ!!もっと!もっと人魚の生態を!(喜)」
いやいや〜「おめえこそ灯台に一生縛り付けておきたい、そしてカモメの餌になれ」なんて言わないでくださいよ汗
これだけの要素があるのに全ては語らない、ゆえに魅力的とも取れるし、「なんか、よくわかんねえな」とも取れる。「ウィッチ」と同じくですね、もう取り返しがつかない状態かつ「これどうなっちゃうんだ…?」てなったところで、
映画が終わっちゃうんですよ。そこが不安、あるいは虚無感をまた誘うと。
やっぱりエンタメというよりはアート作品に近いと思います。
そうなると、改めてこれだけブロックバスター大作が続く中で、こんな変な映画をよくぞここまで徹底して作ってくれたな、そこに自分は感動を覚えました。なかなかクリエイターの作家性って出しきれないこともハリウッドなら多々あると思うんですが、これに関してはやりきっています。ゴーサインを出したスタジオはやはり、「ミッドサマー」「ムーンライト」などのA24。今後もどんどん作家性優先の作品を出し続けて欲しい!
映画の価値を高めている大きな理由の一つは二人の主演でしょう。ウィレム・デフォーの一切遠慮のない不潔さ、傲慢さ。
本編中、この人何回おならしたでしょうか。ウィレム・デフォーは信頼していますが、今回それだけじゃなくて。ウィンズロー役のロバート・パティンソン。
彼は常に進化しています。アート作品もハリウッド大作も経験し、年々力を増しています。来年の主演作「ザ・バットマン」も本当に楽しみです。個人的には彼が出てる映画は進んで見たいと思っているくらいです。
今作を見て思ったのが、彼はイケメン俳優の中でもかなり体を張っているのではないでしょうか。
これまでいただろうか。
3本も映画中で自慰行為をぶちかますイケメン俳優が!
これぞ本物の出フォー!
(って怒られるぞ汗)
でもごめん!
まだ「トワイライト」は見てない!
他にも糞尿を浴びてしまったり、ひたすらウィレム・デフォーと踊り続けたりぬかるんだ大地をひたすら走らされたりと…本当にスタッフも含めて気が遠くなるような制作現場を思わせる作品でした。実際にセットは孤島で木製で作り上げ、本編中の嵐の演出もほとんど本物だそうです。
いや、よく作ったよマジで。
そしてその様子を収める正方形の画面サイズ、冷たいモノクロ映像も完成度を高めるのに大きく貢献していました。絵画のような映画です。
◯◯◯に似た灯台に男二人を入れたらろくなことにならないという教訓を叩き込む上でも、そして人魚の生態を知る上でも、オススメです。(半分冗談、半分ガチ)
真面目にいうと、不気味な映画、変な映画が好きな人はオススメです。
最終評価は85点です。
というわけでありがとうございました。すいません、今回結構曖昧な表現が多かったかもしれませんが気になった方は本編にのめり込んでいただければ、と。
久々にらしくないですが、映画を見て考え込んでみました。なので…
一旦ね、また知能指数を下げようと思います。
なぜなら最近こんな映画を見てきたからだ!!!!
次回は「ワイルド・スピード / ジェットブレイク」のレビューでお会いしましょう。











