こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

実は今日は私の誕生日である…もっとも、本来の日本時間では昨日なので、日本の友人達からは、前日にお祝いメッセージが届いたりし、それで「えっ、明日誕生日?!」と自分でも驚いてしまうほど、実はすっかり忘れていた…それどころか、今年何歳になるんだっけ?!計算しないとわからなくなっている?!…というのも、アメリカでは実年齢を聞かれる事がほぼないからだ…自分の感覚としても、50歳過ぎたらもう同じようなもの…おそらく今度年齢を特に意識するとしたら、60歳になった時だろう…

 

それでも朝、夫が誕生日カードを用意してくれていた…

 

 

我家では、特に誕生日プレゼントを贈る事もしない…ブロードウェイの舞台を見に行く事もあるのだが、あいにく今年は月曜日…月曜は、基本的にはブロードウェイはDark、つまり休演日である…それにこの歳になったら、欲しいものなら自分で買えばいい…というか、実はこれといって欲しいものがそんなにない…ある意味、欲しいものが沢山ある…というのは、実は若さのバロメータでもあるのかもしれない…まぁ、欲しいものは、強いて言うなら「良い仕事」…というのが正直なところだったりするが、これはそう簡単に手に入るものではない

 

そこで、実はその日はマンハッタンに行く用事があったので、帰りに「お誕生日特別予算」を自分で設定して、買い物する事にした…のだが、実は私は買い物そのものがあまり得意ではない…その日も、その前にちょっとストレスの溜まることがあったので、何だか疲れてしまったのと、明日からずっと2件のBG仕事の押さえが入っているし、実はその前の週のコマーシャルのオーディションにもし受かっていれば同じ週…それらのためにも体力温存しておかねば…とそのまま帰ってきてしまった…

 

ところがそれから間も無く、あろう事かBG仕事は2件ともキャンセルの連絡?!…何やねん?!…まぁ、私が誕生日に欲しかった類の仕事ではなかったとはいえ、ちょっと拍子抜けする…それでも、このおかげで今夜は焦って早寝する必要は無くなったので、このおかげでゆっくり誕生日ディナーを楽しむことができたのだから、これもラッキーと思うことにしよう

また、コマーシャルの方も連絡が来ない…ということは、多分ダメだったのだろうが、まぁ、これは最初から宝くじのようなもの…ががっかりしない…と言えば嘘になるが、これは宝くじが外れた程度のガッカリである…

 

そうこうする内、Facebookを通して、友人達からお祝いメッセージが続々届く…普段FBはブログの告知ぐらいにしか使っていないくせに、こういう時には、ソーシャルメディアってありがたいな…と、思ったりする…もっとも、私のFBのネットワークは、基本的には自分が直接会った知り合いばかりで、そうした知り合いと緩~くつながっている…という間柄が多いが、それでも皆から「おめでとう」と言われ続けると、何となくめでたい気分になってくるではないか?!それまで忘れていた私でさえそうなのだ言霊というのはやはりあるものだなぁ…としみじみ思ったりする…

 

そうして「Happy Birthday」という言葉を繰り返し目にしながら、ふと、今の私にとって「Happy」あるいは「幸せ」な状態というのは、若い時のそれとはだいぶ変わっているかも…という事に気がついた…「幸せ」に対して、何となく漠然としたイメージを持ってはいるが、では一体具体的にどうなれば幸せなのか?!…と言われれば、実はその幸せの範囲というのは、案外そんなに大きくないような気もする…

 

若い時は、何よりも「キャリアの進展と経済的な余裕」だったが、今は、それだけが果たして幸せか?!…とふと思ったりする…いや、それらのものは決して「もう十分」というわけではなく、今でも欲しい事には変わりがないのだが、しかしそれよりも今は「健康」がまず頭に浮かぶ…とにかく、何を置いてもまず命あっての物…逆を言えば、健康で生きてさえいられれば、それ以外の事は何とでもなる…あるいは、何とでもできるという自信の表れでもあるかもしれない…

 

若い頃は「こうでなければ」というものがあり、それに思うように到達できないストレスが大きかった…まぁ、それは今でもある事には変わりないが、しかし今はそれでも「ま、それならそれで、まぁええわ…」と、割とすぐに思うようになった…これは諦めた…というのとはちょっと違う…どんなにジタバタしてもダメな時はダメなもの全てが自分の努力と根性で解決できるほど、世の中は甘くない…という事がわかってきたからだ…だからそういう時には、一旦退く…が、決して完全撤退したわけではなく、未練たらしく次のチャンスはしっかり待つ…そういう「保留」されたチャンスが増えていくと、いつの日かその内の1つが収穫のタイミングになったりするものなのだ…そんな風に「一旦退く」事ができるようになったのは、これは年齢と経験の賜物…と言えるかもしれない…

もっとも、その収穫のタイミングが皆同じ時にやってくる…という暴風雨状態過去記事参照)が余りにも多いのだけは、何とかならんか?!…と言いたくなるが…

 

実は、その直前まで、かなりストレスの高い出来事が続いていた…これもまたいつかきっとネタにしてやる!…と思ってはいるが、一旦そこから心理的に少し距離を置く決心をしたら、これもまた「ま、ええか…」と思えるようになるではないか?!

そうして、改めて自分の周りを見渡せば、少なくとも自分も夫も、今のところ大きな病気はしておらず、まぁ健康と言えるし、決して金持ちではないけれど、借金はないし、ホームレスになるほど追い詰められてもいない仕事上のストレスは、もうこれはなくなる事は絶対にないのだから、いかに折り合いをつけるかだが、その折り合いスキルは、若い時よりは上達しているのではないか?!…少なくとも、最近は胃に穴が開くことは無くなったではないか?!

 

そういう自分を、ひょっとしたら「Happy」だと言ってもいいかも…そう実感出来たことが、あるいは一番の誕生日プレゼントだったのかもしれない…

 

 

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