”愛記”の概念設計をやり直す:システム評価・効率性 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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今一度、"愛記"について記載を開始したい。どのように実装していけばよいのか、概念的なところからアプローチ方法を記載していく。

 

システム評価とは、このシステムを導入して成功だったか失敗だったかという効果検証という意味だ。概念設計をする上で必ず抑えておくべきポイントということだ。それには各項目があり、それぞれの項目を見ていくことで、その結果が得られる。そのシステム評価項目を1つずつ見ていきたい。

システム構築の品質評価のポイント1:理解可能性(Understandability)

システム構築の品質評価のポイント2:完全性(Completeness)

システム構築の品質評価のポイント3:簡潔性(Conciseness)

システム構築の品質評価のポイント4:移植性(Portability) 

システム構築の品質評価のポイント5:一貫性(Consistency)と構造化の度合い 

システム構築の品質評価のポイント6:保守性(Maintainability)

システム構築の品質評価のポイント7:試験性(Testability)

システム構築の品質評価のポイント8:ユーザビリティ(Usability)

システム構築の品質評価のポイント9:効率性(Efficiency)

システム構築の品質評価のポイント10:セキュリティ(Security)

システム構築の品質評価のポイント9:効率性(Efficiency)

システム構築の品質評価における効率性とは、システムが動いているときにリソースがどれだけ無駄になっていないかである。業務システム全体の効率性はこちらの効率性ではなく一貫性や理解可能性に含まれているのだろう。こちらのポイントは与えられたリソースで適切な能力を発揮できているかどうかとなる。

 

ブロックチェーンSNSを一から構築する際に、システム評価の効率性を確保するためにはいくつかの具体的な注意点がある。以下にそれらを詳しく説明する。

  1. プロトタイピングとユーザーテスト:

    • システムの開発初期段階からプロトタイプを作成し、ユーザーテストを積極的に行いたい。ユーザーのフィードバックを取り入れながら迅速にプロトタイプを進化させ、ユーザビリティや機能の適切性を検証する。このような方法でないと、いきなり大規模にスタートさせることはブロックチェーンの特性上、不可能だと考える。
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  2. スケーラビリティの確認:

    • システムが将来的な利用者増加に耐えられるかどうかを確認する。スケーラビリティの評価は、トランザクションの処理速度やネットワークの負荷などを含む。ベンチマークテストを通じてシステムの性能を評価する。具体例を挙げよう。
    • トランザクション処理速度:

      • ユーザーがポストを行ったり、コメントを追加したりする際のトランザクション処理速度がどれくらいかを確認する。瞬時な反応が求められるSNSでは、ユーザーの待ち時間が少ないことが重要である。
    • ネットワーク遅延と帯域幅:

      • ブロックチェーンネットワークの遅延や帯域幅に関するテストを行う。多くのノードがネットワークに接続された際の通信速度やネットワーク遅延がシステムに与える影響を確認する。
    • トランザクションのスケーラビリティテスト:

      • 急激なトランザクション数の増加に対して、システムがどれだけスムーズに処理できるかを検証する。例えば、短期間で多くのユーザーが同時にアクティブになった場合などを想定してテストを行う。
    • ノード数の増加と同期処理:

      • ブロックチェーンネットワークにおいてノード数が増加した場合に、各ノードが正確に同期できるかどうかを確認する。新しいノードがネットワークに参加した際の同期処理が適切に機能するかをテストする。
    • スマートコントラクトの実行効率:

      • スマートコントラクトが増加すると、その実行に要するリソース(ガス)がどの程度増加するかを確認する。スマートコントラクトの処理が複雑になると、トランザクションの処理時間が増加する可能性がある。
    • 分散型ストレージの性能:

      • ブロックチェーンSNSが使用する分散型ストレージが、大量のメディアコンテンツ(写真、動画など)に対してどれくらい効率的に対応できるかを確認する。分散型ファイルシステムやIPFSなどを利用している場合、ファイルの取得速度やアップロード速度をテストする。
    • これらの具体的なテストを通じて、ブロックチェーンSNSが拡大に伴ってスムーズに機能し、ユーザーエクスペリエンスが維持されることを確認する。スケーラビリティのテストは継続的に行うことが重要で、将来の拡張性に備えてシステムを最適化するための手がかりを提供する。

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  3. セキュリティテスト:

    • ブロックチェーンシステムにはセキュリティ上の脆弱性が潜む可能性がある。セキュリティテストを通じて、悪意ある攻撃や不正アクセスに対する防御力を確認する。スマートコントラクトのコードレビューやペネトレーションテストが含まれるのだろう。
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  4. コード品質と保守性:

    • システムのコード品質を確認し、保守性を向上させるために適切なドキュメンテーションを提供する。コードレビュー、静的解析ツールの使用、テストカバレッジの評価などが有効である。
    • 各関数やクラスが単一の責任を持つように設計することで、コードが理解しやすくなる。類似のコードを避け、共通の機能を関数やクラスとして切り出して再利用することで、メンテナンスが容易になる。適切なデザインパターンの利用は、コードの柔軟性や拡張性を高め、保守性を向上させる。
  5. 法的および規制遵守:

    • ブロックチェーンSNSが適切な法的および規制要件を満たしていることを確認する。特にデータ保護法や暗号通貨に関する法律に留意し、適切な対応を行う。法的および規制遵守は、ブロックチェーンSNSの開発および運用において重要な要素である。以下に、具体的な法的および規制遵守に関連する例を挙げて説明する。
    • データ保護法遵守:

      • GDPR(General Data Protection Regulation)やその他のデータ保護法に従う必要がある。ユーザーの個人情報の収集、保存、処理に関しては、法的な要件を遵守するための措置を講じる。例えば、ユーザーにプライバシーポリシーへの同意を求めるなどがある。
    • KYC(顧客確認)プロセスの実施:

      • ユーザーが取引や報酬のために仮想通貨(愛貨も含まれる)を使用する場合、KYCプロセスを実施し、ユーザーの身元確認を行う。これは法的要件であり、不正行為の防止や規制への適合を図る。
    • AML(マネーロンダリング対策)法令遵守:

      • ブロックチェーンSNSが仮想通貨(愛貨も含まれる)の使用を促進する場合、AML法令に従い、不正な資金洗浄活動を防ぐための対策を講じる。例えば、大きな金額のトランザクションに対する監視や報告を行う。
    • 知的財産権の尊重:

      • ユーザーが投稿したコンテンツが第三者の知的財産権を尊重していることを確認する。違法なコンテンツや著作権侵害を防ぐために、適切なコンテンツモデレーションや通報機能を導入する。
    • 法的な通知と許認可:

      • 運営が行う法的な通知、ユーザー契約、サービス利用規約などが法的に適切かつユーザーフレンドリーなものであることを確認する。適切な許認可を得るために必要な手続きも遵守する。
    • 暗号通貨法規制の順守:

      • 各国の暗号通貨に関する法規制に準拠する。例えば、仮想通貨交換業者としての登録が必要な場合、適切な手続きを踏んで法的要件を満たす。
    • 地域ごとの法的要件の考慮:

      • グローバルなプラットフォームであれば、地域ごとの法的要件を考慮する必要がある。各国の法令や規制に対応し、地域ごとの異なる規定に適応できるような柔軟性を持たせる。
    • 不正利用対策:

      • 不正行為や悪意のある活動に対するモニタリングや対策を講じる。不正な取引やアクティビティが検出された場合、適切な措置を取り、規制に適合する。
    • これらの法的および規制遵守に関する対策は、ブロックチェーンSNSが安定的に運用され、ユーザーが信頼できる環境でサービスを利用できるようにするために重要である。法的な専門家の協力やアドバイスを受けることが必要だろう。

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  6. 分散型性の検証:

    • ブロックチェーンSNSの分散型性を確認し、ネットワークの耐障害性をテストする。異なるノードの協調動作やネットワーク分断時の対処など、分散型システムの特有の挙動を理解する。分散型性の検証は、ブロックチェーンSNSが分散型ネットワーク上で適切に機能するかどうかを確認するプロセスである。以下に、具体的な分散型性の検証例を挙げる。
    • 分散型ノードの追加と同期検証:

      • 新しいノードがネットワークに追加された場合、そのノードが正確に分散型ネットワークに同期できるかどうかを確認する。新しいノードが他のノードと同じデータを持ち、正確なブロックチェーンの状態を反映していることを検証する。
    • ネットワーク分断への耐性検証:

      • ネットワークが一時的に分断された場合、各分断が独立して動作し、ネットワーク再統合時に正確に同期することを確認する。分断が解消された際に、データの整合性が損なわれないかどうかを検証する。
    • P2Pネットワークのトポロジー検証:

      • P2P(ピア・ツー・ピア)ネットワークが期待通りのトポロジーを維持しているかを確認する。各ノードが適切に接続され、データやトランザクションが必要な範囲内で効率的に伝播できるかを検証する。
    • 分散型データの冗長性検証:

      • データが複数のノードに冗長に保存されており、特定のノードがダウンしてもデータが失われないかを確認する。これにより、システムが分散型ネットワークの利点を生かして耐障害性を維持できるかを検証する。
    • 分散型コンセンサスアルゴリズムの検証:

      • 使用されている分散型コンセンサスアルゴリズムが期待通りに動作するかを確認する。例えば、Proof of Work(PoW)やProof of Stake(PoS)や(PoH)などが、ネットワークのセキュリティと分散型性を適切に確保しているかを検証する。
    • データの分散型ストレージ検証:

      • ブロックチェーンSNSが使用する分散型ストレージが、適切に機能しているかを確認する。データが分散され、各ノードに均等に格納され、取得が効率的に行えるかどうかを検証する。
    • ネットワーク内のノード均等性検証:

      • ネットワーク内の各ノードが均等に負荷されているかどうかを確認する。過度な負荷が特定のノードにかかっていないか、ネットワークのリソースが効果的に分散されているかを検証する。
    • 分散型アプリケーションの実行検証:

      • 分散型アプリケーションやスマートコントラクトがネットワーク全体で正確に実行され、各ノードで同じ結果が得られるかどうかを検証する。アプリケーションの状態や結果が一貫性を保っていることが重要である。
    • これらの検証を通じて、ブロックチェーンSNSが分散型ネットワーク上で期待通りに機能し、信頼性やセキュリティが確保されているかを評価する。

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  7. ネットワーク互換性:

    • ブロックチェーンネットワークと他のネットワーク(例:Webサービス、APIなど)との互換性を確認する。異なる技術スタックやプロトコル間での連携が効果的であるかを確認する。
    • ネットワーク互換性の確認は、ブロックチェーンSNSが他のネットワークと効果的に連携し、異なる技術スタックやプロトコルと互換性があるかどうかを検証するプロセスである。以下に、具体的なネットワーク互換性の例を挙げる。

    • APIの互換性検証:

      • ブロックチェーンSNSが提供するAPIが、他のシステムやサービスと適切に通信できるかどうかを検証する。RESTful APIやGraphQLなど、一般的なAPI規格に準拠していることを確認する。
    • OAuth認証のサポート:

      • ユーザー認証にOAuthプロトコルを使用している場合、他のサービスとのシングルサインオンなどが正常に動作するかどうかを検証する。OAuth 2.0やOpenID Connectの標準を実装していることが重要である。
    • データ形式の検証:

      • ブロックチェーンSNSが利用するデータ形式(JSON、XMLなど)が他のネットワークと互換性があるかどうかを確認する。異なるデータ形式に変換する必要がないような構造が採用されていることが望ましい。
    • Webフレームワークの利用:

      • ブロックチェーンSNSがウェブアプリケーションとして提供される場合、一般的なWebフレームワーク(React、Angular、Vueなど)を使用しているかどうかを確認する。これにより、他のウェブベースのサービスとの統合が容易になる。
    • メッセージングプロトコルの互換性:

      • ブロックチェーンSNSが異なるネットワークやサービスとリアルタイムで通信する場合、MQTT、WebSockets、または他の適切なメッセージングプロトコルをサポートしていることを確認する。
    • ブロックチェーンプラットフォームの連携:

      • 特定のブロックチェーンプラットフォーム上に構築されている場合、そのプラットフォームが提供するツールやライブラリとの連携が可能かどうかを確認する。例えば、EthereumのスマートコントラクトやHyperledger Fabricとの連携が含まれる。
    • データベースの互換性:

      • ブロックチェーンSNSがデータベースを使用している場合、他のデータベースシステムとの連携が円滑に行えるかどうかを確認する。SQLやNoSQLデータベースに対する互換性が重要である。
    • ネットワークセキュリティ規格の遵守:

      • ブロックチェーンSNSがネットワークセキュリティ規格(TLS/SSLなど)に準拠しているかどうかを確認する。他のシステムとの通信が安全で暗号化されていることが重要である。
    • これらの具体的な検証項目を確認することで、ブロックチェーンSNSが他のネットワークとスムーズに連携し、互換性のあるサービスを提供できるかどうかを確認することが可能となる。

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  8. 適切なブロックチェーンプラットフォームの選択:

    • 使用するブロックチェーンプラットフォーム(愛貨)がプロジェクトの要件に合っているかどうかを確認する。トランザクションのスループット、スマートコントラクトのサポート、開発者ツールの利便性などを評価する。

 

いかがであろうか、これらの注意点を考慮することで、ブロックチェーンSNSのシステム評価をより効果的かつ包括的に行うことが可能となる。システム評価における効率性を追求していくと、あまりにも膨大な項目を考慮していかねばならず、労力がかかる。