[映画レビュー#19] そこのみにて光輝く | ニールのシアター

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自分は見たいものリストでも邦画をついつい後回しにしちゃうことが多いんだけれど、今回はね...

後回しにすべきじゃなかった...!


Amazonプライムビデオでもうすぐ配信終了の欄に入ってて慌てて見たわけだけど、見れて本当に良かった。できることなら劇場で見ておけば良かった...でも時すでに遅し。もう約4、5年経っていた。でも、全く色褪せてない。今回は是非今作を知ってもらって、すぐ見てもらいたい。


芥川賞候補に幾度も名を連ねながら受賞がかなわず、41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志の唯一の長編小説を、綾野剛の主演で映画化。「オカンの嫁入り」の呉美保監督がメガホンをとり、愛を捨てた男と愛を諦めた女の出会いを描く。仕事を辞めブラブラと過ごしていた佐藤達夫(綾野剛)は、粗暴だが人懐こい青年・大城拓児(菅田将暉)とパチンコ屋で知り合う。ついて来るよう案内された先には、取り残されたように存在する一軒のバラックで、寝たきりの父(田村泰二郎)、その世話に追われる母(伊佐山ひろ子)、水商売で一家を支える千夏(池脇千鶴)がいた。世間からさげすまれたその場所で、ひとり光輝く千夏に達夫はひかれていく。しかしそんな時、事件が起こり……。
(映画.comより)


R15+
公開日2014年4月19日
上映時間: 120分
製作国: 日本

監督: 呉美保
企画: 菅原和博
製作: 永田守、菅原和博
原作: 佐藤泰志
脚本: 高田亮
撮影: 近藤龍人
照明: 藤井勇
録音: 吉田憲義
美術: 井上心平
編集: 木村悦子
音楽: 田中拓人
助監督: 山口隆治

出演: 綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎、他


結論から言うと、自分にとって大事な作品になった。まぎれもない傑作だと感じた。

まず何が凄いって、主演三人の演技。綾野剛さんは立ち振る舞いから全て本当に達夫そのもの。池脇千鶴さんは全編に渡って体当たりで薄汚れながらも強く生きる女性を体現していた。そして菅田将暉さん、序盤は異常に陽気でうるさいのが少し気になったりしたけど、とあるクライマックスまではずっとそうだったので達夫のように観客も自然と愛おしくなって受け入れられるようなキャラになっていた。ここは挙げきれないけど、本作のキャストの演技は皆んな最高だった。


ストーリー、予告を見れば多少それが美しいものばかりでないことは大体想像がつくとは思うんだけど、あらゆるものを飾らないで描いている作品だと感じた。わざとらしい演出もない、日常も、会話も、職場も、性行為も、幸福も不快も関係なく、そのままをクローズアップして描く。さらにそこに一緒に写っている自然や背景で、雰囲気や感情を描く手法も本当に長けていた。そこにあるものに何一つ手を加えているわけではないのに、背景と自然があることでそのキャラクターの心情が、セリフが少なくても大体想像できる。言わせるんじゃなくて見せる、まさに映画ならではの見せ場になっている。日本にいるうちに原作を読めなかったのが本当に惜しいんだけど、呉美保監督の日常の切り取り方にただただ感服。



会話シーンも印象的だった。横長のワイドスクリーンの特徴をうまく使って写っている2人の関係性、もどかしさなどを距離感で見せる。...ほんと、すげえ!!!(語彙力) 

ちょっと違和感を感じたのが綾野剛さんと火野正平さんとのとある会話シーンの距離感と声の大きさが釣り合ってないところがあってそこだけ、録音した感が拭えなかった。でもそこぐらい。




そしてどのシーンにも共通していたのが、キャストの肌が見えるシーンというのが、スタイルとか関係なしに色っぽく写っていた。太っていようが、ガリガリに痩せていようが関係なしに、色っぽいんっすよ。生きている人間のありのままの姿を見せられているような気分だった。生きている世界は大半辛いことしかないんだけど、そこで起こるささやかな幸せも同じ色合いで撮ることで、どのシーンでも健気に生きる者たちが、本当に美しく自分の目には映った。だからこそラストカットが際立つ。言葉では言い表しがたいカタルシス。特に何かが起こっているわけではない。それでも大きな希望を感じさせるそのシーンだけで

(こっから完全に主観モードですm(_ _)m)

間違いなく人生生涯に残る大事な映画だ!と自分は感じた。自分語りになっちゃいますけどすいません。自分はまだ生涯ベストの映画って人に語れるような映画がまだなかったんすよ。出会ったことがなくて。おそらくまだ人生経験が浅いからって理由もあるんだろうけど...。おそらく今後もきっと他にも生涯ベスト映画には出会えるとは思うんだけれど、この映画も間違いなく僕のベスト映画に加わることは間違いない。そう感じた。今まで体験したことのない感動と衝撃をもらえた映画だった。






最終評価は97点!






最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


次回は「ヒート」をレビュー予定です!