印象派といわれる画家の絵画は、恐らく、日本で最もファンの多いジャンルではないでしょうか。名古屋でも現在その展覧会が開催されています。
<市営地下鉄駅掲示板>
といっても、印象派の作品だけではありません。
「印象派からその先へ」という、吉野石膏コレクションの所蔵品展で、場所は私の好きな名古屋市美術館です。「その先」…何だろう?
<本企画のリーフレットとチケット>
私自身は印象派が大好きというほどではありませんが、美術史的には大きな領域ですし、しかも吉野石膏所蔵の作品が一堂に会するということで先日行ってきました。
名古屋市美術館は白川公園の中にあります(↓)。この時期は同じ敷地でサーカスもやっていました。
<白川公園>
4月9日から開催されていて、まだ1週間も経っていないからか、比較的空いていました。
<名古屋市美術館>
あまり知られていないかもしれませんが、この美術館の地下ホールには米国のレッド・ブルームス作の「ウルワース・ビルディング」という中学校の美術教科書の表紙になっている作品があります。
<ブルームス「ウルワース・ビルディング」>(撮影可)
展示会場へ入ったところでは写真撮影が許可されています。
<展示室入口>
まずは印象派です。
クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、アルフレッド・シスレーなどとともにフィンセント・ファン・ゴッホのジャン=フランソワ・ミレーを想起させる、こんな絵もあります。
<ゴッホ「雪原で薪を運ぶ人々」>
踊り子と言えばエドガー・ドガ。「ピンクと緑」です。
<ドガ「踊り子(ピンクと緑)>
私が最も印象に残った作品はギュスターヴ・クールベの「ジョー(ジョアンナ)の肖像、美しいアイルランド女性」です。赤毛のアイリッシュが鏡を手にしながら鏡ではなく、もっと遠くを見つめる眼差しは「私はアイリッシュ。」と誇り高く主張しているようでした。
印象派の後ということでは、フォーブ(野獣派)、象徴派、エコール・ド・パリへと広がっていきます。
14時からは吉野石膏美術振興財団の佐藤菜々子学芸員による講演会に参加しました。
<講演会の入場整理券>
この講演会ではモネ、シスレーといった画家の作品の見どころ、見方についてわかり易く解説され、とても充実した90分でした。
佐藤学芸員はクールベの「ジョーの肖像、美しいアイルランド女性」のジョーについて、「美しいでしょうか? ドイツの人は美しいと言っていましたが、日本人のとヨーロッパの人は感覚が違うのかもしれません。」と言っておられました。私は日本人の両親から日本で生まれ日本で育った日本人ですが、ジョーは美しいと思います。山形美術館のホームページに写真がありますので、興味のある方はご覧になってください。
ちなみに、リーフレット図案になっている、ルノワールのパステル画「ジュザンヌ・アダン嬢の肖像」は吉野石膏コレクションの中で最も表紙等に使われる頻度の高いものということでした。私はスライドで見せていただいた、米国にあるジュサンヌの姉の肖像の方が好きですが。
吉野石膏美術振興財団所蔵作品の多くは山形美術館に寄託されています。私は山形へ直接行く機会はほとんどありませんが、6月に予定されている仙台出張の際に仙山線で山形美術館へ行き、山形新幹線経由で帰ろうと思っています。
この展覧会とともに、名古屋市美術館では常設展で「新たなる木彫表現を求めて」と題して、平櫛田中賞受賞作家の作品8点(平櫛田中自身の作品を含む)が展示されていて、作品数は少ないもののこれもまた面白い試みだと思います。
<「新たなる木彫表現を求めて」リーフレット>
この展覧会は5月26日まで開催されていて、その後6月1日から7月21まで兵庫県立美術館へ、10月30日から2020年1月20日まで三菱一号館美術館へ巡回します。
先日三菱一号館美術館へ行った時(後日ブログアップ予定→アップしました)、美術館の方に伺ったら、「吉野石膏さんの作品ね。楽しみです。」と言っておられました。
相互リンク⇒アクティブなごやん(ブンデス2部のHSV、1部復帰に黄信号)