根付道<Netsuke Road> -4ページ目

根付道<Netsuke Road>

気楽にぶらぶら、根付蒐集の道を歩くブログです。


現代根付のオークションが熱い!!

 ここ最近、現代根付の価格がじわじわと上がってきています。  
といっても、西武百貨店や高島屋でのデパート展示会の話ではありません。変化が起きているのは、古物として扱われるセカンダリー市場のほうです。



 僕がチェックしている海外の根付オークションでは、毎回セールの終盤に現代根付がまとめて出品されますが、その顔ぶれが本当に凄い。
種寿、声方、美洲、寛玉、ミッシェル・ビーチと、現代を代表する名工がずらりと並びます。
クオリティだけ見れば、もはや“根付”という枠を超えて、彫刻としてトップクラスの芸術作品と言っていいレベルです。



 エスティメートは全体の平均的な水準に設定されているものの、実際の落札価格は2,000〜4,000ユーロが中心。
日本円にすると50〜100万円ほどで、これはデパート展示会で購入する価格帯とほぼ同じになってきました。

 

20年前は「現代根付=中古は安い」が常識だった
僕が根付を集め始めた20年以上前、現代根付の中古市場はとにかく安かった。欲しがる人が少なかったので、ヤフオクでも10万円以下で買えることが珍しくありませんでした。

仲の良い骨董屋さんが、
「現代根付なんて、市場に出れば二束三文だよ!!デパート展示会で買う人は、やばいよね!!!(笑)」  
と言っていって笑っていたのを今でも覚えています。
アンティーク根付に比べると、コレクター人口が少ない、歴史が浅いアラモノ作家のもの、という理由で骨董業界のプロから相手にされず、価格差は大きかったのです。

この10年で状況は激変──現代根付の“再評価”が進んでいる
ところが、この10年ほどで状況は一変しました。
現代根付の評価が急激に上がり、価格もそれに伴って上昇してきたのです。

その背景として大きいのが、象牙取引の規制強化です。
中国人による象牙目的の密猟が多発し、国際的な批判が高まった結果、サイテス規制が厳しい国では象牙製品のオークション取引が禁止されました。(日本でもヤフオク等で、象牙関連は出品できない仕組みになっています。)

象牙の出品が減ったオークションハウスは、代わりの“質の高い素材の彫刻作品”として、現代根付を積極的に扱うようになったのではないでしょうか。
その結果、現代根付はかつての“安い現代物”から、しっかり評価される芸術作品へと立場を変えつつあります。

また、現代根付は、すでに“アンティーク化”の入口に立っているのかもしれない
現代根付というジャンルが生まれてから、すでに約50年。
初期メンバーの作品は、時間の経過とともに
「現代」→「近代」→「アンティーク」  
へと移行しつつある段階に入っているのかもしれません。
素材の希少性、作家の技量、そして市場の成熟。
これらが重なり合うことで、現代根付は今、ひとつの大きな転換点を迎えているように感じます。

 

そして今──コレクターにとっては“面白くも苦しい時代”
20年前には想像もしなかった市場の動きが、今まさに起きています。
現代根付の未来がどう育っていくのか──コレクターとして、これほど面白い時期はありませんね。
ただし、集める側としては、しばらく“苦労の時代”が続きそうな予感です(笑)