こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

今日の撮影仕事は、珍しくマンハッタン…しかも、コールタイムは朝の9時半?!…これまでお隣のニュージャージー州だったり、それも朝5時台のコールタイムだったり…なんていう過酷な現場ばっかりだったので、こんなノーマルな時間に始められる事が本当にありがたい…

しかし、前日に送られてきた情報から、ホールディングとセットが数ブロック離れている事に気づく…こういう時は、朝ごはんがもらえなかったりする事もあるので、一応その覚悟をしておこう…と、その日は珍しく朝ごはんを家でちゃんと食べて行った

 

場所は、普段滅多にいくことのない、トライベッカ…チャイナタウンの西側にあるのだが、ほんの数ブロック違いで、雰囲気がガラリと変わり、実はオシャレな高級住宅地だったりするのだ…

 

 

そのビルの1室がホールディングだったが、何と広々として、しかも窓からトライベッカが一望?!

 

 

そして、驚いた事に、そのホールディングの中にちゃんと朝ごはんが準備されていた?!…しかも、クルー用のフルスケールの朝ごはんではないか?!…何より嬉しいのは、ビーツや人参からその場でフレッシュジュースが作れる様になっていた事だった…これはコロナ禍以来姿を消していたのだ…早速ビーツのジュースを作り、ついいつもの癖で朝ごはんをガッツリ確保

 

 

ところが、考えてみたら、今日はちゃんと朝ごはんを食べて来ていたのだった…しかもただでさえお腹があまり空いていないところへ、ビーツジュースを飲んだので、半分以上入らない…

その時、ふと思い出した…確か今日のランチはWalkawayだったではないか?!…Walkawayというのは、プロダクションがランチを供給してくれず、時間内に自分で勝手に食べて…というもので、いつもランチを楽しみに仕事している(おい!)私にとっては、Walkawayだというだけで、ハズレもハズレ、大ハズレの日だったのだ…これがチャイナタウンとかならWalkawayも悪くはないのだが、トライベッカは高級住宅地である…こんなところにあるのは、小洒落たカフェやレストランくらい…勿論、無理すればチャイナタウンまで歩けない事もないのだが、この寒空に外をあまり歩きたくなかった…その日は本当に底冷えする寒さだったのだ…しかし、ここでランチの食事を確保しておけばいいではないか?!…今日は冴えてるぞ、私?!

そこで、食べきれなかった朝ごはんに、少しタンパク源を足して、しっかりランチを確保!

 

 

ワードローブ、ヘアメイク共々、今日は一発OK…そして割とすぐに現場近くのサテライトのホールディングに移動する…それでほんの数ブロック歩くだけで、寒さが身にしみる…ダウンの下にはヒートテク2枚と、フリースを着ているのに?!…こんな日に屋外撮影だとたまらないが、幸い私はレストランの客の役なので、屋内で座っていられた…これはラッキーだった!

また、その日ペアになったBGさんは、芝居心のある人だったのもラッキーである…というのも、その日はかなり長い長いシーンを一気に撮っていたのだが、その間私たちは「無言で」喋っていなければならなかったからだ…つまり、プリンシパルの台詞の邪魔をしてはいけないので、絶対に音を立てない様にしながら、楽しく喋っている様子を演じなければならない…中々シュールな光景だが、まぁ、これがBGの仕事なのだ…そういう時に、芝居心のないBGと組むと、ただ黙ってボーッとしていたり、つまらなそうに口だけ適当に動かしていたり…なんて事になるので、長いシーンだとかなり辛い…しかし、芝居心のある人と一緒になると、たとえ音声は出していなくとも、ちゃんと会話が楽しめるのだ!過去記事参照)…そういうわけで、今日は撮影中は割と楽しく時間が過ぎたから、これもラッキーだったと思う…

 

その後一旦サテライト・ホールディングに戻るが、何となくこれで私は今日は終わりじゃないか?!…という予感の様なものがあった…この後に、また遅い時間のコールタイムのBG達が大勢呼ばれていたからだ…またこれがニュージャージーとかなら、最後まで待って皆と一緒に帰らねばならないが、今日はマンハッタン!…ひょっとしたらランチ前に終わるのではないか?!

 

するとまもなく、小道具を借りた人はそれを返す様に…つまりDe -propするよう言われる…という事は…よっしゃ!今日はもう終わりや!

そこで喜び勇んでホールディングに戻る…また実はその日は特に早く帰りたい理由もあったのだ…その理由については、また別の機会に…

 

ところがホールディングに戻ると、これから全員ランチブレイクだと言う?!…そして我々早い時間のコールタイムの人達は、ランチの後にWrapだと?!…しかもランチはWalkaway?!…これっている意味ある?!

実はそういう風にするのは、もしワードローブから衣装を借りている場合は、ワードローブさんもランチブレイクに行ってしまうので、衣装が返せないからなのだ…しかし、私はその日の衣装は全て自前である…それなら衣装を借りていない人は、別に帰ってもいいのでは?!…と聞いてみたら、あっさりOKが出た!…ラッキー!

勿論、確保したランチは、ちゃんと持って帰り、家で全て完食…実はその日は食事を作っている時間がなかったので、これもラッキーだった…

 

最悪の心づもりをしていたが、今日は呆気ないくらいラッキーな日だった…こういう日もあるんやなぁ

 

しかし、ひょっとしたらここで運を使い切ってしまったのではないか?!…と、それがちょっと心配である…

 

 

★過去記事★