#026 夏の実体験怪談 「足切り塚」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

暑いですね…。本当に暑い。これが毎日の挨拶になっています。


なんとか涼しくならないのか…。人間の科学力というのはそこまでは進歩して


いないのだろうか…。なんて真剣に考えてしまうほどです。



そんな暑い毎日に背中が少しヒヤっとして頂ければ…と思い、怪談話を始めた


のですが、お役に立ててますか?(笑)



今日は社会人になって初めての夏。


こんな風に暑い日に友人たちと居酒屋で飲みながら話をしていた時の話です。



一人の友人がその日連れてきた女の子がいました。


基本私たちの飲み会は制限無しの誰でも参加OKでしたので、その日に初めて


見る人がたくさんいました。


その場で、友人が私に、


「何か怖い話してくれや。」


とリクエスト。



私はその前の年に経験した話を一つしました。(この話は未公開ですので、後日)



みんなが知っている場所の怖い話ってかなり涼しくなれるそうです…。



するとその日、友人が連れてきた女の子が口を開きます。



「私も今年、怖い経験したんです…。」


「おぉー。聞きたい聞きたい!」


みんながそれに反応します。



そこで話を聞いたのが全ての間違いの始まりだったのかもしれません…。



その子は高校時代の友人たちと集まり、男4人、女4人でキャンプに行ったそうです。


場所の特定は私には出来なかったですが、どうやら山奥のキャンプ場。



予約もせずに思いつきで行ったそのグループは、もちろんキャンプ場に飛び入り出


来る余裕もなく、仕方なく、少し上流へ行き、テントを張れる場所を適当に見つけて、


4つのテントを張ったそうです。



河原に3つ張ると、場所が無くなり、ひとつはその河原から登ったところの林の中に


張ったといいます。しかし、その場所だけ妙に平らで、周囲を石で囲ってあるという


奇妙な場所だったそうです。



その晩は河原でカレーを作ったり、魚を釣ったりして楽しく過ごしたそうです。



その4人はカップルで、深夜を回った頃に各テントへ順番に消えていく…。



その女の子も彼氏と一緒にテントへ入ったそうです。



その子たちのテントは河原ではなく、林の中。日中も林の中で日が当らず、テント


の中も涼しくて良いね。なんて話を彼氏としていたそうなのですが…。



深夜になると、自分たちのテントの周囲をゴソゴソと歩きまわる足音が聞こえ来る。



その子と彼氏は、友人たちがテントを覗きに来たんだろう…。と思い冗談で喘ぎ声


を出したりして遊んでいたようです。


そうすれば、友人たちも帰るか、テントを開けるかするだろうと考えて…。



しかし、一向にそんな気配はなく、ただひたすら二人のテントの周囲を足を引きずる


ように歩きまわるだけ…。



「もしかしたら、変質者とか泥棒かもしれんな…。」


その子に彼氏がそう言ったそうです。その女の子はそれで怖くなり、テントの真ん中


で、毛布に包まって震えていたそうです。



その子の彼氏が、我慢できずにそっとテントのジッパーを少しだけ開けて外を確認


しました。



すると…。





友人たちの姿などもちろん無く、変質者や泥棒の類もいない。


何がいたと思いますか…。


二人のテントの周囲を足を引きずり歩いてたのは…。





足。





足のくるぶしから下の部分だけが、彼女らのテントの周囲を歩きまわっていたと


いうのです。



彼氏はジッパーを閉めて彼女のそばに戻り、一緒に震えだしたそうです。



彼女には何の事かわからず、その彼氏に


「どうしたん…。なに。」


「静かにせー。」


彼氏は震えながら、そう言うだけだったそうです。




気がつくと二人とも眠っていたらしく、朝、テントの外で怒鳴るような声で目が覚め


たと言います。



ゆっくりとテントを開けてみると、地元の人が二人立っていたそうです。



「ここはアカンで。道のところにも書いてあったやろ…。」


二人でテントを出て、その地元の人に謝ったそうです。



「何にもなかったか。」


その地元の人は彼氏の顔を見てそう言ったそうです。



「実は夜中に、テントの周りをグルグル回る音が聞こえて…。」


彼氏がそう話し始めた。


「変質者とかおるんかと思ってみたら・・・。足が…。足だけが歩いてたんですよ。」


彼氏が地元の人にそう話した時に彼女は初めて知ったのです。


彼女は怖くて、河原にテントを張っている友人のところへ走ったそうです。




彼氏も地元の人と話をした後に一人河原にやってきた。



友人たちも全員出てきて、河原に座り込んで昨夜の話を。



一緒に来た友人たちのうちの誰かが、いたずらでやっているのだろうと思ってたが、


そうではなく、人の足、それもくるぶしから下だけが自分たちのテントの周辺を歩いて


いたという話を…。



そして地元の人がいうには、そのテントを張った場所は「足切り塚」といい、


平家の落ち武者を逃げないようにそこで足首から下を切った場所らしい。



何年かに一度、その場所でキャンプをする人がいるらしく、その人たちは同じような


体験をするという。



その日は怖くなり、早くにその場を引き上げる事にしたそうです。



その足切り塚の場所に張ったテントを片づけに行った、彼氏とその友人がテントの


周囲を見ると、確かに歩き回ったような跡が残っていたそうです・・・。






と、この女の子がそんな話を…。


私たちはかなり涼しく過ごす事が出来ました。





しかし…。





話はそれだけではないのです。







その子の彼氏は、そのキャンプから帰ったあと、急に足が痛くなり、すごく片足が


腫れあがったそうです。病院で抗生物質をもらい飲んだという事ですが、一時は


歩けないくらいに腫れたそうです。




その後、すぐにその彼氏と別れたという彼女。


その理由は、その後彼氏の奇怪な行動が怖くて別れたと言っていました。




その日はそれでお開きになったのですが、それから少し経って、あの日彼女を


連れてきた友人から連絡がありました。


あの彼女がTVに出て、この間の話をするというのです。


私も興味深々でそのテレビを見ました。それこそ稲川淳二のTV。


同じ話をダイジェストでしてました…。



その後、彼女と会った事は一度もないのですが、その友人の話では、その後


彼女が寝ているとその足音が聞こえてくると言うらしいのです。


PTSDの一種だろうという話を私は友人にしましたが、どうやらそうではないとその


友人は言います。




彼女の部屋のフローリングに無数の足跡が残っているのを見た。と…。




その二人はその後付き合っていたようですが、その友人とも音信不通です。


真相はわからないままです…。








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