1 ニューFについて、アポロとも
ニコンFは、1959年(昭和34年)6月発売に発売され、後継機F2が発売された1971年(昭和46年)9月の後の1973年(昭和48年)10月頃まで、約14年5月間製造されたようです。
その間、ファインダーを更新する事で最新型にアップデートしてきた事が有名ですが、ボデー自体にも幾つかのアップデートがされています。そのボデーの最終型が俗に「ニューF」と呼ばれている型です。
この型は、「ニューF」の他に「アポロ」とも呼ばれているようです。これは、1971年(昭和46年)のアポロ15号に搭載され、1973年(昭和48年)のスカイラブ計画にも使用された、NASAに納入されたカメラがこの型だった事に由来するようです。
2 ニューFの変更点
それまでのFからニューFへの変更点を、後継機のF2との比較もあわせてしてみました。
添付の画像は、全て次の並びとなっています。
① 上:普通のF # 671万台 (1965.7-10製造)
② 中:ニューF # 745万台 (1973.9-10製造)
③ 下:F2 # 756万台 (1976.3製造)
⑴ 巻上げレバー
プラスチックの指当てがつきました。
⑵ セルフタイマーレバー
プラスチックの指当てがつきました。この指当てはF2と同じですが、止めるネジの色と土台の表示はF2とは異なっています。
⑶ 巻き戻しクランクの台座
⑷ シンクロ接点のカバー
巻き戻しクランクの台座は従来の黒いものからシルバーのものに変更されました。
シンクロ接点のカバーの色が黒色に変更になりました。
⑸ シンクロソケット
F2のものと同様にネジの溝切り加工がされています。
⑹ マウントのネジ
マイナスからプラスになりました。
⑺ 底部のネジ
裏蓋を外したボデー底部のネジにプラスネジが使われています。コレはF2の画像はありません。
3 ニューFの製造開始時期・期間
⑴ 製造開始時期
「ニューF」になった時期は定かではないようですね。この文章を書いている時点でネットで確認出来たニューFの個体の製造番号は、一番若いもので728万台でした。728万台の製造時期は、1971年(昭和46年)10月乃至1972年(昭和47年)2月のようです。
後継機F2が発売されたのが1971年(昭和46年)9月ですから、その技術(部品)がFにフィードバックされたようですね。
⑵ 製造期間
Fの全製造期間約14年5月の内、1971年(昭和46年)10月からFの製造が終了する1973年(昭和48年)10月頃までの最後の約2年間が製造期間という事になります。
4 References
製造時期について
ニコン全一眼レフカメラ発売年表/仕様 (By キンタロウ)
https://kintarou.skr.jp/sanpo/cameralensHistory.htm#Nikon_F