発達障害者の「安定帯域」(精神の安定を保てる条件・環境)は狭い。しかし、安定帯域に終生止まっていれば、何の問題もなく人生を送る事ができる。

 

 発達障害者が統合失調症に罹患する確率は健常者に比べて数倍高いとされる。しかし、数倍程度のレベルに留まる事はないだろう。発達障害とは診断されていないが、発達障害の資質を持っているが、何の問題もなく、あるいは少々強い個性というレベルで安定した精神生活を送っている人がたくさんいる。ある時、安定帯域から外れた時に、人格障害や統合失調症を発症するだろう。発達障害の根源的性質は、顕在化しない性質であり、発達障害者の特徴的な症状は表面的なものに過ぎない。根源的な性質は、原「私」の意識への転写が不十分であることだ。「私」が希薄であり、自己同一性の問題を抱えるのだが、この自己同一性問題とは照合すべき自己が存在しない事の自己同一性問題である。この自己同一性問題の顕著な事例は、自己が選択者である事を自覚できず、操作されているという感覚を持ってしまう事である。反証生成を外部依存する事が、主体の自覚を失わせる。つまり人格障害を潜在させる。しかし、必ずしも顕在化しない。 また顕在化しても社会的な問題にならなかったり、重大な精神問題としての自覚が生じないこともある。パーソナリティ障害が精神病か否かが微妙なのは、自他ともに特段の問題が生じないケースが多いからだ。

 

最適化システムである無意識に目的を与える事が主体の役目だ。無意識は最適化システムという計算機に過ぎず肯定しかしない。主体は反証を自己生成する事によって選択者となり無意識に目的を与えられる。外部反証(刺激)に対する反応は、肯定型、目的指向型、最適化システムである無意識で事足りるのであって、この場合、生物である理由が無い。刺激-反応の肯定型システムは、実在を成立させることができない、という意味だ。つまり一義的な反応が予め決まっているのであれば、世界のダイナミクスは存在しなくともよいのであって、何事も起こる必要はないということだ。

 

外部反証は刺激であり、反応をもたらすが、その反応は肯定型の最適化である。刺激が接近対象であれ、回避対象であれ、反応は肯定型の最適化と分類できる。

 

原「私」は反証であり、反証を自己生成する主体である。原「私」は反証を自己生成する事によって、意識に「私」を転写する。意識は反証の転写を受けるために発達してきたのであって、意識は反証を求める。反証は「私」の人格を構成する。従って、原「私」の自己生成機能の障害若しくは転写機能の障害があって、反証の転写が進まない場合には、意識は、反証を外部依存するようになるだろう。つまり、この代替的な現象は、「私」という人格を外部依存して創り上げるということだ。この外部依存して創り上げられた人格は、無意識の肯定型最適化システムによって作り上げられた人格と言う事ができる。この人格は疑似的な主体であって、本来客体であるべき外部反証が主体となっているのである。従って、この疑似主体は、本来主体性を持たない無意識が主体となっている状態だともいえる。しかし、無意識は全知的最適化システムである。発達障害者の中から天才が現れる理由は、この無意識支配の状態から生まれるのだと理解することができる。

 

 「私」が実在するためには、あるいは実在感を得るためには、世界は「私」に対する反証として存在しなければならず、「私」は世界に対する反証として存在しなければならない。従って世界は外部反証でなければならない。世界を単なる刺激として反応を最適化するメカニズムは世界の肯定であって、世界との同化であり、「私」も世界も非実在となるので、これは自己否定につながる。自己否定は潜在するのであって、契機があればいつでも意識に顕在化するだろう。また、この契機を与える事は、洗脳の第一歩である。この機に乗じて予め設計された「私」を与える事ができる。

 

――――――――――――

 

 

 

2025年6月22日発売

『サイコトロニック兵器群の仕様:非電磁的情報伝達のメカニズム』

Amazon紹介ページへ

 

 

――――――――――――

2025年5月20日発売

『サイコトロニック兵器の考え方: 超能力、ポルターガイスト現象、精神病の不可分性』

Amazon詳細ページへ

 

 

―――――

2024年9月15日発売

『精神工学兵器の本質:言葉の起源と人質問題』

Amazon詳細ページ

 

―――――