シンガポール探鳥記:2025年⑫(アジアヘビウ) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

3月上旬の事です。

シンガポールで探鳥しました。

探鳥記録は次回で最後になります。

もう2回だけ、お付き合い下さい。

 

 


3日目はブキティマ自然保護区を訪れました。

本当はスンガイ・ブローを考えましたが…

交通の利便性から、近場を選ぶ事にします。

 

 

朝、ホテルからタクシーで向かいました。

入口の傍にはビジターセンターがあります。

早々に野生動物に出会いました。

カニクイザルです。

(Crab-eating Macaque)

 

 

 

オナガザルの仲間との事でした。

名前の通り、蟹も食べますが、雑食です。

主食は果実や種子なのだとか。

ニホンザルよりも小柄で、毛深い印象です。

 

急いでカメラを準備しましたが…

多湿かつ室内外に温度差がありました。

案の定、レンズは曇っています。

仕方なく、スマホで撮影しました。

 

すぐに出会えた存在です。

再会も可能だろうと考えていましたが…

その後は全く出会えません。

その時ばかりの観察でした。

 

 

 

美しい水辺に立ち寄ります。

対岸に見えるのは採掘場跡なのだとか。

人も少なく、雄大な景色を楽しめました。

 

 

 

 

この頃には、レンズの曇りも改善します。

水面から突き出た枯れ木がありました。

そこに1羽の大きな水鳥が座しています。

嘴には大きな獲物(魚)を刺していました。

アジアヘビウです。

(Oriental Darter)

 

 

 

日本の鵜とは異なりました。

嘴の先端が、鋭く尖っています。

『咥える』よりも『突き刺す』向きでした。

長い首を利用し、銛の様に突くのでしょう。

 

 

 

「獲ったどー!」

 

最初はそんな姿に見えます。

獲物を高く掲げ、勝ち誇っているようでした。

…ですが、少し様子が変です。

刺した獲物が抜けずに困っている様子でした。

右に左に、かなり振り回しています。

 

 

 

鰓の付け根に、見事に刺さっていました。

抜くには、まだしばらくかかりそうです。

 

 

 

水辺全体を双眼鏡で見渡しました。

遠くにコウハシショウビンを見つけます。

(Stork-billed Kingfisher)

 

 

 

この野鳥とは3日連続の出会いです。

昨年は1度も会えませんでしたが…

野鳥相手だと、よくある事です。

 

 

 

しばらく周囲を観察していました。

気付くと、先程のヘビウが移動しています。

喉元が大きく膨らんでいました。

無事に魚を呑み込めたのでしょう。

 

 

 

 

小高い枝に乗りました。

翼を広げて乾かし始めます。

その姿は、日本の鵜そっくりでした。

 

 

 

 

次の予定があるため、長居は出来ません。

名残惜しくも、その場を去りました。

楽しい時間は、あっという間に去ります。

探鳥できる時間も残り僅かでした。

 

 

 

⛰️  ⛰️  ⛰️  ⛰️  ⛰️

 

 

 

〜旅行の小話⑫〜

 

 

 
ブキティマ自然保護区はとても広いです。
私は入口周辺から山頂までを歩きました。
延々と密林の中を歩きます。
探鳥目的には不向きだったかもしれません。
 
 
 
ブキティマ山はシンガポール最高峰です。
山というよりは、丘のイメージでした。
片道30分かからないくらいの距離です。
標高は約164mでした。
 

 
 
傾斜がきつい箇所もあります。
ただ、特別な装備は不要でした。
ランニングしている人々もいます。
 
 
 
下山途中に緑色の蛇を見つけました。
とても小さくて、可愛らしいです。
全長は70cmも無い位でした。
ヨロイハブです。
(Wagler's pit viper)
 

 
 
…そう、『ハブ』です。
頭の形から、毒蛇だとは思っていました。
幸いにも毒性は低いようです。
体色は地域による影響が大きいのだとか。
Web上では、緑色以外も居ました。
判別しやすい色で良かったです。
知らずに接近してしまう可能性がありました。
日本のマムシの恐ろしさを思い起こします。
(幸いにも咬まれた事はありませんが)
 
 
 
もちろん、近付かないようにしました。
他の登山者が興味深々に覗き込みます。
毒蛇だと警告しましたが…
かなり近くで撮影する方もいました。
 
『君子危うきに近づかず』
 
やはり、安全第一です。