このブログでも何度か取り上げてきた、泡瀬干潟の埋め立て問題だが、反対派の住民側の訴えを最高裁が上告を退けたことで、事実上、住民側の敗訴となり、また、住民側もこれ以上の訴えを起こす予定はないとのことで、長年争ってきたこの問題も終焉を迎えることとなる。
この泡瀬干潟の埋め立ては、沖縄市が市の発展の為に計画が始まり、長年検討され前市長時代に認可し工事が始まった。
現在6割の工事が進んでいるとのことだ。
しかし、この埋め立てほどナンセンスなものはないと思っている。
埋め立てて、その上で何をするのかが、まったく検討されず、ただ埋め立てだけを行っているのだ。
土地ができたら、何か美味しいものでもやってくると考えているのだ。
もちろん、計画ではスポーツとリゾートのなんちゃらと、綺麗な絵は描かれているものの、ただの妄想レベルで、具体的に誘致する企業もない。
そもそも、東海岸のアクセスの悪いこの場所を埋め立てたところで、100%成功しないだろう。
計画性のなさと環境面などで反対派が沖縄市を訴えるなどして、当初の規模よりも縮小された。
しかし、中途半端に縮小しても、干潟という希少生物も多い自然が残る場所を埋め立てれば、環境の悪化はまるがれないだろう。
将来的にはラサール条約の登録も検討されているようだが、那覇にあるラサール条約に登録されている場所など何年経っても、ドブ臭い環境のままである。
ほとんど、意味はないだろう。
実際に、今年に入って、多くの貝が死滅するなど、いままでになかったようなことも起こっている。
近い将来、この周辺の漁業にも影響が出てくるだろう。
商業施設を作るより、ゴミ焼却施設でも作った方が環境に良い時代である。どれだけ下水処理を整えても人が集まればゴミが出て、様々な油分が海へと流れるのだ。
ところで、この裁判に関しては、勝訴するのは非常に厳しい裁判であることは反対派の方もご理解されていたのではないかと思う。
一定の法律の基準をクリアして埋め立てていること、客観的に見て計画性の乏しさから、計画を練り直させ、規模を縮小させたこと。
一般的には、いまだに採算性に大きな疑問はあるが、さすがに司法も金儲けの部分に関しては、自己責任の側面もあり、一定以上は踏み込まないだろう。
非常に残念な結果となったが、ここまでご尽力された方々に敬意を評したいと思う。
実際に運用が始まり、失敗の方向が見えた時、環境に大きな問題が出た時、事前に反対していた人がいたこと、計画性もない中で無責任に工事をスタートさせた東門美津子前沖縄市長のことを思い出してもらいたいものである。
この干潟問題が出るたびに思うことは、沖縄県も沖縄のマスコミもまったくこの問題を無視しているということだ。
辺野古沖で希少な珊瑚が出ただけで、大騒ぎするくせに、泡瀬干潟周辺の貝が大量に死んでも、1日、小さく記事が出るだけである。
今までの裁判にかんする記事も、社会面に小さなベタ記事が出る程度であった。
今回も、上記写真の記事と関連記事が出ただけだ。
また、マスコミなど市民の味方のように、辺野古反対派を連日取り上げるくせに、この問題をほとんど真剣に取り扱うこともなかった。
沖縄のマスコミなど、沖縄県民や住民の味方でもなんでもない。ただ、政治的に左派思想を持った人の味方なだけである。
現在、沖縄では、辺野古の滑走路建設、那覇空港第二滑走路建設、そしてこの泡瀬干潟の埋め立てがおこなれている。
辺野古に関しては政治的思想の側面で賛否はあるが、国防という大義の元で進んでいる。
那覇空港はどう考えても、安全面と経済面から必要なものだろう。
しかし、この泡瀬干潟はまったく必要のないものである。
翁長知事は、辺野古反対というのも自由だが、明確に必要性がなく将来的に沖縄県、沖縄市の負担になる可能性があるもので、反対している多くの人がいる中で、これに関しては目をつぶっている。
翁長知事も県民のことなどどうでも良いのだろう。
ただ、辺野古を中止させるためだけに知事をやっているようである。
沖縄のマスコミも沖縄県も、この問題を無視しているように感じてならない。
辺野古問題が翁長知事となり、大きくなるにつれ、泡瀬干潟問題を取り上げなくっているようにも感じる。
この問題が大きくなれば、辺野古の矛盾が浮き彫りになるからだろう。
現在、沖縄県は辺野古埋め立ての漁業権などにからむ問題で、政府を訴えているが、今回の裁判を見てわかるように、100%負ける裁判である。
沖縄の新聞の論調にも矛盾が出てくるだろうから、取り上げられないのではないかと思う。
現在、辺野古で発見された珊瑚で盛り上がった報道が出ているが、
政府が珊瑚を破壊していることを、批判している裏で、自分たちは自然を壊しまくっているのだ。
こういった沖縄県内の矛盾を正さなければ、沖縄県はいつまでも、発展できないだろう。