政府は、2020年東京五輪・パラリンピックの大会期間中、競技会場周辺で熱中症を予防する「暑さ指数」を測定し発信する。日本人に加え、日本特有の暑さに慣れていない訪日外国人への発信を想定、対策に役立ててもらいたい考えだ。
 環境省によると、「暑さ指数」は米国で1954年に提案された指標。気温や湿度、日差しの強さなどを取り入れたもので、熱中症の危険度が軽い順に、(1)注意(2)警戒(3)厳重警戒(4)危険-の4段階に分かれる。
 同省は、既に全国各地の暑さ指数をホームページ(HP)で公表しており、東京五輪の際は大会会場周辺の詳細版を表示することを検討。多言語対応とする方向だ。
 手始めに、同省は今年から20年まで、大会期間に合わせ、7月24日から9月6日の間、新国立競技場や皇居外苑周辺など十数カ所で指数の測定を続けて情報を蓄積、本番に向けて準備を進める。 
 五輪・パラリンピック推進本部事務局が昨夏、約2週間にわたり3会場の周辺で暑さ指数を測定したところ、熱中症のリスクが最も高い「危険」を上回った日がいずれの場所でも4日以上あった。
 東京大会に向けた外国人の熱中症対策については、環境省が英語で書かれた注意喚起のリーフレットを作成。消防庁は外国語での救急対応能力の向上、厚生労働省は外国人の受け入れ可能な病院の拡大をそれぞれ進めている。

出典:http://www.jiji.com/jc/article?k=2017050500436&g=soc

 

熱中症予防の指標となる「暑さ指数」という情報について、環境省は近年、大型連休の前から気温の高い日が多くなっていることを受けて、情報の公開を例年より1か月近く前倒しして今月から始めました。

「暑さ指数」は、気温や湿度、それに直射日光や路面から照り返す光がどのくらい当たるかなどのデータをもとに環境省が算出し、熱中症予防の指標としてホームページで公開しています。
例年、5月半ばから公開されていましたが、近年、野外でのレジャーが増える大型連休の前や期間中に気温が高くなり、熱中症で病院に搬送される人が多くなっていることから、ことしは例年より1か月近く前倒しして今月20日から公開を始めました。

「暑さ指数」は、1時間ごとの値のほか、翌々日までの3時間ごとの予測値が公開され、5段階で色分けされていて、赤の場合は運動や外出を原則やめるほか、オレンジの場合は激しい運動や炎天下での外出を避ける必要があるとしています。

環境省大気生活環境室の行木美弥室長は、「特に体が暑さに慣れていないこの時期は、熱中症にかかりやすいので、暑さ指数を参考に、こまめに水分を取るなど対策をとってほしい」と話していました。
「暑さ指数」は9月29日まで公開され、ホームページで利用登録すると、メールで受け取ることもできます。

出典:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170423/k10010958041000.html

【業界団体らに周知WBGT測定器普及】
 厚生労働省は、職場における熱中症予防対策の徹底と、JIS(日本工業規格)に準拠したWBGT値(暑さ指数)を簡易に測定できるWBGT測定器の普及を目的に、新たに『STOP!熱中症 クールワークキャンペーン』を実施することを決めた。これまで各団体が個別に実施していた取り組みを相互に連携して一体的に進めることで、熱中症防止に対する意識を向上させるとともに、責任体制の確立などの対策を一層徹底する方針だ。 =関連2面
 キャンペーンは、4月を準備期間とし、5-9月が実施期間。うち7月を重点取り組み期間とする。準備期間に先立ち、キャンペーンの主唱者となる厚労省、災防団体、協賛者団体と、国土交通、農林水産、環境の関係3省で構成する「連絡会議」を30日に開き、関係団体での実施事項について情報交換し、団体の取り組みを積極的に主唱者が支援することを確認する。
 厚労省はキャンペーンの実施を都道府県労働局に通知。今月中に事業者団体に対しキャンペーンに取り組むよう要請することと、4月から9月末までに実施する集団指導などの機会をとらえて事業者を指導するよう指示した。
 また、中央労働災害防止協会や建災防、全国警備業協会など主唱者7団体に対し、実情に応じた効果的な手法による熱中症対策の実施、会員事業場などへの周知などを要請した。日本建設業連合会や全国建設業協会など建設業関係団体を始めとした業界502団体には、会員事業場に対しキャンペーンの周知と、各事業場で確実な取り組みが実施されるよう特段の配慮を求めた。
 厚労省によると、第12次労働災害防止計画(12次防)では、2013-17年の5年間の職場での熱中症による休業4日以上の死傷者数を、11次防(08-12年)の5年間と比較して「20%以上減少」との目標を設定しているものの、ことし1月時点で11次防の5年間の発生件数の95%に達しており、熱中症の予防に一層注力する必要があると判断し、キャンペーンを始めることにした。
 また、熱中症予防に不可欠なWBGT値の測定をめぐり、簡易にWBGT値を測定できる「電子式湿球黒球温度(WBGT)指数計」の精度を担保する「JIS B7922」が21日に制定、公示されたため、この測定器の普及にも努める。
 キャンペーンの実施要綱によると、建設現場など各事業所の実施事項として、4月の準備期間中には、「JIS Z8504」か「JIS B7922」に適合したWBGT値測定器の準備を要請。黒球が付いていない測定器はJISに適合していないため、「必ず黒球が付いているものを準備する」こととした。
 新たな熱中症対策として、各事業場に対し、「作業を管理する者で、熱中症について十分な知識を持つ者の中から『熱中症予防管理者』を選任」することを要請した。あわせて「事業場における熱中症予防にかかる責任体制の確立」を求めた。同管理者は、▽WBGT値低減対策実施状況の確認▽各労働者の熱への順化状況の確認▽作業開始前に労働者の体調確認▽WBGT値の測定結果に応じた作業の中止・中断▽現場巡視による労働者の水分・塩分摂取状況確認--の業務を担う。
 建設現場でのWBGT値の把握では、建災防の建設現場における熱中症の危険度を簡単に判定できるフロー図を参考にすることと記載した。

出典:https://www.kensetsunews.com/archives/32087