臓器ネットワークについて⑦「血液脳関門」 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先に、ウェブ構造という考え方こそが、

ティール組織への移行のきっかけと

なった概念であり、今までの考えであ

る脳が司令塔になるピラミッド型構造

から、臓器どおしがコミュニケーション

をとるウェブ構造へと、生命科学が考

え方を変えていった、きっかけなので

あると記載した。

 

以下、『臓器たちは語り合う』

丸山優二 NHK出版新書 より抜粋。

 

今回は、その脳についてもう少し詳し

く見ていきたいと思う。脳はもう特別な

存在ではなくなったのであろうか?

それは違う。それどころかネットワーク

という視点で見ると、脳という臓器の

特別さが、さらに際だってくるのだ。

 

実は、脳内で行われている神経細胞

の活動も、「細胞同士の会話」と呼べ

るものだ。細胞同士がやりとりする、

無数の会話が集まることで、人間の

思考や記憶という、精神活動が成り

立っているのである。

人体のネットワークの中で脳がいか

に特別なものかを感じられる仕組み

がある。それが、「血液脳関門」だ。

 

血液脳関門とは何か?というと、実は

血液を流れているメッセージ物質は、

脳の神経組織の中に自由に入ること

ができない。つまり、血液と脳の間に

は、メッセージ物質の通過を阻む関門

があるということだ。関門というと、どこ

か一カ所にあるようなイメージだが、

実際には、脳内に張り巡らされた血管

の壁が、全体として関門の役目をして

いるのである。

 

血液脳関門の実体である血管の細

胞たちは、血液中から必要な物質を

選び出して、神経細胞のいる領域へ

と積極的に入れる仕組みを持ってい

るのである。よって、インスリンなど

の分子量が大きな物質も、血液脳

関門を難なく通過することができる。

 

この仕組みは、物質ごとに「通す、

通さない」を決めることができる。

血管の細胞が持っているインスリン

専用のアンテナのような装置がキャ

ッチすると、「秘密の扉」のような仕

組みが発動する。血管の細胞は、

血液中からわざわざインスリンを

引き込んで、袋のようなものに入れ

て輸送し、神経細胞がいる領域へ

放出するのである。

さらに、血管の細胞は物質を入れる

だけでなく、出す働きも持っている。

神経細胞がいる領域から、不必要な

物質を猛スピードで汲み出して、血

液側に排出するポンプのような装置

がある。これによって、神経細胞が

いる領域は常にクリアな状態に保た

れるようになっているのだ。

下図はこちらより抜粋

 

ではなぜ、このような血液脳関門と

いう仕組みがあるのだろうか?

実のところ、体のメッセージ物質は

血液脳関門によってブロックされ、

脳の神経細胞にはほとんど届かな

いのである。さすがは脳、やたらに

他の臓器の言うことを聞いたりしな

い「孤高の存在」という感じがする。

だが、これは単なるわがままでは

ないのである。脳の中で行われる

「細胞同士の会話」を守るためにあ

る仕組みなのであった。

 

1つ1つの神経細胞は、細胞どおし

が複雑なつながりを作っている。

この神経ネットワークの中を電気

信号が駆け巡ることで思考や知覚、

記憶などの高度な活動が行われて

いる。なお、電気信号だけで行われ

るのではないということを知らねば

ならない。

そこには「神経伝達物質」により、

単純な電気信号の0,1だけを伝え

る役割だけで無くもっと複雑な情報

伝達を行っている事実がある。

 

1つの神経細胞からは複数の種類

の神経伝達物質が出ている。シナ

プスの隙間では、いくつもの神経

伝達物質が飛び交い、相互作用を

しているのである。

まさにそれは、細胞同士の会話と

呼ぶにふさわしいものなのである。

 

また、脳内で働くメッセージ物質の

中には、もっと広範囲に、長期に

わたって影響を与えるものがある。

これらは「神経装飾物質」とも呼ば

れ、いわば細胞どおしの会話の、

「雰囲気作り」をしているのだ。

 

単体でもかなり高度なことが出来

る神経細胞立ちが、何百億とつな

がってネットワークを作り、高速に

会話しているのが人間の脳の活動

なのである。脳という驚異的なネット

ワークが生み出す現象の複雑さは、

まさに別次元の凄まじさがあると言

えるであろう。それを「思考」と呼び、

そこに「意思」を見いだすのである。

 

こうして考えると、脳はやはり非常

に特別なものであると感じる。

血液中に含まれる全身からの臓器

からのメッセージ物質がもし無制限

に脳の神経組織に入ってきたら、

どうなるだろうか?

また広い範囲に作用する神経装飾

物質も、外からのメッセージ物質と

ごちゃ混ぜになれば、正しく働くこと

はできないだろう。

それゆえ、血液脳関門のような仕組

みが必要となったのである。

 

 

これをリコー三愛グループにもあて

はめて考えてみよう。

脳の役割は、三愛会が担当している。

三愛会はリコー三愛グループを統括

する、まさに脳のような役割をしてい

るのであり、代々のリコー会長が就任

している。組織はこちらを参照

 

そうやすやすと、他のグループ会社

からの意見を聞き入れていては、

脈々と続く三愛精神から遠ざかる

かもしれないため、簡単には意見を

聞き入れる体制ではないのも事実

であろう。

 

脳内神経の隙間を「神経伝達物質」

が行き交う様子はどのように考えれ

ばよいだろうか?

それは、”バリデーター組織”として

考えれば良いと思われる。

バリデーター組織は以前にも記載し

たのだが、日本国の体制を参考に

した場合、官僚組織が最も参考に

なると記載した。

 

官僚組織は、日本国という生命体を

いかに自由度高く生かしていくかを

常に考えながら、要所をしめていく

という働きをしている。いわば法の

管理者であるが、生命体の管理者

でもあるのだ。

日本国は、政治・行政が脳の役割を

担っているのであり、他の各臓器に

それぞれの民間業界が入り、自由

にビジネスを行っている。それらを

官僚組織が要所を締めていくという

構図となっている。これで生命体が

活きていけるのだ!

 

この仕組みを真似すると良いのだ。

つまり、脳の役割である政治・行政

には、官僚組織が下部組織として

存在する。その下部組織は全身に

対応するかのように、それぞれの

各部位に紐付くように組織化されて

おり、それぞれの要所を締めている

という具合だ。

左足の管轄:防衛省

右足の管轄:外務省

腸の管轄:厚生労働省

膵臓の管轄:環境省

腎臓の管轄:農林水産省

心臓の管轄:国土交通省

右手の管轄:総務省

左手の管轄:法務省

脊髄の管轄:経済産業省

口の管轄:財務省

顔の管轄:内閣府

脳の管轄:内閣官房

 

これが、いわゆる神経系ネットワーク

であり、内分泌系や免疫系とは異な

るネットワークなのである。

この神経系ネットワークは、お互いに、

「神経伝達物質」でやりとりしながら、

複雑なコミュニケーションをとり合っ

ているのであり、そこに全身の臓器

からのメッセージ物質が容易には、

入り込めないようになっている。

つまりは、内分泌系の仕組みである

民間組織と、神経系ネットワークの仕

組みである官僚組織は、相容れない

組織形態なのであり、お互いに密な

コミュニケーションをすることはない。

ただし、必要であるメッセージ物質は

通過させるというように、必要な助言

は随時、聞き入れる体制はあるのだ。

 

この仕組みを、リコー三愛グループ

でも取り入れると良いということだ。

つまり、バリデーター組織なるもの

を三愛会の下に組織化することだ!

内分泌系である各会社は自由に、

ビジネスをしてもらいつつ、その要所

を締めるための官僚組織のような、

立ち位置の組織が必要となる。

それがバリデーター組織である。

 

上記のように、バリデーター組織は、

各部位に紐付くように組織化すると

良いのであり、顔、口、脊髄、心臓、

のように、各部位ごとに管轄してもら

うという組織である。

このバリデーター組織については、

また別途記載する。

 

今はまず、三愛会が孤立化しないよう、

しっかりと下部組織であるバリデーター

組織を構築し、官僚組織が法の管理

をしているように、バリデーター組織も

”愛”の管理を行っていくと良いのだ。

何を取り締まり、何を日々チェックして

いくのかは、バリデーター組織の構築

の仕方にものよるのだが、まずはこう

いった組織形態にして、生命体を自由

に動かしていける体制をつくることが

先決となるのであろう。

 

 

いかがであろうか。

脳の役割はやはり特別であった。

脳が特別な存在としてきちんと機能し

ていかないと、なかなか生命体は生

きていけないのであろう。