初めに塔の柱となる15m前後の細木を4~5本、塔を組み立てる横木を山から切り出してきます。塔は4、5本の細木を横に並べ、先端に当たる部分をまとめて太い針金(八番線)で一つに括ります。縄のような物で括ると、火を点けたときに縄が燃えて細木がばらばらに崩れ倒れて危険なので、針金で縛るのです。
そうしたら、その細木の下部を足のように広げて地面に角垂形に建てます。グラグラしないように横木を何本も縛り付けて強度を保ちます。地面に接している細木の足は、スコップで掘った土穴にそれぞれ埋めて安定するようにします。これで基本の形はできました。
次はその塔の内部にアンコを入れます。アンコで一番大事なのは、点火した時に火付きガ良い豆殻です。大豆や小豆等を収穫した後の枯れた豆の木の束です。農家では、庭先でトントンと叩いて豆をはじき出した後の殻木を道陸神づくりのために提供してくれます。それを火口(神様から運んできた火を塔の内部に入れる正面下の穴)に近い場所にしっかり積みます。その後ろや上には、枝祓いをした時のボヤや切り株、油があって良く燃える杉や松など常緑樹の枝葉、薪や古材木などなどを出来るだけたくさん積み重ねて形を整えます。
最後に村中に自然に生えている茅やススキを軽トラックに何台も大量に刈り取ってきて、塔の周囲に下からてっぺんまで厚く巻き付けます。ところどころ藁縄でしっかり縛り付け、最後は塔の頂上から下へぐるぐる巻きに縛り付けて完成です。メインの塔の傍には、少し小ぶりの子どもの塔も建てます。
二ヶ月ほどそのままにしておきますが、次第に雪が降って周囲が真っ白になり、まるで雪の中から道陸神が生まれ出て立っているかのようになります。祭の日は、塔の一番上に大きな達磨を幾つか刺して飾り付けます。また、各家庭から持ち寄った門松や神様の古いお札も周りに差し込んで飾ります。子どもたちが書いた書き初めなども飾り付けると賑やかにになります。
公民館の役員さんたちは塔の周りの雪を踏んで見物者用の広場を作ったり、トン汁を作ってふるまったり大忙しです。茶碗酒やミカンなども一人一人に配られて、いよいよ道陸神に火が入ります。小学校の子どもたちが松明をかざして近くの神社から火の神を運んできて転火するのです。年男が敵味方に分かれて攻防戦をするようなところもありますが、我が村では昔から穏やかに点火して大きく燃え上がる炎を見ながら、一年の健康や幸せを祈ります。燃えた炭火で焼いたお餅を食べると風邪をひかないという言い伝えもあります。








