「LADYPEAK」#2
和代の横から、ノートパソコンの画面を覗き込む春江。和代は春江に顔を向けた。
「春江ちゃん、これ一緒に買ってみない?」
「そうだねぇ。和代ちゃんと一緒だったら、買ってもいわねぇ。でも、和代ちゃん・・・。これ、配達してもらえないみたいだねぇ。ドクター黒葉さんの所に行かないと、ダメなんじゃないの?」
「あら、そうだわ。現金払いで、商品は手渡しって書いてあるわね。いいじゃない。旅行がてら、久しぶりに、東京まで行きましょうよ。ドクター黒葉さんにメッセージ連絡して、買えるかどうか聞いておくわ」
「ありがとう。和代ちゃん、お願いするわねぇ」
3月半ばの平日。天気は快晴。
春江と和代は、到着した新幹線から東京駅のホームに降りた。平日の午前中ということもあって、一緒に降りる乗客はスーツ姿のビジネスマンが多い。二人は改札に向かった。
和代がインターネットで新幹線のチケットと都内のホテルを予約した。着替えなどの大きな荷物は、前もって宅配サービスを利用していたため、二人は小さなカバンだけを持って身軽に行動できる。
「約束の時間まで、まだ時間があるわね。春江ちゃん、お茶でもする?」
「そうだねえ。あっ、和代ちゃん。あそこに、この前インターネットで見かけたお店があるわ」
二人は、ケーキとコーヒーのセットを売り物にしている駅建物内のカフェに入った。有名な店らしく、店内は大勢の客で埋まっていた。
若い女性スタッフの案内で、一つだけ空いていた席に座ることができた。
「和代ちゃん、このイチゴがたくさんのケーキ、美味しそうじゃない?」
「ホント。すごく、美味しそうね。わたしは、このチョコレートのケーキにしようかしら」
フォトアルバムのような重厚なメニュー。色とりどりのケーキが、綺麗な写真でセンスよく紹介されている。一つ一つに、特徴の説明書きがあって、見る者を楽しませることと、迷わせることに一役かっている。
二人とも、甘いものに目が無かった。特にケーキは大好物だ。
半透明なガラス皿に飾られて、二人が頼んだケーキがやってきた。二人はケーキを味わい、店内の雰囲気を楽しんだ。
手塗りされた木製の丸テーブルは薄い水色だ。小ぶりのウッドチェアは、チョコレート色でアンティークな雰囲気を持つ。油絵の風景画ややかわいらしい小物たちが、白い壁を飾る。
女性客ばかりの華やいだ空間に、二人のレディはすっかり馴染んでいた。
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