#046 秋の日の怪談 「危険な場所2」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

冷え込んできましたね。すっかり晩秋の大気が漂ってます。


私ごとですが・・・って元々ブログって私ごとを書くモノですが(笑)


昨日事故を起こしまして・・・現在全身激痛を伴っており大変です。


比較的安全な車に乗せていただいてたので、死なずに済みました(笑)


まだ霊にならずに済んでよかったです・・・(笑)



では今日は先日の話の後日談を約束通り書きたいと思います。





友人FとSと私、そしてヨウコちゃん。この4人でヨウコちゃんの自宅近くの


自殺のあったというコンテナを見に行ったのですが、Fが言うには


「本当に怖いのはそのコンテナではなく、他にある・・・。」


コンテナの裏に捨ててあった仏壇。


それを見つけた後のFの様子からも、その仏壇が怖いということがわかり


ました。



その日から数日経ったある休日のことでした・・・。



朝早くから携帯がなり、寝ぼけて出てみるとFからの電話でした。



「今日ちょっと空いてる。」


「うん・・・。えーけど。」


「ちょっと一緒に来て。Sと迎えに行くから・・・。」


そう言われました。



ちょうど昼前に二人はやってきて、3人で昼飯を食べながら話をしました。



「どこかいくの。」


私はFに聞きました。


「うん・・・この間の場所・・・。」


Fは大盛のミートスパゲティを食べながらそういいます。



「実はな・・・。」


大盛のパスタを食べ終わったところで、話を始めました。



先日、あの場所に行った後、ヨウコちゃんに異変があり、40度を超える高


熱が続いているそうなのだ・・・。


風邪だろうと言うことで、病院にも行ったそうなのだが、注射や薬では一向


に熱が下がる様子もないと言う。



Fはそれを聞いてあの場所に行く必要があると判断したと言うのだが。



「おいおい・・・。それは俺らもヤバい可能性ないか・・・。」


Sがそう言い出す。



私には疑問があった。


4人で行き、なぜヨウコちゃんだけがそんな事になったのか・・・。



「俺は行きたくないなー。」


Sは完全に逃げ腰で・・・。



「だったら二人で行くわ・・・。」


FはSにそう言った。元々Fは無理強いはしない人。嫌だという人まで巻き込


む事はない。



その店を出て、Sを家まで送る。私とFはそのままその場所へ向かう。



後部座席にダンボールが乗っていた。



「これなに・・・。」


私が聞くと、



「あー。じいさんに聞いて色々と持ってきた。」


そう言う。


私はそのダンボールを開けて中を見た。



線香、ろうそく、水、酒、榊、鏡に米、塩・・・。そんなものが入ってた記憶があ


る。



「お前のじいさんってお寺の住職やったよな・・・。これって神主さんの仕事じ


ゃないのか・・・。」


私は素直に疑問を投げかけた。



「霊媒師って寺でも神社でもなくて、どっちにも属さないのが本当みたいや


な・・・。もちろん俺もそのどれでもないけどなー。」


そう言って笑っていた。



例の場所の近くまで二人でやってきた。


とりあえず近くに車を止めて、缶コーヒーを飲んだ。



そこで、Fはヨウコちゃんに電話をしていた。


私はタバコを吸いながら、今から入っていく山の方を見ていた。やけに烏が


いた記憶がある・・・。



「少しマシやけど、まだ熱が下がらんらしいわ・・・。」


Fはそう言うと空き缶を捨てて車に乗り込んだ。



そのまま一気にその場所まで行った。


その場所は昼間でも気味が悪い事がわかった。そしてなんらかの気配も


感じるのだ・・・。



Fに軍手を渡された。



「なにするんや・・・。」


「例の仏壇を引っ張り出す。」


Fはそう言うとコンテナの裏に入っていった。



マジかよ・・・。これは私の本音(笑)


Sではないけど、厄介なのは正直嫌だった。Fはヨウコちゃんを救いたい


という一心だったのかもしれない。



周りのゴミをどけながら、大きな仏壇を二人がかりでコンテナの横まで引


っ張り出した。少し肌寒い時期に二人で汗だくになっていた。



まず、仏壇に触れる前に、Fは大量の線香に火をつけて、塩をふっていた


気がする。



大きな仏壇はかなり重い。下にタイヤを置いて、その上にベニヤ板を敷く。


その上を滑らせるようにして引っ張り出した。



仏壇を動かすと、その下からも色々と出てきた。


仏壇の鐘やお経なども・・・。


とりあえず仏壇をきちんと立て、その一式をセットした。



Fは線香を立てて、水をはり、榊を活け、手を合わせた。



仏壇の引き出しから色々なモノが出てきた。


持ち主がわかるモノも・・・。



そしてその持ち主・・・ヨウコちゃんと同じ苗字の人だった。


田舎の方である。同じ苗字の人が多い土地なのだろう・・・。



Fは仏壇の周りに酒と塩を撒き始めた。


私はそれを見ているだけだったのだが・・・。



そして仏壇の開きを閉めた、そのときだった・・・。



「今聞こえた・・・。」


Fは私にそう言った。


「ん・・・。いや・・・何も。」


私には何も聞こえなかった。



「触るな・・・って言われた。」




昼間である。ゴミの山の中に置かれた仏壇。


異様な光景である。そこでそう聞こえたとFは言うのだ・・・。



私は顔を歪めざるを得なかった・・・。



Fはお経を読み上げ始めた。


流石は住職の孫と言ったところだろうか・・・。


見事な読経に私には聞こえた。



そしてその読経が始まった瞬間に、周囲に居たと思われる烏が一気に


飛び立ったのです。


Fはそれでも読経を続けます。



Fは別にお寺関係者に見える風貌でもなく、いまどきの髪の毛を染めた


ただの若者なのです・・・。その若者が流暢にお経を読む。


そしてその威圧感も十二分に持っているのです。



私はただただそのFを見ていました。



そして今度は強い風が吹き抜けました。


仏壇の前に立てたろうそくの火が消えました。



どのくらい読経が続いたか忘れましたが、Fが立ち上がり私の方を見まし


た。



「多分・・・これで大丈夫やと思うわ・・・。」



そう言って車に置いていた缶コーヒーを出してきて、二人で仏壇を見なが


ら飲みました。



「なんやったんやろうな・・・。」


Fに聞くと、



「うん。これは多分ヨウコちゃんの家に縁のある家の仏壇やと思うわ。突


然ここに捨てられたから、かなり怒ってる感じやな・・・。」




そんな事までわかるんか・・・。


私は感心して聞いてました。



「それでヨウコちゃんだけ、熱にうなされる事になってしまったんと違うか


な・・・。」


Fはそう言って飲み干した缶をゴミの山に投げ込みました。



その後、ヨウコちゃんの家に行くと言い、仏壇を開けて幾つか並んでいる


位牌をダンボールに入れて車に積みました。






山を下りてヨウコちゃんの家の前に車を止めて、チャイムを鳴らしました。



ヨウコちゃんの母が出てきて、事情を話し、家に上がらせていただきました。



リビングで、ヨウコちゃんの父と母にダンボールの位牌を見せ、話をしました。


正直、Fと私は少し不気味に思われていたと思います。



しばらくするとヨウコちゃんもリビングに入ってきました。



改めてFは捨てられていた仏壇の話をしてました。



「その仏壇は私のいとこの家の仏壇やと思うわ・・・。」


ヨウコちゃんの父はそう口を開きました。



その親戚は破産して家を差し押さえられ、夜逃げ同然で出て行ったようでし


た。その後家は取り壊されて、今は更地になっているということだったのです


が、ややこしい業者が入って整理してたので親戚一同手を出せずに困って


いたようでした。



ヨウコちゃんの父上に頼み、その位牌だけはお寺へお願いすることになりま


した。



私とFは夕方までヨウコちゃんの家で過ごし、帰りました。


その間にヨウコちゃんは熱も下がり元気になっていました。




何でも出来るF。それに感心した日でした。



Fに触るなと言ったという声。私には聞こえなかったといいましたが、その日


後で思い返すと、終始耳鳴りがしていたのです。



Fほどのパワーも持ち合わせていないので、私には実際に聞こえなかった


のでしょうが・・・。






その後、Fはヨウコちゃんと付き合い始めました。


何度も二人でいるところに呼び出され、仲が良いところを見せ付けられて


いやーな思いをしました(笑)




これもFに関わる不思議な体験でした・・・。








TODAY'S BGM 「ぼくたちの日々」 スガシカオ