こんにちは、5児のエンジニアパパA5です。
今日は、
塾にも、公文にも行けない学習の空白期間を
埋めるために慌ててタブレット学習を契約して、
落とし穴にはまってしまう理由について、
自分の経験を元に、話したいと思います。
<結論>
『すでに学習習慣のある子には武器になるが、
そうでない子には、逆効果になる』
<理由>
親が思ったほどやらず、親子関係が悪化してしまう。
未だ収束の気配を見せないコロナ騒動、
非常事態宣言がGW明けも続きそうな中、
東海地方の田舎である私の町では、すでに
学校再開が5月末まで延期されました。
公文教室も5月いっぱいは休室が決まり、
生徒さんの中には教室に通えないなら意味が無いと
「休会」されるかたが多数見受けられます。
コロナ禍で公文を休会してしまう判断ミスについては
以前のブログで語りましたが、
この学習の『空白期間』の
学力の低下を恐れて、慌ててタブレット通信学習の
契約をする家庭が増えているそうです。
私の経験上、
このタブレット学習をメインにして、学習習慣と学力を
維持できるのは、『良くて2割』くらいでしょう。
それ以外の8割の家庭では、学習習慣が下がり
下手したら親子関係も悪くなります。
ぶっちゃけた話をすると、
タブレット学習は
『すでに自分で学習する習慣がある子どもにとっては強い味方』
となり得ますが
現時点で学習習慣の無いい子どもにとっては、『劇薬』です。
私も、数年前上の子二人に
良かれと思って、タブレット学習を与えました。
最初の数週間は、物珍しさもあって
続けるのですが、じきに飽きてしまいました。
そして、
飽きるどころか、親子の関係が
悪くなってしまいました。
これらがその3つの理由です
1.そもそも自分で望んで始めていない
2.鉛筆で書いていない
3.親も子も学習の目的がズレる
1.すべての学習環境について言える事ですが、
親が良かれと思って用意した教材で
子どもが喜んで勉強するなんて、ありえませんよね?
忘れてしまったかもしれませんが、
もし、自分が子どもの時に、
親が「この問題集すごいんだぞ!」といって
買ってきたのを、うれしくて夢中で
やったと思いますか?
それがタブレットだったとしても、
同じくことです。
始めは物珍しさもあってやったとしても、
それが、
『親判断で与えられた学習』である時点で
継続しないのは明らかです。
自分が出来なかった事を、
子どもに期待しちゃいかんですよ。
だって、あなたの子どもなんですから。
もし、タブレット学習をやるならば
「子どもが自分からやりたい!」
と言って来た場合のみやらせてもいいのですが、
その場合でも「短期契約」をお勧めします。
大抵のタブレット学習は、携帯と同じで
半年~1年契約をすることでタブレットが無料でお得!
を謳っていますが、
これが失敗のもとです。
長期契約にすると、
もし途中で飽きてやめたくなってしまうと、
違約金が発生します。
すると、大人は
『せっかく始めたのにもったいない!』と
思ってしまい、子どもに対して
『お前がやりたいから始めたんだろ!』
と言ってしまい、
→無理やりやらせる、
→関係が悪くなる
となってしまいます。
ちなみに、これを論語で言えば
『利によりて行えば、恨み多し』と言います。
よって、もしタブレット学習をやらせるなら
子どもに適正があるかわかるまでは、
コストメリットは考えずにただ与えて様子を見る事を
お勧めします。
私は、これで子どもを何度か
叱って泣かせてしまい、失敗しましたので
皆さんも同じ轍を踏まないことを願います。
2.鉛筆で書く。たったこれだけのことが、
いかに子どもにとって、いや親子にとって大切か
我が子にやらせてみてよくわかりました。
正確に言えば、
『子どもの書いた字を見ることが大切』
なんです。
小学校高学年になってくると、自我が確立するので
わかりにくくなりますが、
低学年の場合は、書いた字は
『子どもの状態を知る情報の宝庫』なんです。
つまり、
その日書いたノートの子供の字には、
・集中力が反映する
・精神状態が出る
・理解度が出る
など、親ならば子どもが今日どんな状態だったか
一目でわかります。
そして、それに合わせて、
「よくできたね!きれいな字だね!」
とほめたり、
「ここはどうしたのかな?」
などと異変に気付いてあげる事が出来ます。
しかし、
タブレットの場合は
『どれだけやったかという結果が全て』で、
やった→ほめる
やってない→叱る(もったいない)
の2元論になってしまい、
子どもの心の機微に気づいてあげられません。
一応、
タブレットでも、ペンで自分で書くので、
親は今日やったところを見ることができるのですが、、、
断言します!
タブレットの子供がやったページを
いちいち確認する親は絶対いない!
というか、
『細かく内容のケアをする意識がある親なら
そもそもタブレット丸投げにしない。』です。
結果、子どもは
親から与えられたタブレット学習だと、
イヤイヤやる→関係が悪くなる
自分が望んで始めたタブレット学習だと
叱られないようにイヤイヤやる→効率が悪くなる
3.親も子も学習の目的がズレる
これは、本当にやった人でないとわからないと思うけど、
始めは
「良くできたシステムでいろいろな問題に挑戦出来て
面白くていいね!」
となるのですが、
親の目的のズレ
どれだけ進めているか確認できるので
(しかも結果だけで判断)、
やっぱりここでも、
やっていない→なんでやらないんだ→もったいだろ!という、
『利』の目線、つまり、コスト意識で見てしまいます。
一方子どもは、
いろいろな課題を進める
→達成するとポイントがもらえる
→ポイントを貯めると、アバターのアイテムがもらえたり、
カードコレクションがもらえたり、ミニゲームが出来るなど、
「報酬」が目的になってしまいます。
本来、学習の目的はただ一つ
『出来た!』『解けた!』という達成感のみです。
それを、報酬で釣っている時点で
結果的に課題はこなしていたとしても、
ゴールがぼやけてしまうんです。
しかも、恐ろしい事に
子供も親も、その日の課題が全部終わっていると
『やれた気』になってしまうところです。
あらためて結論をいうと、
『すでに学習習慣のある子には武器になるが、
そうでない子には、逆効果になる』
CMでは、タブレット学習を始めたら
自分から進んでやるようになって
成績が上がった!と宣伝していますが、
普段から学習習慣の無い子が、
問題集から、タブレットに変わっただけで
劇的にやるわけないでしょう。
既に学習習慣のある子だけが
「その環境を活かして」成績を伸ばすことができますが、
それ以外の子は親が思ったほどやらず、
多くの親子関係が悪化してしまうだけに終わる可能性が
高いということを認識しておくべきです。
それでも、
やらせたいのであれば、
一つだけ、
「コスト意識」で小言を言わないことだけ
気を付けてください。
もし、学習習慣がついていないのであれば、
タブレットを始める前に始めるべきことが
あるんです。
コロナ禍での家庭学習キーワードは、
「いかに勉強から離れて、勉強らしくするか」
です。
それについては、別ブログで話したいと思います。