こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。
NYアクターの生活、オーディション、現場での様子などをお届けしています。
ハンカチは何の為に持つか…泣いている女性に差し出す為…というのは、一昔前のダンディズム…日本では、ハンカチの用途は手を拭く事…と相場が決まっているが、アメリカでは実はハンカチは手を拭く為…というより、むしろ鼻をかむ時に使うものだったりする…なのでハンカチを他の事（手を拭くなど）に使っていると、「えっ？」という目で見られる事がある…その人には、鼻をかんだ後のティッシュで手を拭いているように見えるのだろう…
また鼻水が出たらさっさとかめ！…というのがアメリカの礼儀で、人前で大きな音を立てて鼻をかむより、鼻をかまずにズルズル吸い込んだり(？)している方が、よっぽど顰蹙を買ったりするので、気をつけた方がいい…もっとも、食事中の場合は、さすがに礼儀に反するので、避けられない場合は、「Excuse me」と一言周りに断った方がいいかもしれない。
もっとも最近では、ティッシュを使う人の方が多くなったようだ…特にコロナ禍では、ハンカチで鼻をかんでそれを持ち歩いていたりすれば、もしその人が感染していれば、そこから感染が広がってしまうので、ティッシュへに切り替えが奨励された…というのもあるかもしれない。
私は昔からティッシュ党だが、夫はハンカチで鼻をかむ男である…まぁ、そのほうがエコではあるのはわかるが、私はどうもハンカチで鼻をかむのには抵抗がある…というか、鼻をかんだ後のハンカチを持ち歩く事に抵抗があるのだ！…その辺りはハンカチ党の人達はどう思っているのか？！…と一度統計を取ってみたいものだが、特にある一定の年齢より上の世代の男性に、ハンカチ党が多い様な気がする…
ちなみに、かつて日本では街中のどこでももらえたポケットティッシュは、アメリカでは割と最近まで見かけなかったし、結構割高だったりする…
そういうわけで、ハンカチはむしろ消耗品扱い…洗濯の頻度も高いので、すぐにボロボロになってしまうのだが、新しいハンカチを買いたくとも、店頭でハンカチをとんと見かけなくなった…ハンカチで鼻をかむ人が少なくなった上、トイレにはペーパータオルかドライヤーがあるし、おそらく女性も人前で泣かなくなったせいか…以前はどこにでも、しかも３枚１ドルなんていう風に、ポケットティッシュより安く売っていたハンカチが、どこにも売ってない！と、夫は言う…
そこで、私も内助の功…買い物に出かける度に、ハンカチの売ってそうな店には必ず立ち寄る様にしていたが、確かに全く見かけないし、店の人に聞いても「うちには置いていない」と言われるばかり…中には、「以前は置いてたけど、最近は全然売れないから置かなくなった…」と言う店主もいた…まぁ、需要と供給のバランスで資本主義経済は成り立っているので、仕方がないのだが、こうして昔ながらのエコな生活様式もどんどんなくなっていくのだな…と、ちょっと寂しい気もした。
そんなある日、いつもは行かないエリアで、とある店に引き寄せられた…それは間口の狭い、おそらく中国人か韓国人経営の雑貨屋だったが、百均商品のようなものから家電や洋服まで、文字通り何でも置いているような不思議な店だった…しかしこの手の店に、時々予期せぬものが見つかったりする（過去記事参照）ので、何となく予感めいたものを感じて、中に入る…が、一体どういうロジックで商品が置いてあるのかよくわからない…間口の割には結構中は広い…仕方がないので端の通路から探していくと、棚出ししていた店員さんが「You OK？」と、親切に声をかけてくれたので、渡に舟！と、「ハンカチはありますか？」と尋ねる…と、なんと「Yes」と言うではないか？！
その店員さんについていくと、私のいた反対側の一番端の通路…自力で探していたら、おそらく辿り着くまでに諦めていたかもしれない…
それまであまりにもどこへ行っても売っていなかったので、ひょっとしたらこの店員さんは、「バンダナ」を「ハンカチ」と間違えているのではないか？！…という疑いが芽生えたが、まぁ、それでも巨大ハンカチだと思えばいい…というところまで覚悟していた。
ところが、連れて行かれた棚に、あるではないか？！しかも３枚セットになった綿100％の白ハンカチが！…ただ、そのケースにはサイズが書いていない…もし普通のサイズなら、大量購入しようと思っていたのだが、ひょっとしたら、飾り用のものすごく小さなハンカチかもしれない…それでも買うか？！…まず一つだけ購入して箱を開けてみて、もし良さそうなら大量購入に踏み切る…というふうにすればよかった…と気がついたのは、後になってから…勿論、購入前に開けてみるなんて度胸は、私にはない…
でもまぁ、３枚で一ドルちょっとくらいのものだったので、とりあえず４セット大人買い…
家で開封すると、確かに少し小さめではあったが、夫曰く、これなら十分だというので、ちょっとホッとした…もっとも、これでしばらくは持つかもしれないが、これらがボロボロになって買い替えたい時は、もうハンカチというものが店頭から完全に消えているかもしれない…
★過去記事★
