こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

お誕生日メッセージ、ありがとうございました!…歳をとるのも案外悪くないかも?!…という気になります…

 

ここでも時々お話しする映画やTVのBG仕事過去記事参照)…かつては「エキストラ」と呼ばれていたが、今は「BG」もしくは「バックグラウンド」という呼び方が好まれ、時々コマーシャルなどで「エキストラ」という古い呼び方で呼ばれると、ちょっと驚いたりする…このBGをプロダクションが必要な人数集めて現場に送るのが、BG専用のキャスティング・オフィスで、実は台詞のあるプリンシパルのキャスティングはまた別のキャスティング・ディレクターがやる。

 

こうしたキャスティング・オフィスがNYにもいくつかあり、BG仕事を飯の種にしている俳優達は皆これらに登録し、かつてはキャスティング・オフィスがその手持ちのBGの中から選んだ人達に「この日働けるか?」と連絡してくるというものだった…これが昔は電話オンリーで、しかもその電話に出られないと、あっさり次の人に行ってしまう?!…というとんでもないもの…誰もがいつでも電話に出られるとは限らないし、よしんば電話に出られても、いつも家の中にいるとは限らない!…のに、当時のキャスティングの人達は、我々が電話に出て仕事ができると言うと、即座に「では紙とペン用意して」と、その場で仕事の住所やコールタイムを確認する電話番号などを早口で言い立てた?!ただでさえ早口で滑舌の悪い英語の聞き取りは容易ではないのに、それが道端だってりすると騒音でこれまた聞き取れない…という苦労をしていたのだが、最近はその連絡にメールやテキストメッセージが使われるようになり、実は私は本当にホッとしている…

 

また、その人を集める方法も、自分のところの登録者から連絡していくより、キャスティング・サイトに掲載し、応募してきた人達から選んで連絡する…という場合が増えた…これだと、応募してきた人は皆その日に仕事ができることが前提なので、一々「この日空いてる?」と確認しなくて済むので、双方の為にもウィンウィンである…というのも、たとえ正当な理由があっても「すいません、空いてません。」と断るのは、我々には結構勇気がいるし、余りにも何度も「出来ない」と言うと、もう声が掛からないのではないか?!と不安になるからだ…しかし、出来ないものは出来ないのだ…それは大抵他の仕事がすでに決まっている時だったりするからだ…

 

もっとも、それでも応募もしていないのに、キャスティングの方から先に依頼がきたりする…というのは、やはり少し嬉しかったりもする…「このタイプ」という時に自分を思い浮かべてくれていた…つまり、それだけ自分を信頼してくれている…とも取れるからだ…

とはいえ、そうしてその期待に応えようと、スケジュールを調整してその日を空けておいたのに、あっさりキャンセル?!…という事も決して少なくないので、そ「信頼」も或いは一方通行なものなのかもしれないが…

 

 

ある時、その大手のキャスティング・オフィスが「既に登録済みのメンバーを対象に写真のアップデートをさせてくれる」という情報を得た…つまり、「オフィスに写真を撮りに来い」という事である…ただ、そこは最近はオンラインのポータルサイトを使うようになり、そのポータルに我々もアップデートした写真を追加できる…ようにはなっているはずなのだが、それでもわざわざオフィスに行って、アップデートが必要なのだろうか?!…この辺りは実はよくわからないのだが、しかしわざわざそういう日を設けている…という事は、やはり行った方がいいのか?!…その指定された日時は3日間だけだったが、幸いその中の1日が空いていたので、とりあえずアポを取った…

 

そのアポの時間は朝の10時たかが写真撮るだけやのに、朝から呼びつけるんか?!…と思わないでもなかったが、有無を言わさずそのように指定されているし、おまけにその前日や当日の朝にガンガンRiminderが届く?!…このRiminderというのは、我々が忘れている事を前提としているのか、「この日のこの時間にアポがあるから、忘れないように!」というお知らせなのだが、よっぽど我々はアホだと思われているのか?!…と思ってしまう…それともそれだけ重要なアポなのか?!いや、写真撮りにいくだけやって…

 

ともかく、そういうわけで、私は10時15分前くらいにオフィスに着いた…すると、そこには既にチェックインの長蛇の列?!…この10時というのは私だけのアポではなく、この日呼ばれた人達全員の手続きが10時から始まる…という意味だったのだ!…という事が、やがて判明したが、それならそうと言うてくれや!…と言うか、それなら全員を同じ時間に呼ぶ意味ある?!

この辺りも、我々など消耗品だと思っているような古い体制(なのか、あるいはキャスティングの本音なのか…)の現れかもしれない…

 

そしてその日やらねばならなかったのは、何と写真撮影だけではなかった…そこでチェックインした時に、まず写真付IDを提出するように言われ、さらにバサっと書類の束を渡される?!

これらの書類は、登録した時に既に記入済みのものなのだが…と思ったら、どうやらその後色々追加されたものもあり、それも含めてのアップデートらしかった…

 

そう言えば、私がそこに登録してBG仕事をやり始めたのは、確かユニオンに入ってすぐだったから…かれこれ10年くらい前?!…それから基本情報は全然アップデートされていない?!…まぁ、もし住所など情報が変わったら逐次知らせなければならないのだから、これはすなわちそう言う私の方の情報がこの10年ほとんど変わっていない…というわけである…(過去記事参照)

 

とは言え、10年前と比べて全く変わっていない…わけでもないかもしれない…その登録した直後、最初そこからはほとんど仕事は来なかった…今思えば、彼らにとっては、私は「New Face(新人)」扱いだったし、そこにはすでにベテランBGが大勢居たのだから、ある意味仕方がなかったのかもしれないが、「しょっちゅう電話がかかってくる」というベテランBG達の話を聞いていると、「BGにさえこの競争?!」と暗澹たる思いに駆られたりもした…しかしだからと言って、「だったら覚えてもらえるようにせっせとオフィスに電話をかけ、皆がやりたがらないきつい仕事もどんどんしよう!」…などという殊勝な気持ちになったかと言えば、実は私にはそんな根性はなかったわけだが、そんな私でも10年細々とやっていれば、時々はキャスティング・オフィスから連絡が来るようにはなった…

 

そんな風に感慨に浸っていると、やがて私の名前が呼ばれ、写真を撮りに行く…その写真は何と10年前と同じく、デジカメで撮影?!ちょっと待ってぇな!私のiPhoneのカメラの方が、よっぽど画質良いで?!…おまけに、全身の写真がいるかと、念の為ハイヒールを履いて行ったのだが、撮影後に「じゃ、確認して」と見せられたのは、半身像?!靴いらんのかい?!…しかも案の定、画質はスマホより遥に粗い

そして、ついでに聞いたところ、そのオフィスで撮った写真が「メインの写真」として使われるとの事?!…ということは、ずっとこの10年前の写真使われとったんかい?!…新しい「メイン」の写真をアップロードした後は、古いメインの写真は「追加」扱いになるので、削除してもいい…というので、うちに帰ってから速攻で削除した…

 

もっとも、新しい写真もそんなに良い写真とは言い難かったこれにまた後10年お世話になるのか…と思うと、ちょっと複雑な思いである…

 

 

★過去記事★