『鎌倉殿の十三人』〜後追いコラム その156 | nettyzeroのブログ

nettyzeroのブログ

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』に特化したブログ。
からの〜徒然なるままに・・・

『鎌倉殿の13人』~後追いコラム その156

第46回 将軍になった女

今回は、次回第47回『ある朝敵、ある演説』の山場の一つ、尼御台政子(小池栄子)の名演説について。『鏡』1221(承久三)年5月19日条の原文書き下し文と、いつもの私のチョー適当口語訳を小池栄子を意識しつつ(笑)。ネタバレを含みます。要注意!( )は私の注。

 

鎌倉殿の13人 次のあらすじ】第47回「ある朝敵、ある演説」 御家人たちに語る政子 12月11日放送 – 美術展ナビ

(居並ぶ御家人に尼御台政子は、最後の言葉を伝える。小池栄子がどう演じるのか。楽しみ)

NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人 - オープニングに出てくる立像のこの人... - Yahoo!知恵袋

(オープニングのこのCGは、政子の演説場面と想像する。ちなみに、オープニングについては、日曜日16:15から『鎌倉殿の13人〜オープニング13の秘密』という短い番組の中で、どうして、あのオープニングになったのかが明かされる。)

 

鎌倉殿の13人のオープニングのここの場面の人物は誰だと思いますか?... - Yahoo!知恵袋

(オープニングの最後は、武士と公家が対峙する。北条義時と後鳥羽上皇。つまり、承久の乱をイメージさせるもの)

 

 皆心を一にして奉るべし。これ最期の詞(ことば)なり。故右大将軍朝敵を征罰し、関東を草創してより以降、官位と云い俸禄と云い、その恩既に山岳より高く、溟渤(めいぼつ)より深し。報謝の志これ浅からんか。而るに今逆臣の讒(ざん)に依って、非義の綸旨(りんじ)を下さる。名を惜しむの族は、早く秀康・胤義等を討ち取り、三代将軍の遺跡を全うすべし。但し院中に参らんと欲する者は、只今申し切るべし。

 

 みな心を一つにして聞きなさい。これが私からの最後の言葉です。亡き右大将頼朝様(大泉洋)は、朝敵(平家)を征伐して、今の鎌倉を創ってからというもの、官位といい、俸禄(給料)といい、頼朝様があなたたちに与えた恩は、山よりも高く、果てしなく続く海よりも深いのです。それに報いようと言う心は、浅かろうはずがありません。けれど、今逆臣の讒言(ざんげん:チクリ)によって、道理に外れた謂れのない綸旨(天皇の口伝を蔵人(秘書)が作成、発給したもの)が下りてしまいました。あなたたちが、名誉や名声を大切にする者ならば、今すぐ裏切り者の秀康(藤原秀康:星智也)、胤義(三浦胤義:義村(山本耕史)の弟:岸田タツヤ)を討ち取って、頼朝様を始めこれまでの将軍たちが創ってきたものを守り通しなさい。ただ、院(後鳥羽上皇:尾上松也)とともに幕府と戦おうとするものは、今すぐ申し出なさい。

 

鎌倉殿の13人】第47回あらすじ 幕府の後継者争いが発端となり、乱れる京… | ORICON NEWS

(四代将軍には、頼朝の妹のひ孫(ほとんど他人(笑))である藤原頼経が就くことになる。数え2歳で鎌倉に下向した頼経は、みるみる成長する)

 

 この政子の言葉を聞いて、集まった御家人たちは、「悉く命に応ず」つまり、全員が政子の命に従っただけでなく、「涙に溺れ申す返報つまびらかならず。ただ、命を軽んじ恩に酬(むく)わんと思う」つまり、感動の涙で言葉にならない者もいた。そして、ただひたすら、命を投げ打ってその恩に応えようと思ったという。『鏡』は、「忠臣、国の危きに見る」つまり、忠義な者は国が危機的な時にこそ出てくる、と記している(同日条)。

 

 この後、宿老会議が開かれ、以前書いたように大江広元(栗原英夫)の積極策が採用され、北条泰時(坂口健太郎)はわずか18騎で鎌倉を出立することになる。