郷コレクション | 根付道<Netsuke Road>

根付道<Netsuke Road>

気楽にぶらぶら、根付蒐集の道を歩くブログです。

 根付との出会い方は、人によって本当にさまざまです。
江戸時代の本で知った人、テレビで紹介されているのを見た人、高円宮妃久子様の記事を読んだ人。
あるいは、ヤフオクや骨董市で偶然手に取ったことがきっかけだった人もいるでしょう。

現代のネット社会では、「根付ってなんだろう?」と興味を持った方は、
きっと検索窓に 「根付 コレクション」 と入力するはずです。
そしてそのとき、必ず目に入ってくるのが──
東京国立博物館に収蔵されている “郷コレクション” なのです。
 

東京国立博物館の郷コレクションの古根付

■ 東博に輝く、郷コレクションの古根付
 東京国立博物館の常設展示に並ぶ郷コレクションは、古根付306点という圧倒的なボリューム。もちろん全点展示ではありませんが、ショーケースの中でひとつひとつが存在感を放っています。

明治から昭和にかけて活躍した郷男爵が収集した根付は、当時の“現代根付”から、さらに古い初期の根付まで、時代を体系的に追えるように揃えられた珠玉のコレクションです。
根付好きにとっては、何度見ても飽きない宝の山となっています。

郷コレクションの懐玉斎正次作、うさぎ根付郷コレクションの根付、懐玉斎正次の作品
私も東博に行くたび、つい写真を撮ってしまいます。
今回載せているのは、超人気根付師 懐玉斎正次 の作品たち。
写実性、面白さ、繊細な彫り、美しい造形美──
日本人が好む要素をすべて兼ね備えた、まさに“最強の根付師”と言っていいでしょう。

無人島にひとつだけ根付を持っていけるとしたら、
「正次の作品!」
と答える人が続出するのも間違いなしですね(笑)

郷コレクションの根付、懐玉斎正次の作品郷コレクションの根付、懐玉斎正次作

 

■ 郷男爵の遺言が守った、日本の宝
 郷コレクションは、郷男爵の遺言によって帝室博物館(現・東博)に寄贈されました。

「根付は我が国独自の工芸品で、技術の優れたものが多い。
海外へ散逸するのを恐れ、十数年かけて集めた。
私の死後は帝室博物館に寄贈し、永遠に散逸させないように。」

 この言葉のおかげで、私たちは今も東博で優れた古根付をいつでも見ることができます。コレクターとして、これほどありがたいことはありません。

懐玉斎正次の根付 郷コレクション懐玉斎正次の鼠と南天の根付

■ もし郷男爵が今もご存命なら…
郷男爵はきっと、こんなふうに語りかけてくれるでしょう。

「素晴らしき根付の世界へようこそ!!!
私のコレクションから、根付の楽しさと面白さを体感してほしい。
根付──それは素晴らしき掌の世界なのだ!!!。。。」

……なーんてね。
でも、もし本当にご存命なら、絶対にこう語っていたと思いますよ。郷コレクションの郷男爵、古根付の収集家