自己言及とは?③ | 続・ティール組織 研究会のブログ

続・ティール組織 研究会のブログ

ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先から”腸”の役割について記載している。

腸こそが免疫システムの中心であり、その

腸内細菌こそが、組織を決定づける中心

なのである!

 

会社の社長は知っておかねばならない。

製造部だろうが、企画部、総務部、営業部

だろうが、すべての部署に”腸”の役割の

担当者はいるのであり、その腸の役割とし

て、抗体である”ミスをカバーするノウハウ”

をせっせと貯め込んできたのである。

これが組織文化である。

この組織文化を壊してしまうと”組織の性格”

が変わってしまうのである!ということを。

 

 

腸内フローラについて

地球上のありとあらゆる動物は、単独で生

きるようには進化せず、腸内細菌と「共進化」

している。それはつまり、共進化したほうが、

一つの種が単独で進化するより有利だとい

う証拠でもある。

 

「共進化」では、非常に長い時間をかけて、

一番”うまくいく”ような仕組みが徐々にでき

あがる。その間、私たちの先祖たちは和食

を食べていた。だから、和食を食べる環境

で一番”うまくいく”ように、私たち自身も、

腸内細菌も、「共進化」しているハズなのだ。

それぞれの民族には、それぞれの食生活

に最適化された腸内細菌がいるに違いない。

アメリカ人が和食を食べても体にいいかもし

れないが、彼らの腸内細菌がその真価を

引き出してくれるとは思えない。だから、

和食の恩恵が一番大きいのは、やはり

日本人なのである。

 

国ごとに違いが現れる理由は大きく2つ

考えられる。一つ目の理由は、食生活だ。

私たちが食べるものは、腸内細菌のエサ

でもあるから、似たような食生活をしている

人は、似たような腸内フローラになるのだ。

しかし、食べ物がいくら同じでも、もともと

住みついている菌が違っていたら、同じ

腸内フローラになるはずがない。そもそも、

ある菌が腸内にいる・いないを決めている

仕組みは別にあるはずだから。それが、

もう一つの理由、「感染」である。

 

私たちの腸内細菌は、生まれたあとで、

なんらかの形で入ってきたものである。

これはいわゆる「感染症」の仕組みと同じ

であり、どこかで菌に接触することにより、

”もらってくる”ものである。どんな菌に感染

するかは、その国でどんな菌が”流行”して

いるかによって決まってくる。

 

では、食生活が急変してしまったらどう

なるのだろうか?長い時間をかけて築き

上げられた共生のバランスはいったん崩れ、

新たなバランスを探りはじめなければなら

ない。それまでと同じくらい”うまくいく”よう

になるまでには、何世代も待たなければ

ならないのであろう。

腸内細菌は人から人へ、ある世代から次

の世代へと、感染していくものなのである。

 

極端に言えば、「腸内細菌=私たちの遺伝

子の一部」なのである!

細菌は世代交代が早く、また、遺伝子が

簡単に書き換わってしまう性質があるため、

新しい遺伝子を獲得するスピードが非常に

速い生き物である。そのため、人間が自分

の遺伝子として獲得しようとすると何百年も

かかってしまうようなことを、ごく短い時間で

行うことができるのだ!

 

 

会社組織での腸内フローラ

それゆえ、会社組織でいうと、ミスをカバー

するためのノウハウ、つまりは”組織文化”

として蓄積されてきたものが腸内細菌と

いうことになる。この腸内細菌は大きく2つ

の方法で代々受け継がれていくのであった。

「食生活」、「感染」である。

 

「食生活」とは、日々どんな情報を取り込み、

日々どんな態度や言葉使いをしており、

日々どんな文章を好んで使っているか、

これらが食生活ということになる。情報や

言葉やしぐさや態度、これらを組織がどの

ように”自己”と判断して選択していくのか、

これが「食生活」ということになる。

この食生活は会社組織ごとで全くことなる!

特に、国が変われば全く違う。アメリカと

日本では、仕事のスタイルも考え方も全く

異なるのである!

 

もう一つは「感染」であるが、これは組織が

経験したクレームやミスや失敗ということに

なるのであろう。どんな失敗をしてきたか、

どんなクレームを受けてきたか、これにより、

組織文化として蓄えられた腸内細菌の種類

も全く異なるのである!

製造部と営業部と総務部ではクレームの

種類も違うし、ミスの仕方も違うし、ノウハウ

そのものが全くことなる。各部署ごとに、

それぞれの組織文化としてノウハウが蓄積

されているのである。

 

そして、腸内細菌は代々受け継がれていく。

何世代にもわたって、受け継がれていく。

腸の役割の担当者が退職等で変わっても、

しっかりと受け継がれていくべきなのだ!

組織マネジメントにおいて、最重要なのは

この組織文化というノウハウなのである!

このノウハウである腸内細菌は、1世代や

2世代では到底築きあげることはできない

ほどの量なのであり、1億種類以上もの

情報を簡単には築くことはできないのだ!

この腸内細菌こそが、”組織の性格”と同じ

なのである!これを壊してはいけない!

 

よって、組織を再編する、組織を統合する

などの際には、この腸内細菌をいかに

伝承していくかにかかっているのだ!

この事実を知らねば、簡単に腸内細菌を

全滅させてしまい、単に人が集まっただけ

である、まっさらで貧弱な組織になるだけ

なのだから。。

 

また、逆に言うと”組織の性格”を変えたけ

れば、「感染」という仕組みを利用すれば

よいということだ。組織文化を変えるとなる

と、たいそうな事と聞こえるのだが、細菌は

世代交代が早く、また、遺伝子が簡単に書き

換わってしまう性質があるため新しい遺伝子

を獲得するスピードが非常に速い生き物で

あった。この性質を利用すればよい!

どんどん新しいウイルス、つまりはミスや

クレームや失敗を経験するほど、加速度的

に新しい抗体を作り出すのだ!人間のDNA

を進化させていくには何世代にもわたって

ゆっくり進化していくのだが、腸内細菌という

我々の”臓器”は、加速度的に進化していく。

よって、この速度を利用すれば、進化の速度

が圧倒的に速いのである!

 

よって、良く言われているように、ミスや失敗、

クレームを率先して受ける方が、組織の進化

は速いのである!これを利用していくティール

組織の仕組みは、加速度的に進化していく

というわけである。なにせ、ティール組織は、

あるゆらぎの行為が起こり、”自己”である

と判断されれば増幅していくのであるから、

どんどん”やってみよう!”というポジティブ

な姿勢だ。

一方、従来の組織は、”ミスをしない”ように

徹底的に過去を分析し、同じような方式が

なかったかを調べ、上司にも承認をもらい、

ようやく行動に移せる。行動するまでに、

長い時は数日もかかるという具合である。

とにかく”ミス”やクレームを徹底的に嫌う。

ネガティブな姿勢だ。実は逆なのだが。。

だから、進化が遅く、ゆったりとしているの

であり、従来通りから抜け出せないのだ。

 

 

いかがであろう。免疫システムの中心である

腸の役割の重要性、さらには腸内細菌の

重要性に改めて気づかされたと思う。

次回は、神経系、内分泌系についても

その神秘を解き明かして行きたい!