恋愛中の男女において、女が男に対して多用する言葉は「いや」と「ばか」がダントツだ。どうしても男というのは、子どもの頃から好きな女に要らぬちょっかいをかけたがるもので、軽いいたずらや本気ではない意地悪をしたりする。
これは恋愛の甘えから来るものなのだろうか。拒否されると分かっていながら頼みごとをする。しょーもないことを言っては反応を見たがる。
男はいつも虚勢を張って生きているので、好きな女にだけは気を許してわがままな言動をするからだろう。女もそれを分かっているから、そして相手が傷つかないと分かっているから「いや」という拒否を口にし、「ばか」という罵声を浴びせることができる。
だから実際のこの言葉の発音は「いやよ」であり「ばかね」なのであり悪意は一切存在しない。つまりこのやりとりは男女間の親密度と信頼関係を図る一種のコミュニケーションツールなのである。
そもそも、すべては男がちょっかいをかけたがる故に起きることだが…。
男が女に変なこと言ったりばかなことをやったりするのは、相手の気を引いたりリアクションを見たいという単純な理由からにすぎない。そんなくだらない男の言動に対する女のリアクションで、第三の言葉があることに気づいた。
「ちょっとやめてよぉ」
街中の男女間で時おり聞かれる。自分も恋愛相手によく言われていたので耳につくようになったのだ。
きつく言われる時は本気で嫌がっている。笑いながら言われる時は「ちょっと勘弁してよ」の意味になる。この違いを読み取れずにいる男はマジで嫌われる。
男女間の会話において、腹の探り合いによる言葉の駆け引きは嫌いだが、ほのぼのとしたナチュラルなやり取りは好きだなぁ。
[追記]
「ちょっとやめてよぉ」はアットホームな職場でも聞かれるが、「いや」と「ばか」はさすがにないな。