NBAファイナル2013を振り返って | 新時代のリアル

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昨年優勝のマイアミ・ヒート、6年ぶりの優勝を狙うサンアントニオ・スパーズ。
2000年以降、ヒートは2回優勝、スパーズは3回優勝しているだけあって、どっちが勝つか最後まで目が離せないNBAファイナルだった。

第1戦 ヒート88●-スパーズ92○


第2戦 ヒート103○-スパーズ84●


第3戦 ヒート77●-スパーズ113○


第4戦 ヒート109○-スパーズ93●


第5戦 ヒート104●-スパーズ114○


第6戦 ヒート103○-スパーズ100●(延長)


第7戦 ヒート95○-スパーズ88●

ファイナルの明暗を分けたのは第6戦だった。スパーズは3勝2敗とリードしており、あと1つ勝てば優勝。
対するヒートは優勝に王手をかけられ厳しい状況にあった。

第6戦は近年でもなかなか見られないほどドラマチックな試合だった。
スパーズは統制のとれたオフェンスと手堅いディフェンスで試合を進め、残り28秒でスパーズが94-89でヒートに5点リードしていた。
しかし、そこからヒートの奇跡のプレーが待ち受けていた。

ヒートのエースのレブロン・ジェームズが3点シュートを決め、92‐94とスパーズとの差は2点に縮まった。
それから、スパーズがフリースローを1本決め、95-92とスパーズが3点リード。
残り7秒、ヒートは延長の望みをかけ、レブロンが3Pシュートを放ったが、リムに当たって外れ「万事休す!」と誰もが思った。
その時だった。
外れたボールをクリス・ボッシュがリバウンドを取り、外にいたレイ・アレンにパス。
アレンは迷わず3点シュートを放ち見事入り、何とヒートが95-95の同点に追いついた。

延長も一進一退の攻防だったが、最後はヒートのボッシュがブロックを決め、ヒートが103‐100でスパーズを下した。

残るは第7戦。泣いても笑ってもラストゲーム。
最終戦だけあって、最後まで白熱した試合展開だった。
ヒートのエース・レブロンが37点、12リバウンド、4アシストと大活躍し、要所要所でシュートを決めていた。
一方、スパーズもティム・ダンカンの高さと巧さのあるプレーを中心にヒートに食らいついていった。
残り1分を切ってから、ヒートはチャンスをものにし着々と得点し、スパーズはミスが目立った。
スパースのダンカンは、シュートチャンスが2度あったが決めきれず、ディフェンスに戻った時に悔しさのあまりコートを叩いていたのが印象的だった。
最終的にヒートが95‐88でスパーズに勝ち、見事2連覇を成し遂げた。

ヒートの生え抜きエース・ウェイドは、「スパーズは今までで一番手強い相手だった。特にダンカンの闘争心には敬意を表したい。」とスパーズを称えていた。

ヒートは、オールランダーのレブロン・ジェームズ、生え抜きエースのドウェイン・ウェイド、ゴール下の要のクリス・ボッシュが今まさに全盛期で、ファイナルではスーパートリオの凄さが存分に発揮されていた。
さらに、3Pシューターのレイ・アレン、バスケIQが高いショーン・バティエー、ファイターのクリス・アンダーセンと脇役陣がしっかり役割を果たしたのも勝因だった。

負けはしたものの、スパーズはここ10年以上ずっと強豪として安定したチーム力を保ってきた。
スパーズの魂のティム・ダンカン、司令塔のトニー・パーカー、変形自在のマヌ・ジノビリの3人は10年以上も生え抜きとして活躍しており、息の合ったプレーが魅力である。
さらに、若手のゲイリー・ニール、ジェフ・グリーンの活躍も見逃せなかった。
インサイド、アウトサイドどちらでも攻撃できるオフェンス力、堅い守りで決してあきらめない不屈のディフェンス力を持ち、エゴが少ないまとまりの取れたチームプレーは芸術的だと思う。
パーカーの足の怪我、第6戦をものにできなかった不運などあったが、試合運びの巧さではヒートに勝っていたと思う。

振り返ると、両者の死闘はホントに見ごたえがあり、見ているこっちまでドキドキするほどだった。

来年はヒートの3連覇達成となるか、スパーズのリベンジとなるか今から楽しみだ。