帯同するバリデーターの役割⑩ | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

今回も帯同するバリデーターの役割

について、続きを記載していきたい。

 

バリデーターが測定する項目は、

多岐に渡るのであるが、おおよそ、

下記のような構成になっている。

・会社組織の各部位の役割

・会社組織の器官系の役割

・会社組織の共通測定項目

という3つの要素だ。

これらの3つの要素を測定すること

で、会社経営上のデータを収集し、

経営判断を社長がこなしていくという

仕組みになるのだ。そう、日本国の

内閣総理大臣が実際にやっている

ような方法で、各省庁が実際にやっ

ているような方法で。

なおデータ収集に際しては政策目標

に対する指標を収集するイメージであ

ろう。これは、中央省庁が行っている

”白書”という形で結果を残すという事

と同じだ。白書についてはこちら

 

まずは、1つ目の会社組織の各部位

の役割をいかに担えているかという

測定項目である。

 

口の役割を測定する

”ゆらぎ”が発足した際に口の役割

を担うとした”ゆらぎ”は、口の役割

を担うような方向性で行動し、人数を

増やし、活動の幅を広げていく。

やがてチームとなった際に、バリデー

ターが帯同するようになり、成果を

測定することになる。

その測定項目であるが、会社組織の

口の役割をきちんと担えているか、

という項目になるのだ。そのメイン項

目が財務省のような、歳入の確保、

予算執行の確保、地方財政計画、

透明な会計制度構築、税制の検討、

国債の発行、国有財産の適正な管理、

国庫金の適正な管理、通貨の供給、

金融危機管理、関税率の設定、自由

貿易体制の維持、外国為替市場の

安定化、金融機関等の運営、地震

再保険の運営、国家公務員共済制

度の運営、などの測定項目となる。

財務省の政策についてはこちら

 

なお財務省は、税制、金融、地方財政

という重要な役割をになっているが、

会社組織で言うと”設計部”になる。

従来の組織では”設計”といえば製品

の設計という業務のみであろう。

しかしティール組織では、製品の設計

だけでなく、料金体系の設計、顧客の

資産管理、顧客の資産運用、金融

商品提案、自社の資産運用、自社の

予算作成、社債の発行、保険の運用

など、お金に関わる設計全般をも、

担うのである。

 

というのも、ティール組織が普及して

いくと、営業の仕方も変わって来る

からである。従来の組織では営業は

売却時の手数料をいかに取るかとい

う、手数料ビジネスが主流だった。

しかし、ティール組織では、顧客の

資産をあずかり、その資産を生かし

ていくという資産管理ビジネスが主

になっていくのであろう。

それは金融やメーカー、サービス業

に至るまで、あらゆるビジネス形態

が資産管理ビジネスへと移行して

いくのであろう。

つまり、売って終わりではないのだ。

ずっとパートナーのように、顧客の

資産やブランドを背負い、ビジネス

をしていくのである。

 

そのため、市場全体を設計していく

必要が生じるのだ。単に製品1つの

値段を決めればそれで終わりでは

ないということだ。市場や金利、為替

などのあらゆるお金に関わる設計も

含めた、顧客というパートナーの資産

をいかに増やしていけるかという設計

をおこなっていくのである。その考え

に基づいて、自社製品の料金体系、

部材、製品の精密度、デザイン、等

を設計していくのである。

 

よって、本来業務として設計部に配属

されている各メンバーが財務省のような、

歳入の確保、予算執行の確保、地方財

政計画、透明な会計制度構築、税制の

検討、国債の発行、国有財産の適正な

管理、国庫金の適正な管理、通貨の

供給、金融危機管理、関税率の設定、

自由貿易体制の維持、外国為替市場

の安定化、金融機関等の運営、地震

再保険の運営、国家公務員共済制度

の運営、などに類似した業務をこなして

いくのだ。

 

そんな中、自部署もしくは他部署から

”ゆらぎ”が発生し、もっといろんな財産

運用をすべきではないか!とか、もっと

社債を発行すべきでないか!とか、

もっと良いデザインにしようではないか!

等の活動を行っていき、やがてチーム

となっていき、そこにバリデーターが帯

同するようになり、会社組織として社長

が経営判断するのに必要とされるデー

タを収集していくという構図だ。

主にお金に関するデータ集計は、この

口の役割のバリデーターが担うのだ。

 

 

顧客の資産管理

例えば、航空機部品メーカーであった

とすると、単に航空機部品を販売して

終わりではない。顧客先の資産である

飛行機をいかに価値を高められるか

の設計をしていくのが設計部である。

もちろん、設計の仕様は固まっている

ので変更はできないが、飛行機という

資産価値を高める活動はできる。

飛行機は、部品の不良が命に関わる

ために、不具合を出すことは許され

ない。より精密度の高く、安定供給が

望まれるが、その体制を組むために

災害などに強く、不良品が出にくい

装置を選定してリースし、金利設定

も行う。製造部とも連携し、人員体制

や環境設備体制をも設計していく。

さらに、会社全体にも精度や安全を

浸透させるために、ISO等の資格を

取得・維持していったり、為替の変動

リスクを予測したり、資産運用による

資金調達を行ったりしていくのである。

 

自社の資産運用

複数の顧客との取引がありそれぞれ

の顧客ごとの資産を高める設計が、

設計部を中心になされていく。

その際の装置や備品の資産価値を

市場と照らし合わせながら、装置の

取り換え頻度、などをも設計していく。

そう、市場、金融、為替の相場予測

なども行い、会社全体の資産運用も

行い、さらには財務バランスも考慮

したうえで、初めて装置や人も含めた

”設計”という仕事ができるのである。

単にモノを作って終わりという従来の

設計の在り方では通用しないのだ。

だから、設計部が財務省のような、

お金全般を任される部署となるので

ある。

 

 

これらの項目が口の役割を担う

バリデーターが実際に行う測定項目

であり、実施する行動の内容なのだ。

これらを毎月1回程度、ゆらぎチーム

に帯同してデータを測定したり、助言

や支援を行うのである。

そして、測定結果を基にして白書の

ようなものを残していきつつ、次年度

の政策に反映していくのである。

政策評価についてはこちらを参照

 

いかがであろうか。

まずは、財務省のような役割を担う、

バリデーターについてであった。

会社組織の口の役割は財務省と解釈

すれば、比較的容易に、バリデータ―

のやるべきことが見えてくるのではな

いかと思う。参考にしていただきたい。