こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

Letter Projectのワークショップ公演も終了し、7世紀の日本の女皇から、現代ニューヨークの現実に戻る…すなわち、働かな~!…特に、それまでリハーサルや本番を理由にずっと仕事をしていなかったので、心を入れ替え、最初に来たBG仕事のオファーにOKを出す…それは屋外の通行人役である事は分かっていたが、幸い気温はだいぶ上がり、春もすぐそこまで…という気候になりつつあるから、そんなに辛くもないだろう

 

…と思っていたのだが、あろうことか、その撮影日に限って、それまでの春の気温がいきなりドロップ?!…さすがにもう氷点下ではなくなったものの、それまで70°F近かった気温が、いきなり30°F台になったのだ…これは華氏だが1日で40度も下がるって一体?!…しかも予報では、その気温は撮影日の翌日からまた暖かくなる…というのだから、これはもう運命の嫌がらせとしか思えない…

またそれまでずっと寒ければ、「そういうもんだろうな…」と思えるかもしれないが、なまじっか数日間まるで春のような暖かい日々を過ごしてしまったので、その後に寒くなるのが殊更堪えるのだ…

 

しかし、働くと決めたのだから、ここはなけなしの根性を出すしかない…幸い、それは日中で、またコールタイムも比較的ゆったりした朝の8時…普段は早朝6時前…とかだったりするから、これは無茶苦茶楽であると思うことにする…また屋外撮影は陽が落ちる前に終了するから、おそらく短時間で終わるだろう…

 

家を出る時もすでに明るくはなっていたが、まだラッシュアワー前だったので、少し時間はかかるが、乗り換えの少ないコースを選び、地下鉄で行く…幸いその日はホームレスさんと邂逅することもなく過去記事参照)、急に途中で降ろされることもなく過去記事参照)、比較的スムーズにホールディングに着いた…しかも、コールタイムの20分前である?!

 

そこにいる人達の中で、朝ごはんを食べている人がいたので、私もコールタイム前に朝ごはんを取りに行く…幸いその日は朝ごはんのトラックは割と近くにあった…

そこでBLTA(ベーコン・レタス・トマト・アボカド)ラップを作ってもらうが、なんか小さい気がしてゆで卵とビスケットも追加し、フルーツとコーヒーをゲット

 

 

しかし、BLTAラップは意外にボリュームがあり、ゆで卵とビスケット、そしてフルーツは後のおやつにまわす…

 

その日は、2つのシーンがあり、1つ目は屋内で、私の屋外のシーンは2つ目

ワードローブは、私の持参したものが全てOKされ、そのまま暖かいホールディングでゆっくり出番を待つ…多分待つだろうな…と予想してもいたので、ブログを書いたり、メールをチェックしたりして、のんびり過ごす…朝ご飯も食べられたし、そんなに悪くない

やがて最初のシーンのBG達が戻ってくるが、外は思ったより寒いようである…気温そのものは40°Fくらいまで上がってはいるが、風が強いので、体感温度はもっと低いのだろう覚悟を決めた

 

やがてその人達が現場に呼び戻されると同時に、唐突に我々も呼ばれた…急いで支度をして外に出る…確かに外の気温は低く、むき出しの顔や手に吹き付ける風が結構冷たい…しかし、その日の私の防寒対策は完璧だった!…その日選んだのは、実は私が持っている中で最強の防寒力を持つジャケットなのである…もっとも、それを実際に現場で着るのは初めてだった…

というのも、そのジャケットは他のジャケットよりかなり重く、色が黒なので夜間の衣装には使えない…またスリムでスポーティなデザインなのでその分下にはあまり着込めない…もっとも、下にあまり着込む必要などない…という事がその日判明したのだが、緩くて軽いジャケットが好きな私は、ついついユニクロのライトダウンを愛用していた

しかし、この日は「寒い」と分かっていたし、屋外の撮影ではどのくらい長時間外にいなければならないかわからないので、その最強ジャケットを初導入!…そしてその下にはさらにヒートテクと厚手のタイツと靴下、さらにアルパカのセーターを着込む…それにニット帽とフリース生地のマフラーと手袋…という完全装備で臨んだのだが、見事に全く寒い思いをしなくて済んだ!

 

実は、この最強ジャケットも友人から譲り受けたもので「雪山でも大丈夫だった」というお墨付きの防寒力?!…ホンマや!暖かさが、ライトダウンとは桁違いではないか?!

これなら冬場の屋外撮影も大丈夫かも…と、一瞬思ったくらいで、「寒くない」という事がこんなに楽なものだったとは…疲労度が全然違うではないか?!…もうその友人には感謝しかない…しかも、実はアホな私は、もう少しでそのジャケットは辞退するところだったのだ!…もう冬場の屋外仕事はやらない事にしていたし、ジャケットの重さに恐れをなし「多分着ないと思うから…」などとふざけた事を言っていたのだが、来てみると思いの外着心地は悪くなく、しかも「よく似合ってるよ。」という友人の言葉に押されて有り難く頂戴したのだが…本当にありがとうございました~!土下座したいくらいだ

 

寒い思いをしなくて済んだのは良かったが、仕事内容はかなり微妙だった…まず私はもう1人のアジア人BG(その日アジア人は我々2人だけ)とペアを組まされ、「フレームに入っとんのかい?」というくらいカメラから遠くに追いやられるあまりに遠くて、「アクション!」という声さえ聞こえないので、私達の数メートル前を歩いているBGが動き始めたら、私達も動く…というようにしていたら、その人達も遠すぎて時々「アクション!」が聞こえず、キッカケをミスっていた?!…そうなるともう運命共同体である…しかしそれでも誰も何も言って来ない…という事は、「本当に要るんか?!私等?!」と言いたくなった…

 

一体何が起こっているのかさっぱりわからないまま、やがてランチの時間に!

 

 

最初は、ランチ後にもまだ出番がある…と言われていたのだが、後にそれは変更になったようで、ランチの後にあっさりWrap!…何か仕事したという実感もない日だったが、まだ明るい内に帰れたし、そんなに悪くない日だった…と思うことにしよう…

 

 

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