こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

友遠方より来たる以前NYに住んでいた友人が、はるばる日本からNYに来てくれた…と言っても、単に私と遊びにだけ来たわけではないし、こういう時にどれだけ忙しくなるかは、私も日本に行く時にそうなのでよくわかる…なので、忙しい中会う事ができたのは、本当に嬉しかった

 

こういう時こそ、美味しいレストランかなんかを事前に調べて招待するべきだっただろうに、迂闊にも私にはそういう発想さえなかった…コロナ禍以来、ほとんどレストランに行かなくなっていたし、特にマンハッタンの土地勘は観光客以下…というのもあったが、それにしてもなんちゅう気の利かん奴や私は?!…と気がついたのは、帰ってからである…すんませんでした~!

会ったのは、某日系書店の上の階にあるカフェ…そこではかつては「日本風」のスイーツが食べられた…つまり、ド甘くヘビーで巨大なアメリカのケーキではなく、フワフワで甘さ抑えめの日本のロールケーキなんかがおいてあったりするので、コロナ禍前はしょっちゅうそこへ行っていた…

 

実は、友人が最後にNYに来たのはコロナ禍前だし、NYCに住んでいる私も、そこへ行くのは実はコロナ禍以来…それだけ久々だと変化に気づかずにはいられない…以前は、どちらかと言えば日本人の溜まり場的な場所だったのだが、今やアニメやManga好きのアメリカ人の若者で溢れる…そのフロアーは英語のMangaと日本語の漫画、そしてアニメのフィギュアなどの関連グッズで溢れ、さながら日本アニメ&漫画オタクの聖地と化しているではないか?!

 

さらに、つい見かけに惹かれたシュークリームが巨大?!

 

 

クリームはどっしりとした生クリームで、美味しかったが、オバチャンの胃にはちょっとチャレンジが過ぎた…さらに開店直後であったにも関わらず、コーヒーの質も以前より数段落ちる…これでは日本人は来んな…

 

それでも、久々に会った友人とのお喋りは本当に楽しく、思わず時を忘れる…また実は昨日お話ししたダブルブッキング未遂過去記事参照)についても、自分なりに結論をつけてはいたものの、実は「私って、ちょっと甘いんかな…」とその時はまだ少し揺らいでいた…ブッキングが決まったのは、その後の事だったからだ…でも、同じ業界の先輩でもある彼女と話して、やはりこれでよかった…と確信できた…

 

話題は最近の日本の話からアメリカの話、そしてコロナ禍以来すっかり変わってしまったニューヨークの話…と多岐にわたるが、彼女自身もそのNYの変化については、肌で感じるものがあったようだ…おそらく住んでいる我々は慣れてしまった事にも、もっと敏感に気づくのだろう…

 

そのお喋りの中で、アメリカの今度の大統領選の候補者について話していた時に、友人が何気なく言う…「でもバイデンだって死人の票を使って当選したから…」…これには思わずひっくり返りそうになった…言うまでもなく、これは前回の2020年の大統領選の直後にトランプのサポーターのQanonによって流されたデマだが、これはもうとっくの昔に、アメリカではフェイクニュース認定されているものである…それが、まるでつい最近ニュースで聞いたかの様にさらりと出てくる?!…断っておくが、私の友人は決して極右翼でも何でもないし、自民党と癒着しているわけでもない、知的で極めて常識的な大人である…おそらくニュースだってちゃんと見ているはず…それだけにそんな数年前のフェイクニュースが、まるで最近の海外のニュースと同じ扱いになっている…という事に衝撃を受けたが、これはひょっとしたらこの手のフェイクニュースの亡霊が、実は私の知る以上に日本に蔓延しているのか?!

 

まぁ、選挙前にこういったデマを流しあうのはよくある事…特に、最近ではSNSの方が正規のニュースより数倍早く拡散する…それだけに情報の受け取り手の方が、その情報源をしっかり確認する…というのは、非常に重要である…

 

この「死人の票云々」は、郵送による期日前投票について共和党が言い始めた事だが、単なるデマとというだけではなく、実際トランプはそれで自分が負けた州を「そういう不正選挙があった」と訴えた事実に基づく…それがまた1つや2つではなく、ジョージア州やアリゾナ州などの、要するにレッド・ステイトと呼ばれる、普段なら共和党優勢な州なのになぜか負けてしまったという州全てに対して、トランプは「不正選挙」を訴えた…そうなると各州の選挙管理委員は再び厳密に調査して不正の有無を確認し、さらにまたその郵送の票を数え直す…そして出された結論が、どの州でも全く不正か行われた形跡は見つからず、あまつさえ最初「トランプ票」としてカウントされていた数百票が実はバイデン票であった事まで判明し、返って差が開いてしまった…という間抜けな事も…こうしてトランプの訴えは、見事に1つ残らず全て「事実無根」として却下されている

 

ちなみに、なぜそんなに郵送の期日前投票が共和党に敵視されているのか?…と言えば、郵送の投票だと、逆に選挙妨害がし難いので、2020年には民主党の有色人種の有権者の多くが、その郵送の期日前投票を利用したからだ…一般的に黒人などの有色人種に民主党支持者が多いので、特に南部のレッド・ステイツでは、黒人達になるべく投票させないようにする…という露骨な選挙妨害が、実は極最近まで普通に行われてきた過去記事参照)…例えば、投票するには写真付IDが2つ必要とし、それを1つしか持っていない黒人には投票させない…あるいは、投票用紙の欄外に前もって丸とかチェックマークとか、そういう一見どうでもいいものを何か書き込んで置く…それに気が付かず投票しても、その票は開票の時に無効になる…欄外には何も書き込んではならない事になっているからだ…さらに、投票に行っても、「リストにあなたの名前はないので投票できない」と言われ、投票させてもらえない…などなど、対面して顔が見えれば、実はいくらでも妨害する方法がある…その点、郵送では送り主が黒人か白人かわからない…特にコロナ禍でもあり、多くの白人の高齢者(共和党票)が郵送を選んだりもしているので、迂闊に捨てると共和党票を捨てる事になる…

もっとも、投票箱や、郵便局の振り分ける機械を撤去して、郵送票を遅らせる…という試みは行われたが、それは早い段階でブロックされ、たとえ遅れてもそれらの票はきちんとカウントされている

また郵送投票が、不正につながらないように、実はいくつものセキュリティチェックが行われ、それこそ死人の名前を使って投票する事は、実質的には不可能になっている…同じように、州にまたがって二重投票する事もできないように、こちらも厳しくチェックされている…ましてや違法移民が投票していた…なんて論外である…合法移民でさえ、アメリカ市民でなければ投票できないのだ…アメリカではそういう情報は、すべてソーシャル・セキュリティ番号で一括管理されているからだ…

しかし、投票所で妨害が行われないようにチェックするシステムはなく、そういう意味ではどちらの方が「危ない」かは言うまでもない…実際2016年の時は、投票所ではロシア産の投票機が使われ、その機械を通してロシアによる操作介入が行われていた…という報告も出ている…

そこで2020年にはそのロシア産の機械は全てアメリカ産のDominion社のものに換えられた…その結果、この2020年の選挙は、これまででもっとも不正の少ない選挙だったと言われている?!

 

それに対して、「その調査もバイデンがさせたから信用できない」というアホがいるが、冗談言ってはいけない…これはトランプが大統領だった時の話で、しかもそれらの州は共和党優勢…その選挙管理委員も裁判長も皆共和党員なのだ…なので、トランプはそれこそ死に物狂いでプレッシャーをかけまくった…その中には露骨に「何としても17000票(バイデン負けた分)をどこかから探してこい!」と電話で直接脅しをかけ、これがまた録音されていたりする…これは実は深刻な選挙妨害で、勿論違法行為である…そうした選挙妨害の調査の公聴会を私もニュースで見たが、それらの選挙管理委員やその関係者(票を数え直したスタッフも含まれる)は本人だけではなく家族も、こうしたトランプによる直接的な脅しのみならず、彼のサポーターによる脅迫に絶えずさらされたしかし彼(女)らは、断固「民主主義を守るために正しい事をする」という信念を貫く…その共和党の選挙管理委員長も「自分はずっと共和党員で、実際自分もトランプに投票した…しかし、民主主義を守るために、たとえそのトランプの命令でも選挙結果に不正な操作を行う事は、絶対にできなかった」と涙ながらに証言する…こういう人達によって、アメリカの民主主義は守られているのだな…とちょっと感動した記憶がある…それはすでに4年前の事なのだ…

 

そして現在、トランプはその選挙妨害の罪で起訴されている…これはその録音の物証がすでにニュースでも公開されているし、SNSのギャグネタにもなっているぐらいだから、確実に有罪判決になるだろう…もっとも彼自身が大統領に再選すれば、「恩赦」でそれをチャラにする事ができる…と、少なくとも本人は思っているし、彼のサポーターもそう思っているのだが…

 

それにしても、不気味なのが、なぜこんな大昔のデマが、それも大統領選にほとんど無関係な日本で、今出回っているのか?!…まぁ、アメリカで流されても「いまだにそんな事言うとんのかい?!」と笑い者になるだけだが、そういう事情に疎い海外ならまだ通じる…と思ったのだろうか?…それにしても一体何の為に?!

 

またトランプ好きの日本人なぜか結構いるのに驚く)は、アジア人がアメリカ国内で安心して住めない様にしたのが、トランプだという事を知らないのだろうか?!…彼が攻撃したのは中国人で日本人は別なんて思っているのは、実は日本人だけ…ほとんどのアメリカ人にとって、アジア人は皆同じでその差はほとんどなく、実際トランプ本人もうっかり中国と日本を混同した事もあり、「実は区別していない?!」疑惑もある

 

自分の国の方に謎が多い…というのも、何とも不気味な話である…

 

 

★過去記事★