東海道新幹線で名古屋から東京へ行く時、東京駅到着直前の左車窓の奥に、今は皇居の一部になっている千代田城(江戸城)の伏見櫓を望むことができます。そのずっと手前、駅近くに煉瓦造りの建物が見えます。三菱一号館美術館です。
<東海道新幹線からの眺望>
私は東京出張の際、時間を見つけてよく行く美術館です。東京駅に近いのが何よりです。
<三菱一号館美術館入口>
もう1か月以上前の先月(4月)3日、夕方から東京駅近くで行われる会議に出席した私はその前にこの美術館へ行きました。「美しいだけじゃない ラファエル前派の軌跡 」展です。
<リーフレットとチケット>
19世紀半ば、英国で当時の「アカデミー」に反発する前衛的な若手芸術家によって結成された「ラファエル前派同盟」とその周辺の作品を集めた企画です。
私は1月に「フィリップス・コレクション展」へ行っていたので、その時の半券で200円割引の値段で入りました。リピーター割引は美術館を不定期に訪れる"旅人"にとっては便利です。
ラファエル前派同盟の運動を強力に推進したのはジョン・ラスキンで、展覧会はラスキンとその同志であり、私も大好きなジョゼフ・ウィリアム・マロード・ターナーの作品で始まります。
<ターナー「カレの砂浜-引き潮時の餌取り」>
ラスキンとターナーの作品だけで46点、それにフレデリック・ホリアーの「老年のジョン・ラスキン」と合計47点あり、これだけでも満足感を覚えました。
本題の「ラファエル前派」の章(第2章)では多くの作品が撮影可能になっていました。
フォード・マドクス・ブラウン、ジョン・エヴァレット・ミレイなど、名だたる作家がいっぱいです。
<ミレイ「イエスのたとえ話」>
そんな中でひときわ存在を誇示していたのが、ダンテ・ゲイブリエル・ロゼッティで、リーフレットのデザインに使われている「魔性のヴィーナス」は圧巻です。
<ロセッティ、ロセッティ・・・>
第3章ではラファエル前派の周辺としてウィリアム・ヘンリー・ハント、ウィリアム・ダイス、シメオン・ソロモンなどの作品が並びます。
<ダイス「初めて彩色を試みる少年ティツィアーノ」>
その中で、フレデリック・レイトンの「母と子(さくらんぼ)」の前では多くの入館者が長時間足を止めていました。
<レイトン「母と子(さくらんぼ)」>
第4章では象徴派のエデワード・バーン=ジョーンズの作品が25点並びます。そしてその流れは第5章の「ウィリアム・モリスと装飾芸術」へと続きます。
モリスやモリス商会の装飾画(壁紙など)、家具などが20点以上並べられています。
<モリス商会「チェリー」>
私はジュニア版の「見どころガイド」を参考にしながら観賞してきましたが、全部で約145点。とてもとても疲れます。
<見どころガイド ジュニア版>
この展覧会は6月9日まで開催され、その後6月20日から9月8日まで久留米市美術館、10月5日から12月15日まであべのハルカス美術館へ巡回します。
私が行った時にはそれほど混んでいませんでしたが、4月21日のEテレ、「日曜美術館」で紹介されましたので、もしかすると今では入場者が増加しているかもしれません。
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