免疫系の基礎を理解する!② | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

まず免疫系も巨大な超システムであると言える。

それゆえ、この免疫というものがどのような働き

なのであるかを、もっと追求していくことにする。

 

・私たちの体を守る免疫システム 

 その良い面と悪い面 (以下、こちらより抜粋

 

先のブログの続きを記載していく。

 

・免疫細胞が体を守るしくみ

1.ばい菌にはまずリンパ球以外の細胞

 

しかし,かれらもウイルスのように血液中を流れ

たり細胞の中に 入り込むようなものはうまく処理

できない...

 

2. そんなときは、リンパ球の出番だ!

B細胞がウイルスに対する抗体を出す。

 

2. そんなときは、リンパ球の出番だ!

キラーT細胞がウイルス感染した細胞を攻撃する。

 

・まとめ:免疫の3つの主な仕組み

 

免疫は大きく自然免疫と獲得免疫に分けら

れます。病原体をやっつける方法として、まず

食べるという殺し方があります。自 然免疫の

主な仕事はこれです。体を守るための最前線

の戦いをしてくれています。 病原体は、例えば

細菌なら細菌に共通した成分を持っています。

食細胞は そういう共通した情報を認識できる

分子を細胞表面に出して、標的を見定めている

のです。ひとつの分子で沢山の種類の細菌を

見ることができます。

 

 

・自然免疫と獲得免疫の役割分担

自然免疫ではカバーしき れないものがあります。

それは、血液中に溶けて流れ ている毒素分子や

小さな病原体、また細胞の中に入り込んだ病原体

などです。 獲得免疫はこういう事態に対処できます。

 

 

・獲得免疫系の4つの特徴

 

 

・どうやって病原体を見分けているの?

ハシカにかかった人は、ハシカには2度はかか

りませんが、おたふく風邪にはかかってしまい

ます。 つまり、免疫の基本は 「狙い撃ち」です。

これを特異性といいます。

 

 

・どうして出会ったことのない病原体とも

戦えるの?

どんな病原体に対してでも狙いうちできる免疫

細胞が、身体には用意されています。 このよう

にいろいろな異物に反応できることを、

免疫の多様性といいます。

 

・どうして自分の体は攻撃しないの?

免疫系には自分の身体 中の成分と異物とを

見分けるしくみがあります。自己・非自己の識別

といいます。自己成分に対しては 攻撃しない

ことを、自己寛容といいます。

 

・抗体受容体が特異性をもっている

免疫反応を起こすもとになる病原性微生物由来

の物質を抗原といいます。T細胞やB細胞は、 

抗原受容体という分子を表面に出しています。

抗原受容体は、いわばT細胞やB細胞が抗原を

調べるときの「目」のような働きをします。

 

・T細胞もB細胞も様々な種類の受容体をもってる


 

リンパ球のすごいところは、

どんな物でも、攻撃できる。(多様性)
それなのに、自分自身は攻撃しない。(自己寛容)

 

 

・中間まとめ 

以下、免疫・「自己」と「非自己」の科学より抜粋

『まず「免疫」は、病気の予防や治療に深くかか

わっている。また、アレルギーや自己免疫疾患

など、さまざまな病気を理解するために大切な

知識でもある。さらに、臓器移植やエイズなど、

いま社会に関心を持たれている問題にも関係

している。そうした身近な問題を理解し、冷静に

対処していくために、「免疫」の知識は不可欠で

ある。

 

第二に、免疫学は現在、最も急速に進展しつつ

ある生命科学の領域である。「免疫」の仕組みを

学ぶことで、生命科学の最前線で何がどのよう

に問題になっているかを知ることができるだろう。

生命科学は今、人間そのものの理解に大きな

影響を与えているのだから。

 

第三に、免疫という現象は、私たちのどのような

複雑な生命が、「自己」と「非自己」を識別して

「自己」というものを守り維持するための機構で

ある。人間にとって大きな関心事である「自己」

とは何かという哲学的問題を考えるためにも、

ヒントとなることがたくさんある。免疫の「自己」

についての知識を得た上で、より高次の組織体

である人間や、それが作り出した社会の持って

いる「自己」とその崩壊の仕組みを考えること

もできるだろう。

 

「免疫」はどのようにして体を伝染病から守る

のだろうか。もともと「免疫」は、侵入したものが

病原性の微生物のときにだけ働くわけではない。

私たちの体には、病原体であろうとなかろうと、

自分以外のものが自分の中に侵入してきた場合

に、それを目ざとく見つけ、排除することによって

自分を守り、自分の全体性を維持してゆくという

働きがあるのだ。

 

なぜ「自己」に対しては反応を起こさず「非自己」

に対してはこれほど不寛容に排除の反応を

起こすのか、というのがこれからの議論となる。

こうした生体反応を理解することによって、

「自己とは何か」「非自己とは何か」という哲学

的な問題にさえ立ち入ることになる!』

 


このように、免疫系は「自己」を強烈に守ること

で、全体性を維持しようとする。これを組織に

置き換えると、会社も部署もそうだが、強烈に

「自己」を維持しようとしているだろうか?

「非自己」を徹底的に排除しているだろうか?

この強烈なまでのこだわりが、全体性を維持

するキーワードであれば、ほとんどの会社や

部署が強烈な「自己」をもっておらず、ごく

わずかの会社や組織のみが強烈な「自己」を

貫き、成功しているのであろうか?

 

この「自己」を強烈に守ることが何のためなの

かをもう少し突き詰めていきたい。それが、

会社や部署にとって、ヒントになるのであろう。