自己組織化とは? | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先から超システムについて記載してきている。

このシステムは①自己生成②自己多様化

③自己組織化④自己適応⑤閉鎖性と開放性

⑥自己言及⑦自己決定という七つの特徴を
備えているのであった。

 

 

自己組織化

次は、③自己組織化について見ていきたい。

一般に自己組織化とは、要素間における非線形

作用を起源とし、系(システム)の構成要素での

競合・協調による巨視的秩序形成を意味する。

生物における自己組織化を考えた時、それは

構成要素である部品の相互作用のみによって

成立するのか、あるいはそれらを総合する「場」

が初めに用意されて、その内部要素が組織化

されるのか?DNAの遺伝情報が自己組織化と

どのように関わりコードされているのか?また、

生体系を構成する要素は階層構造を有するが、

階層システムにおいて自己組織化がどのように

発展するのか?などはとても興味深い。

 

自己組織化には大きく分けて次の2種類の

タイプがある。以下、こちらから抜粋

 

①受動的自己組織化

受動的自己組織化はエネルギーや物質の

出入りがない、いわゆる閉鎖系(平衡系)で起こ

る自己組織化である。この系では初期条件に

応じて、熱力学的に安定な構造が形成される。

受動的自己組織化の例としては、結晶やミセル、

液晶などが挙げられる。

 

②能動的自己組織化

能動的自己組織化はエネルギーや物質の供給

がある、いわゆる開放系(非平衡系)で起こる自己

組織化である。能動的自己組織化では、構成

要素は常にエネルギーを消費しながら、多用な

集合体を形成する。これらの集合体には、個々

の構成要素の足し合わせでは考えられない

機能(創発機能)が見られる。例えば、特定の

リズムで起こる振動現象や、外部刺激などに

応じた構造の最適化(自律応答性)、集合体内

の一部が欠損しても他の構成要素が欠損部位

を補う(自己修復)などの優れた特徴を持つのだ。

雲や生物に至るまで自然界の多くのものが、

この能動的自己組織化によって形成されている。

 

 

そして、この自己組織化の研究は、世界中で

なされている。以下、こちらから抜粋

超分子のようなナノサイズの構造単位を自己

組織化させて、システムの構築を行う。

共同研究としての材料ナノアーキテクトニクス

への研究資源の投資が現在求められている。

生物界においては、例えば、脂質相や細胞

骨格成分内で、自己組織化により当たり前に

構造を作りあげている。したがって生物構造体

がどのように発生し、振る舞っているかを理解

することがナノアーキテクトニクスの進展を助け

ることになる。生物界面材料を開発してゆくこと

にはある程度の進展は見られるけれど、現時点

では高度化した自己組織化システムの構築は

まだできていない。今後、ナノ材料において高度

に発達した生物システムの特性を複製するには、

材料科学、生物学、化学の分野の研究者の共同

研究が欠かせない。 

自己組織化ナノアーキテクトニクスにより機能性

材料を創成する過程は、成分分子から生命体が

発生してゆく過程と似ている。生命体が進化して

くるのに10億年を越える年月を要しているが、

ナノアーキテクトニクスが多くの期待されている

ゴールにたどり着くまでにはあと30年あれば可能

であろうと。

図の説明:脂質やタンパク質の自己組織化を

模式的に示す。

(a) 脂質分子がラメラ、チューブ、小胞状構造を形成;

図ではそれらの柔軟性、流動性を強調している。

(b) タンパク質が硬く、結晶性(この場合は六方対称)

の良いラメラ、らせん状チューブ、正20面体構造を形成。

(c) SDS@2β-CDがタンパク質に似た方法で硬く、面内

で菱面対称性を持つラメラ、らせん状チューブ、菱面

対称12面体構造を自己組織化により形成。左端に

示す分子模型で、SDSはアニオン界面活性剤;頂部

にあるのは青と赤で示す -(SO4)- グループで、黄色

で示すハイドロカーボンのしっぽを持つ。β-CDは

七角形の糖質リング(緑はC、赤はO原子を示す)。

 

 

組織における自己組織化

以下、こちらより抜粋

私たち人体でも、内蔵や心臓、細胞の一つひとつは

「自己組織化」で動いている。そうでないと、いちいち

「心臓動け」、「今食べた食事を消化しろ」と意識して

命令を出さなければいけなくなって、うっかり心臓を

打ち忘れたとか、息をし忘れたなんて事故が起こって

しまうかもかもしれない。

もうひとつ自己組織化でよく取り上げられる例は、

集落化や都市化だ。ある場所を気に入った人が、

そこで農業を始める。そうすると仲間が集まり、働き

手が増える。人が増えるとその人達に向けたお店が

立つようになる。収穫したものを運ぶ交通手段や取引

先も増え、やがて大きな集落が形成され、そこに学校

が建ち、子どもたちも増え大きな都市になっていく。

 

組織論に於いて、「強力なリーダーシップ」がもてはや

された時代もあったが、どんなに有能なリーダーで

あっても、一人のリーダーが組織の隅々に目を配る

ことは困難である。そこでヒエラルキー型のピラミッド

組織が導入されたが、得てしてそれは硬直化し、組織

の成員は「官僚化」する。組織の成員は、全体の目的

よりも自分自身の保身のために忖度したり、他の部門

といさかいを起こしたりするようになる。これから社会

の多様化はますます進み、それに伴い組織の多様化

も進んでいく。その多様化した組織相手にリーダーが

今までのような単純な命令や指示を出すだけでは

対応ができなくなるのは明らかであろう。

とは言え「現場のことは現場に任せる」というだけでは

組織がばらばらになってしまう危険性がある。「管理し

ない経営」というだけでは、無能なリーダーと何が違う

んだ?ということになりかねない。そこで考えられたの

が「ホラクラシー」や「ティール組織」などの自己組織化

経営の手法である。

 

自己組織化は、どんな条件で起こるのか、この知識

がないままで、形を整えても効果は上がらない。

自己組織化とはなんなのか、簡単に説明して、その

ために考えるべきことを解説したいと思う。自己組織化

とは「自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象」と

定義されている。どのようなときに自己組織化現象が

起こるかということに関して、ノーベル化学賞を受賞

したイリヤ・プリコジンは、

「その系が開放システムであること」

「非均衡の状態であること」

「ポジティブ・フィードバックが起こること」

の3つの条件を挙げている。

 

開放システムとは、外部との相互作用があること。

閉鎖されたシステムでは自己組織化は起こらない。

外部との情報やエネルギーの出入りがない閉鎖系

では、有名なエントロピー第2法則が働いて、エントロ

ピーが増大、無秩序なチリチリバラバラ状態になる。
また「非均衡の状態」、これも最近よく聞く「多様性」

「ダイバーシティ」はまさに非均衡な状態であるとも

言える。


日本の昔ながらの大企業では、どちらかと言えば、

閉鎖的で均一的な組織づくりが行われてきた。

より進んだ世界があって、それを真似すれば良かった

1980年位までは、有効に働いたのだが、日本もトップ

ランナーの一員になりアジア諸国に真似をされる立場

になってみると、自ら「自己組織化」「創発」をして、

イノベショーションを起こしていかなければならない

のだが、これまでの成功体験も邪魔をしてうまく転換

できないのが現状である。そこで、外部のベンチャー

企業などと組む「オープン・イノベーション」が注目を

集めているが、これはまさに組織に「外部開放性」

「非均衡」を取り入れようとする試みである。

ただ「外部開放性」「非均衡」がある組織でも、そこに

「ポジティブ・フィードバック」が働かなければ、自己

組織化は起こらない。上に説明した「都市化」の例の

ように、人が集まってくると、ますますそこに惹きつけ

られた人々が集まる。という効果で自己触媒化とも

呼ばれている。


どうすればポジティブ・フィードバックが起きるのか。

ポジティブ・フィードバックとはシステム思考で言う

「自己強化ループ」のことである。
つまりシステム思考を理解して、自己強化ループを

どうすれば起こして強化するかを考えることが、

ティール組織などの自己組織化のためには不可欠

である。

 

 

このように、自己組織化のプロセスは、世界中の

研究者を巻き込んだ、まさに21世紀を代表する

概念になっていく。それは生物学にとどまらず、

材料物性学、システム工学、さらには組織論に

いたるまで、ありとあらゆるものに自己組織化の

プロセスが応用されていくことになるだろう!

当研究会もこの自己組織化を徹底的に深堀して

いき、ティール組織、さらには続・ティール組織を

解明していきたいと考える。