こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

少し更新をサボってしまいましたが、それでもブログを見に来て下さった方、本当にありがとうございます!

でもブログが書けなかった…ということは仕事などで忙しかった…つまりネタを仕込んでいた…というわけで、久々に続きものいかせて頂きます〜!

 

衣装合わせとコールタイム

まずその1つが、久しぶりに時代物のBG仕事をした…時代物の場合は、大抵事前に衣装合わせをしなければならないのだが、なんとその衣装合わせは撮影の2週間前?!えらい早いやんか?!と思ったが、実はその時は「働くぞ!」と珍しく勤労意欲に燃えていた頃だったので、その2週間後の仕事もあっさり受けた…

もっともそれは屋外シーンで、私は通行人役…しかしそんな通行人役にまで、衣装合わせがいるのが時代物…その為にわざわざニュージャージー州まで行って衣装合わせを行い、その時に「髪の毛は切るな」と言われたのだが、2週間後にはもっと伸びているので、実はこっそり少しだけ短くする…案の定、2週間後にはまた髪は伸び(私は髪の伸びるのが早いのだ…)何の問題もなかった…その衣装は夏服と春服…その頃はまだ肌寒い季節だったので、夏服にいささか不安を感じていたが、これも2週間後にはすっかり夏になっており、実はその春用衣装の方に問題が発生する?!…とは、その時は知る由もなかった…

 

ちなみに、その撮影日は火曜日…通常、週初めの月曜日は、やたらスタートが早いので、いつもは避けるのだが、火曜日ならいいか…と思った自分を後でしばき倒したくなる…それはメモリアルデーの連休明けの火曜日だったのだ!

そうでなくとも時代物はスタートが早い…というのも、ヘアメイクなどに時間がかかからだ…しかも屋外撮影の場合は、日の暮れる前に撮影を終えなければならないので、普通は夜明け前に招集がかかる…しかも、連休明けの最初の日…さらに、何とその撮影はニュージャージーなので、車のない私は送迎バスに乗らねばならない…となれば、これは三重苦…おそらくコールタイムは朝の6時以降ということはあるまい…多分5時台かもなぁ…と、薄々覚悟を決めていたのだが、前日に送られてきたコールタイムは朝の4時?!…一体何時に起きたら…の為に何時に寝たらええねん?!

 

しかも、このプロダクション…他の仕事で、他のBG達から聞いた評判がどうも微妙…決して「最悪!」というものではなかったが、「長時間でペナルティが一杯出たから稼げたよ」というのが一番ポジティブなものだが、「ペナルティが一杯出る」というのは、労働環境が良くない事の印…というか、そういう劣悪な労働環境の埋め合わせに支払われるのがペナルティ…普通は、「ペナルティを払わなくて済むようにちゃんとやろう」というものなのだが、メジャーなプロダクションの中には、「金さえ払えばええんやろ?!」とそのまま我々をこき使う…という場合も少なくない…これもどうやらそのパターンかもしれない…

 

実は前日までに、その仕事を受けた事を激しく後悔していたが、衣装合わせまでやってしまったのに、今更キャンセルはできない…こうなったら、最悪を予想し、少しでもストレスを減らすようにしよう…とかなし覚悟を持って臨んだ…

 

その朝は、もうカーサービス一択…これが6時前とかなら、地下鉄で行こうか、どうしようか…と迷うところだが、朝の4時に地下鉄でピックアップ地点まで行くには、3時半という、絶対に乗りたくない時間帯に地下鉄に乗らねばならない…それに、その日はストレス満載を予想しているのだから、少しでも自分で減らせるストレスは減らそう…と、Liftを使う…(過去記事参照)

 

朝の3時半に車がすぐに来てくれるものか?!…と、少し早めに車を呼ぶと、なんと2~3分後には「まもなく到着する」というメッセージ?!…こんな朝早くから働いてるんか?!いやぁ、お互い大変でんなぁ~と、思わず「お疲れ様」と労い合いたくなる…

その車のおかげでスムーズに目的地に着き、そこにはすでに送迎のバスが待っていたので、そこに無事乗り込む…その前の晩は夜8時に就寝しようとしたが、今の季節のアメリカ北東部は、日没が8時20分くらいなので、8時はまだ明るい…そんな明るい時間に寝られるわけはなく、結局うとうとし出したのは12時前…しかもやはり緊張しているせいか、2時前には目が覚めてしまった…というわけで、そのバスの中ではすぐに眠くなる…

 

…しかし、そのバスの目的地は、ハドソン川を渡ってそこから15分の距離…つまり、今日の撮影場所は州外ではあるものの、距離停には近い「Zone内」なのだ…実はこの事が後で大きな意味を持つことになる…

 

ホールディングに着いて、チェックインすると、まず最初にされたのが、スマホのカメラのレンズにシールを貼られる?!…つまり撮影中に現場の写真を撮れないようにする為だろうが、そんな事しなくとも「現場で写真を撮って、それをSNSに投稿するな」というのは、もはや常識…しかも今日来ているほとんどはユニオンBGである…それに屋外撮影の場合は、道行く見物人達がガンガン写真やビデオを撮りまくり、おそらくSNSにも投稿しているに決まっているのだ!

こういう「ハイセキュリティ」なプロダクションは、映画、特に大スターが出ている場合が多いのだが、この映画もそんな大物出てるんか?!

 

そのおかげで、この日は朝ごはんもランチも写真は撮れなかった…何よりも困ったのは、裏表両方のカメラが塞がれているのでFace IDが使えない?!その都度パスコードを入力しなければならない…また、キャスティング・サイトにログインするのも、最近はスマホにパスワードを覚えさせて、Face IDで確認…という風にしていたのだが、それも使えないので、一々パスワードを入力しなければならない?!もっともこれらは昔はいつもやっていた事なのだが…

 

その2へ続く)

 

 

★過去記事★