「きっと人生最後のコンサートだね」母親は、そう呟いて「美川憲一&コロッケコンサート」へ一緒に出かけた。(最後ではないと思う)母と二人だけで出かけるイベントは、数年前の綾小路きみまろライブ以来、二度目である。母子家庭だからか、子供との距離感が近かった私は、娘とよく出掛けるが、母には昔からいつも父が一緒だった。二年前までは。もしかすると、子供の頃の私は母を独占したかったのかもしれない。それが叶えられることなく大人になって、その後も母との関係を上手く保てずにいたのかもしれない。しかし、人生の中で、苦手なものや嫌いなものを避けて生きてくると、いつしか必ずそれと向き合わなきゃならなくなる時がくる。どうもがいても、今の自分がいるのは、両親のお陰である。
街には木枯らしが舞っていた。平日の昼のコンサートだから空席も多いかと思いきや、高齢化社会を裏付けるように団塊の世代から母のような後期高齢者で満席。場内は異様な熱気が溢れてて、恐ろしい。前半はコロッケのモノマネライブ。母の笑い声につられて私も笑う。コロッケは私と同世代である。この道30年、このように進化し続ける「芸の深さ」は、同業者でも恐れ入る部分が多いという。かつて、ヨミウリコラムで、「とにかく僕はライブが好きなんですよ。テレビでもふざけまくっていますが、コンサートや舞台になるとさらに拍車がかかり、ふざけ倒しています。中途半端ではお客さんにも失礼ですから。」と語っていたとおり、登場しただけで客席を笑いの渦にするコロッケは、流石である。後半は美川憲一さんのヒットソング。懐かしき柳ケ瀬ブルースは父がよく歌っていたらしく、ホロリと涙ぐむ母。出がけに母のポシェットの中に父の写真が偲ばせてあったのを発見。未だに母は寂しいんだ… と、感傷に浸ったのも束の間。美川さんとコロッケが場内に降りて、おんなの朝を歌いながら、お客様との握手サービス。なんと、隣の母が前方を横切る美川さんを捉えて握手しちゃっているし。こうした行動力は未だ健在である。冥土の土産になるねと、子供のようにはしゃぐ母に絶句。我々も、母のような年齢になって、ユーミンのコンサートとかにいったら、感激するんだろうな。ユーミンがいつまで歌うかはわからないが、美川さんは66歳、恐れ入ります。心に残る歌や笑いは幸せの源泉。できることなら、文句を言わず、喧嘩もせず、笑って生きて行きたいと思う。いつしか、モンスターから愛される可愛いおばあちゃんを目標に。
チョコが絶対安静の三週間を経て、リハビリを兼ねてのお散歩…偶然にもお隣のお散歩とご一緒に。お隣の愛犬の名はジョージクルーニー。個人的に、長い名前は呼びにくいと思うのだが、ジョージクルーニーのファンなんだろう、という個人情報が愛犬を呼ぶたびに世に知れ渡るのは如何なものか?それはさておき、そのジョージクルーニーの飼い主が、ブリーダーの講演会に参加していろいろ勉強になったと語ってくれた。心に残ったのは…「正しいしつけ」の第一歩は、まずは飼い主さんが「この子を幸せにするために、しっかりとしたビジョンを持つこと。そして、私がこの子を導けるような頼もしい存在になること」そして、わんちゃんを家族として迎えたからには、わんちゃんの今現在の幸せだけでなく、5年後や10年後の幸せを考えてあげることも必要だと。子犬時代は何をしてもかわいく、ついつい甘やかしがち、ころころとして愛らしく、ずっと抱っこしていたい、そばにいてあげたい、という気持ちになるのは当然のこと。はて、この子のためなら死んでもいいと言ってた誰かさんのよう。しかし、犬は小さいままではなく、精神的にもあっという間に大人になる。子犬の頃から飼い主さんと「離れる」練習をしてあげなければならない。飼い主さんと離れられないまま大人になってしまうと、ほんの少しのお留守番も不安になり、よそに預けられるなんてもってのほか、ストレスで体調を崩してしまう可能性が高い。子犬ちゃんが素敵な大人になれるように、飼い主さんも「我慢」が必要だと…申し訳ないがチョコはもう手遅れ。亡き父の溺愛で甘えん坊な中年男になってしまった。女性からみれば、そんな男は魅力的じゃない(笑)でも、この話、どこか人間の子育てにも通じるところが…そう思いませんか?
週末、二郎先生からお借りした「バーボンストリートブルース」という、故高田渡の自伝とも思われる本とワインを持参して再び東鳴子の土風里へ。ここの農家レストランの料理は最高に旨い。手作りのどぶろくも最高。ちなみに完全予約制。震災前に初めて訪れ、その時にちょっと大きな地震があったっけ、今思えば、あれも余震の一つだったのだろう。震災後は、オニギリを多量に作り被災地へ運んだという女将の話を伺いながら、どぶろくを追加し、高田渡の曲をYouTubeで聴きながら深く味わう。帰り道、焚き火の匂いに子供時代のクオリアを感じながら、以前も立ち寄った「紅せん」という旅館の温泉に浸かる。感じのいい若旦那が、お泊りなら、貸切露天風呂に入れますよと笑顔で勧めてくれる。「雪の季節にまた来ます。」JRのホリデーパスは、2400円で鳴子を経由して山形に下車して蕎麦でも喰って、福島までものんびり行けちゃうお得な旅。でも、既に子育てを終えた我々の旅に、終わりが来るのはそう遠くない。お互い元気なうちに、ね。
いつもお世話になっているボスがXmasのCDを寄贈してくれて、今年も終盤となったことを実感する。夜、お仲間のドクターの話に、習慣と化した仕事帰りの酒宴をちょっと反省する。彼は精神科であるが、その開業医達で、定期的な勉強会は欠かすことなく、自分自身の健康のために加圧トレーニングを週に一回行っている。そして、職業柄指導する立場にいるが、自分が指導される立場になることも大切と、精神修行も兼ねてお習字を習っているそうな。
この私は今週から麻雀を習い始めた。精神修行とはいかないが、この歳になってアナログの遊びが恋しくなったのである。亡くなった父は晩年、パソコンにダウンロードしてあげた麻雀ゲームにハマってたけど。思い起こせば高校時代に親から麻雀を教えてもらって、家族でお正月にはよく遊んだ。あの時代のお正月は、コンビニなど無くて商店街はお休みで何もする事がなかったからね。そんな感じだったので、もう少し上達したらもっと愉しめるだろうな、というレベルの私である。お世話になっているお客様がカルチャー教室の麻雀の講師になられたことと、月に二回なら受講も楽かなと思っていたところに、友人がここ三ヶ月程昼間の時間が空くので習いたいと話してたことが偶然にも重なり、即申し出た。人生には、タイミングってとっても大事である。往復、友人の車に乗せてもらって、昼下がりのドライブもまた良い。初回は月曜日、雨上がりの紅葉が実に見事なハイウエイ…新しいことを始めるのって子供に帰ったようにワクワクする。多少は座学もありかなと思っていたら、受講生は私たちを含めて計6名。助手の方が入ってくれて、ニ卓で初めから実践での授業。授業なんだけど、結構本気で打って熱くなった(笑)自分の手だけを考えるなら、トランプの延長だが、相手の手を読むとなると、かなり頭を使うし、算数や中国語の勉強にもなる?そう、麻雀は約150年前に中国で誕生し、その前史として1000年にも及ぶ紙牌ゲームの歴史があるというから、驚き。私の初めての海外旅行は香港だった。夜、泊まったホテルからお隣のマンションのお部屋の中が丸見えで、その大半が麻雀をしていたことに驚愕したことを思い出す。今ここ日本ではボケ防止にはもってこいのゲームとして人気急上昇。お教室なら、お金を賭けてないから、安心して振れるのも嬉しい。あっという間の二時間が終わった。初心者の友人も感激してた。早く上達して、仲間集めて麻雀しようね。オコタに入って、スキヤキと熱燗でも頂きながら…旅館に泊まってワインでも持ち込んでなどと、妄想は広がる広がる。結局、酒はセットかい?