まったく年末気分のない日々を送っています・・・。
しかも今日は途中雨に降られて寒いのなんのって・・・(笑)
しかし、実は毎年年末を堪能したことってないんですよね~。毎年年末って
忙しくしてますね・・・。
紅白の時間も何か仕事してること多いですね~(笑)
今日の話はある年の大晦日の話です。
大晦日に年末の挨拶回りに行く客が昔ありました。その帰りに電車の中で、
偶然先輩に会ったのです。
「久しぶりやの~。」
ベタベタの関西弁で大きな声。少し電車の中で恥ずかしくて私は顔を伏せ気
味に立ってました。
「俺、家買うてよ~。ちょっと見に来いや~。」
何故か一方的に決められて、途中下車してその先輩の新築へ行きました。
途中下車した駅に、先輩の奥さんが迎えに来ていて、申し訳ない思いで一杯
で先輩の家に行きました。
駅から20分ほど車で走り、新しい住宅街へ。
山を切り開いた新興住宅地でした。
「引っ越したばっかでよ~。今年は大掃除もせんでえーから楽なんや~。」
そう言って、家のドアを開けました。
奥さんも快く招き入れてくれ、私はお邪魔しました。
「まだ引越して2週間なんよー。まだカーテンが出来てきてないんやー。」
そう言ってリビングへ。シャッター式の雨戸があるので、特にカーテンも必要
ないのかもなどと思ったのを覚えています。
奥さんがコーヒーを入れてくれて、リビングのソファで頂きました。
「ちょっと駅から遠いけどな・・・。」
先輩の家自慢は続きます。
しかし、私は車を降りた瞬間から、何か嫌な感じがしてなりませんでした。
「いい家ですねー。高かったでしょ・・・。」
私も先輩に合わせて話をするのですが・・・その瞬間にも何か気になるのです。
「色々見るか・・・。」
先輩はそう言って家の中を案内してくれました。
少し街から離れているので、少し大きめの家でした。
全ての部屋を案内してくれて、リビングに戻ってきたのですが、その後、
「外も見るか・・・。」
寒い中、家の外に出ました。
広いガレージ・・・。
作り付けの花壇・・・。
裏庭・・・。
裏庭にも花壇のような、菜園のような・・・。
ものすごく広い家でした・・・。
しかし、やはり何かが気になるのです。
すると奥さんが子どもを連れて出てきました。
「ちょっと買物に行ってくるからー。」
と言い、車で出かけて行きました。
その時です。
ずっと感じていた嫌な気分の原因がわかりました。
車を停めていたガレージのコンクリートの上に染みがありました。
その染みは「墓石」の形の様に見えるのです・・・。
「先輩、これ染みですか・・・。」
「そうやねん・・・。二回塗りなおしてもらったんやけどな・・・。出てくるんや。」
玄関側から見ると、墓石の形。敷地の入り口の方から見ると墓石の形が逆
さに見えるのです。
「強度に問題は無いらしいんやけどなー。これ墓石に見えるやろ・・・。」
先輩にもそう見えるようです。
「そうですね・・・。そう見えます。」
私も率直にそう答えました。
「何かあるんやろうか・・・。」
そう言いながら、先輩と二人で家の中に入りました。
昔、バイパスの上を通る橋の橋脚に「親子が手を繋いだ影」が浮き出るのを
見たことがあります。
それは山を削ってバイパスを通したのですが、その山の上にお墓があり、その
墓を移動させて、その場所に橋を通したのが原因で、同じように何度塗りなおし
ても浮き出てくるという事でした・・・。
それを思い出しました。
「先輩・・・。この場所って元々何だったんですか・・・。」
私は先輩に聞きました。
「この辺か。ここからずっと東側まで山やったはずやで・・・。」
そういいます。
「お墓があったとかってないですか・・・。」
私はどうもそんな気がしてならなかったのです。
「お前、気悪いなー。」
先輩は笑いながらそういいます。
確かに私も、聞いてはいけないと思いました。しかし、それほどに気になって
仕方なかったのです。
「嫁がこの辺詳しいから、帰ったら聞いてみようや。」
先輩はそういうとキッチンの換気扇の下へ私を連れて行き、二人でタバコを
吸っていました。
先輩の奥さんはそれから1時間ほどで帰ってきました。
奥さんは色々と料理を出してくれ、私と先輩はリビングでビールを飲みながら
食べていました。
「そういえば、この辺りって昔何があったか知ってるか・・・。」
先輩が奥さんに聞きました。
「この辺・・・。池があったわ・・・。あと何があったかな・・・。」
奥さんは少し考えていました。
「お墓なかったですか・・・。」
私は奥さんに聞きました。
奥さんは少し黙って・・・。
「あったわ。あった。」
奥さんは身を乗り出してそう言いました。
「でも何でわかるん・・・。」
奥さんはビールを私のグラスに注ぎながらそう聞いてきます。
「ガレージの染みよ・・・。アレが墓石に見えるやろ・・・。」
先輩は奥さんにガレージを指差して言ってました。
「やめてよー気持ち悪い・・・。」
奥さんはそういってキッチンへ戻っていきました。
「何かした方がええんかな・・・。」
心配そうな先輩。
「何にも無いとは思うんですけど・・・。少し気になるんで、年明けたらお祓いと
かしてもらった方がいいかもしれないですね・・・。」
私はそれだけアドバイスしました。
気にならない人は問題ないのですが、気になる人はそれだけで精神的に参っ
てしまう事もあるのです・・・。
「わかった。初詣行った時に頼んでみるわ・・・。」
先輩が無口になったのが印象的でした・・・。
その日は夕方、奥さんに駅まで送ってもらい帰りました。
年が明けて、私もそんな事は忘れていたのですが、ある日その先輩から携帯
に電話がかかってきました。
お祓いをしてもらったら、ガレージの染みがどんどん薄くなって、完全に消えた
と先輩は言ってました。
「なんかよー。家が建った場所がかなり悪かったらしいわ・・・。やっぱ言うよう
にうちの家の辺りは墓やったみたいやわ・・・。」
先輩は意気消沈したかの様な口調で言ってました。
「そのまま住んでると病気になったり、怪我したりってあったかもしれんって言
ってたわ・・・。」
お祓いをしてもらい、その後100日間お神酒や塩、お米などを敷地の四隅に置
いてくださいといわれたようだ・・・。
「お前とあの日偶然会って良かったわ。ありがとうなー。」
先輩は心からそう言ってました。
多分、そのまま先輩はその家に住んでいるはずです。
何も無く・・・。多分・・・。きっと・・・。
TODAY'S BGM 「いつかのメリークリスマス」 B'z