自己組織化とは?⑨ | 続・ティール組織 研究会のブログ

続・ティール組織 研究会のブログ

ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先に、1/f ゆらぎによる相転移現象との関係性

について記載した。1/f ゆらぎと相転移は密接

な関係があったのだ。

 

宇宙には、ありとあらゆる物質や生命がある。

このありとあらゆるものに、1/f ゆらぎと相転移

による現象は当てはまるのだ。

分子、細胞、臓器、人間、組織、社会、経済、

地球、宇宙にいたるまですべての系にもまた、

当てはまるのだ。

これらを学問で言うと、非線形複雑系となり、

非線形複雑系は学際的で、多方面にわたり、

「量子力学,流体 力学,化学,生物学,経済学,

社会学,神経学,人工知能など」 が挙げられる。

 

1.量子物理学:レーザー(光子,相転移) 

2.流体力学,気象学,地質学:テーラー不安定,

ベナール不安定(相転移) 

3.化学:BZ反応(相転移) 

4.生物学:生物分子,生物細胞,

生物集団(相転移,成長) 

5.経済学:経済システム(市場のメカニズム) 

6.社会学:社会(歴史) 、組織論、経営理論

7.神経学(心理学):脳(神経細胞,認知) 

8.人工知能:ニューラルネットワーク

(学習アルゴリズム) 

9.固体物理学:ガン発振器(パルス,カオス) 

10.機械,航空宇宙工学:座屈パターン,フラッタ 

11.電気,電子工学:非線形振動

 

こんなにも多方面にわたるのであるから驚きだ。

これらの根幹の概念である、1/f ゆらぎと相転移

の関係性。ここをもう少し、理解を深めたい!

 

 

1/f ゆらぎの具体的行動とは?

以下、こちらより抜粋

そよぐ風の感触、小川のせせらぎの音、木漏れ日

のゆらゆらとした光、皆は自然のなかで、リラックス

し癒されるという感覚を覚えるであろう。

自然界の営みに触れると、心地よい安らぎに包まれ

るのはなぜだろうか?その答えは、宇宙のはじまり

のもとになった不思議な ‘ ゆらぎ ’ にあった。

 

自然界(宇宙)を見渡すと、全ての事象は常に変化し

揺れている。様々な事象は平均的には一定であるか

のように見えても、その平均値のまわりで予測のつか

ない変動をして、繰り返すことのない一度きりの変化

を積み重ねていく。

現代の科学においても、私たちの宇宙は、時間も

空間もまた物質もない無の状態の ‘ ゆらぎ ’ から

生まれたと考えられている。この世界の一切は波で

あり、その躍動は全くの無秩序ではなく、リズムを

もっている。そのようなリズムは宇宙の一部である、

地球上のあらゆる自然現象や生命現象にも表現

されている。それが1/f ゆらぎである。

 

‘ 1/f ゆらぎ ’ とは、規則正しくはないが、ある法則

性をもち、自然界に普遍的に見られる現象で、あら

ゆる自然現象の変化の源となる法則だと言える。

近年、ゆらぎ理論が注目され、人に快感を与える

リズムとして、人間工学的に研究されている。
研究が進むにつれて、1/f ゆらぎ は宇宙線、結晶

の格子振動、液体、地球の自転、自然現象、生物

など森羅万象に及んでいることが解明されてきた。

そよぐ風、小川のせせらぎ、木漏れ日、星の瞬き、

うちよせる波、炎のゆらめき、かげろう、鳥のさえずり、

蛍の光など、自然界のあらゆる現象に 1/f ゆらぎ 

を見ることができる。


自然界の一部である私たちの生理では、生体信号

や心拍の間隔、呼吸、脳波、目の動きなどに、
人間活動において、芸術の分野では、音楽の強弱

やテンポ、絵画の濃淡の変化などに、人の行為や

手作業でつくったものには ゆらぎ が残り、美しさや

懐かしさ、温かさを感ずるものは ゆらぎ をもっている。
物性的には、電車の揺れや金属の抵抗、ネットワーク

情報流などにも存在する。

 

 

生体のゆらぎ

自然界の一部である人間の生体におけるリズムもまた、

ゆらぎ を伴っていることがわかった。
人体という複雑なシステムをコントロールするために、

体内で情報伝達の役割を担っているのがニューロン

(神経細胞)と軸策による神経回路である。神経は蜘蛛

の巣のような形の細胞で身体の隅々まで繋がっている。
神経細胞は、様々な情報を電気的な信号として伝える

ことで、その機能を果たしており、神経細胞から神経

回路を通って脳に達し、また同じように逆の経路で末端

の細胞にまで伝わる。

生体のニューロンから生体信号として発射する電気

パルス(電気信号)の間隔を調べたら、1/f ゆらぎ を

していた。心臓の拍動もこの電気信号で起こっている

ため、心拍リズムの間隔は、きれいな 1/f ゆらぎ に

なっているのだ。


生体のリズムは神経細胞が発射する電気信号で決まり、

生体リズムは全て 1/f ゆらぎ に従っているという発見

であった。体温の変化、呼吸数、目の動き、脳波(α波)

にも 1/f ゆらぎ があることが検証されている。

実際に、手拍子でリズムを刻むと 1/f ゆらぎ は現れ

るが、メトロノームの音を聴きながら手拍子を打つと、

間隔のゆらぎは現れずほとんど一定になる。
メトロノームに合わせようとするために生体固有の

ゆらぎが消えてしまうようだ。手拍子を打っている人も、

聞いている人もこのゆらぎには気がつかない。なぜか

と言えば、生体そのものが 1/f ゆらぎ のリズムをもって

いて、精度が同じであるためわからないからだ。

 

人間の生体機能の制御は、全て電気パルスで行われ、

その基本的なゆらぎは 1/f ゆらぎ である。さらに、生体

はこの 1/f ゆらぎ をうまく活用していて、ゆらぎがある

方が機能をコントロールしやすいのではないかと考えら

れている。

例えば、目の動きは常に焦点に合っているわけではなく、

前後にふらふらと動いている。それは、見るものの位置

が変わったときに、すぐに焦点を合わせやすいからだ。
焦点だけでなく、目玉もちょこちょこ絶えず動いている

のは、網膜の上の感度を調整することで像を捉えている

からで、目玉の動きを止めると見えなくなる。

同じ臭いが続くと慣れて感じなくなるように、感覚は変化

がないと刺激として感じにくくなる。生理機能のいたる

ところに 1/f という微妙なズレが見られるのは、変化を

感じて調整するための刺激としての意味があるのかも

しれないと考えられている。

 

また、生体は、ゆらぎを巧みに活用して、小さなエネ

ルギーで効率よく働き、自律性や柔軟性を発揮する

仕組みをもっていることがわかった。
例えば、脳の柔軟な認知の過程やひらめきにも、

ゆらぎが有効に働いていることが検証されている。

スーパーコンピューターとチェスの世界チャンピオンが

チェスの試合をして、最終的にはコンピューターが勝ち、

このとき約5万Wの電力を消費したが、チャンピオンの

脳は複雑なシステムにもかかわらず、エネルギーとし

て1Wしか使っていなかった。
このように、生体はゆらぎにより、複雑なシステムを

省エネでうまく制御しているようだ。このゆらぎを活用

した仕組みは、ロボット技術やネットワークの制御など

様々な分野に応用されている。

 

このように、健康な生体のリズムは基本的に 1/f ゆらぎ

をしているといっても良いであろう。研究では、生体の

リズムが自然界のリズムと合致したときに人は快感を

覚える、という仮説はほぼ間違いないとしている。

よって、ゆらぎ のなかで、1/f ゆらぎ が私たちに心地

よさや安らぎを与えてくれるのは、人間の生体リズムも

1/f ゆらぎ になっているからだと言える。

 

 

1/f ゆらぎ の特徴

ゆらぎ 自体をはっきり定義するのは難しいのだが、

ゆらぎ とは整然と並んでいるものが少しズレルことを

意味し、ものの空間的時間的変化や動きが連続的だ

けれど一定ではなく、部分的に不規則な様子とも言える。

ある物理的な量や質が刻々変化する時、その量や質が

平均的には一定の周期(間隔)を示しているように見え

るが、正確に測定するとわずかなズレが出ていることが

ある。その変化は微妙で、完全に予測できないような

ズレとなっている。この予測できないようなズレが ゆらぎ

であると言える。

 

”優しく接する”という行動をされたとして、毎回機械の

ように狂うことなく同じように、頭を撫でられ、そばに寄り

添うことをされ続けると、マンネリ化して飽きてくる。

そうではなく、毎回違う行為で、頭をポンポンされたり、

手を握られたり、笑顔で見つめられたり、言葉で伝えら

れたり、体を張ってくれたり、と予測できないような変化

が毎回あれば、”優しく接する”という行為一つとっても

飽きることなく、心地よい1/f ゆらぎのリズムで受け入れ

られるのである!

 

 

1/f とは

宇宙スケールの大きい変動から自然現象、生物の生理

の変動を分析して調べてみると、ゆったりした変動

(振動数が小さく周期が長い)の含まれる成分の度合い

は大きく、せわしい変動(振動数が大きくなり周期が短い)

になればなるほど、その変動に含まれる成分の度合い

は小さくなっていくことがわかった。

例えば、風速の変化で考えると、微風から強風までの

変動幅が大きい変動は比較的ゆったりと起こっている。
そのゆったりとした変化の上に、小刻みにせわしく小さな

変動がのって起こっているということだ。

 

つまり、自然界のゆらぎは一見無秩序に見えるが、

ゆらぎの大きさ(パワースペクトル)が大きいほど頻度

(振動数)が小さくなるという美しい反比例の秩序がある。
一定期間内の同じ振動状態の繰り返しを、周波数fで

表すことから、変動の大きさが振動数に反比例している

変化は 1/f 1 = 1/f と表現され、‘ 1/f ゆらぎ ’

(えふぶんのいちゆらぎ)と呼んでいる。
自然現象をパワースペクトル分析するときれいな 1/f 

になると言われている。

fとは frequency(フリクエンシィ:周波数、振動数、頻度)

の頭文字のfで、周波数とは、振動、波動などの現象が

単位時間(ヘルツの場合は一秒)当たりに繰り返される

回数で、振動や波動の周期の逆数であり、単位は

ヘルツ(Hz)が使われる。

 
 

ヴェーダの説くゆらぎ

宇宙の創まりから星や銀河の誕生、そこからの物質や

生命の出現、さらに私たちの人生に至るまで、総てに

‘ ゆらぎ ’ が関わっていることがわかる。
科学的には解明しきれていない ‘ ゆらぎ ’ について、

純粋な知識 ‘ ヴェーダ ’ は根源的に説明している。

‘ ヴェーダ ’ では、この世界(相対界)は永遠不変の

絶対・唯一無二(絶対界)の微かな ‘ ゆらぎ ’ から、

創造主の戯れとして4つの観念(相)の 音・時間・空間

・精妙な粒子により創造されていることが説かれている。
 

ヴェーダでは、一つの絶対から無常の相対が顕れ、

一つの絶対に回帰する、という自己回帰的な変化に

よって ゆらぎ のリズムが生まれると言われる。
このリズムを形に表現すると螺旋形となり、それが

具現化されたものの一つがDNA螺旋だとしている。
DNAは合成され多様に変化することから、ゆらぎ が

相対化において創造の多様性を担っていることを

示している。

創造~維持~破壊という宇宙のリズムは、ゆらぎ 

を表しており、このような生まれ変わり死に変わり

のサイクルにより、自己(意識)または宇宙の進化

が実現できるとされている。


ゆらぎ によって変化し進化をたどることを表現した

螺旋形は自然界(宇宙)の歩みの過程であり、人生

の道のりとも言える。私たちの人生にも自然界の

リズムがあって、ゆらいで常に変遷を重ねている。

私たちの選択と行動の結果は、ひとつの環境を

形成するが、それに応じて世界は分岐し、無限

につくられていく。未来は決まっているものでは

ありませんし、かといって、全く予測のつかない

ことばかりが起こっては行動のしようもない。
ある程度、行動における予測ができて、意外性も

あって変化するので、生きることを楽しめるとも

思える。

このような絶対から顕れる相対の無常の ゆらぎ 

の法則を知ることは、自己を含めた自然界のあら

ゆる事象の本質を理解することにつながるのだ。

 

 

組織における1/f  ゆらぎとは

組織で言うと、先に記載したとおり、まずは

メンバーの構成としてのゆらぎが必要だ。

同じような性質のメンバーを揃えていては、

ゆらぎが発生しない。

 

また、1/f ゆらぎを満たすようなちょうどよい

ばらけ具合にメンバーを揃えることができた

として、そこから各メンバーが実際に、上記

のような1/f ゆらぎの行動をとり続けることが

必要であるが、それができる環境にあるか、

どうかがポイントになる。

その環境とはどんな環境なのであろうか?

 

上図は振る舞いをコントロールする変数λを横軸

に取り、縦軸に複雑さをとるとすると、コントロール

が緩くなるほど、混沌が増していくのだが、ある地点

を境にして、崩壊してしまうのか、それとも相転移し

て次のレベルに進化するのかの分かれ道が来る。

その微妙な混沌具合が1/f ゆらぎというわけだ。

組織を混乱に陥れるような行為なのか、ありきたり

な行為なのか、その両方がちょうどよい具合に混じ

りあっているのか、というのが指標となる。

波動レベル4の行動であれば、”規律を守る”という

のがあるが、毎回同じように行動して、規律を守って

ます!とやっててはマンネリ化してしまい、その行動

を増幅しようと他のメンバーが追随してくれなくなる。

それが、毎回同じように行動するのではなく、少し

ズレた、つまり1/f ゆらぎ分だけズレた行動の場合、

”1秒でも遅れたらダメ!”というガチガチの人は

少数だがいて、”5分までなら遅れても許容範囲!”

という緩めの人が大多数いたら、それはちょうど

1/f ゆらぎ分だけバラけているので、マンネリ化せ

ずに、追随されてゆくのだ。良い意味で、ガチガチ

の人と、少し緩めの人がちょうど良い具合に混じり

合っているのがカオス辺縁で留まるポイントとなる!

 

1/f ゆらぎのちょうどよい混沌具合を維持していけ

ば、やがて進化して次のステージである波動レベル

の1つ上の段階へ組織は向かうことができるのだ。

このようにして、波動レベル7の行動が組織内で、

当たり前のように発動されれば、もうティール組織

になったといえる。

ただ、またそこからさらなる進化をするのか、

もしくはそのままでいると、退化して、波動レベル

はまた下がってしまうのだ。これを繰り返して、

波動レベルを乱高下しながらも、なんとか、

高い波動レベルを維持しようと、踏ん張ること

こそが、ティール組織ということなのだ。

 

これで、おおよそのティール組織の概要が理解

できた。あとは、どうやって生命体として、命を

吹き込んでいくのかということである。

組織をどうやったら生き物のようになるのかを

今後、追求していきたい。