11月下旬の事です。
荒れた天気が続いていました。
雨の日が多く、鳥見に行けません。
ただ、嘆くばかりではありません。
海鳥が荒波を避けて岸辺に現れるかも。
雨間を狙って海岸に行きました。
案の定、日本海は荒れています。
釣り人の姿も見ません。
傘を差しながら、双眼鏡で見渡します。
最初に見つけたのはウミアイサでした。
浜辺の傍で潜水を繰り返します。
激しい波で砂浜が削られたようでした。
こんな時は比較的近くで観察できます。
ミヤコドリも見つけました。
留鳥の如く、滞在を続けています。
振り返ると、今年4月からでした。
このまま越冬しそうです。
岩場の間で、何かが動きました。
目を凝らして姿を探します。
特徴的な姿を見つけました。
シノリガモ♂です。
1羽で過ごしていました。
毎冬、1回だけ見かける存在です。
この冬も姿を見せてくれました。
模様が美しい成鳥♂です。
所々にある白斑が鮮明でした。
頭と脇はレンガ色です。
「シノリ」とは夜明けの事だとか。
赤味は朝陽、白斑は雲や星のようです。
今までは♀や若♂のみ見た事がありました。
おそらくは、成鳥♂は初めてです。
波間を漂うため、何度も姿が隠れました。
時化(しけ)の日に見かけるカモです。
私にとっては「シケガモ」でした。
視界も悪い中ですが、嬉しい発見です。
次第に、風も雨も強くなりました。
残念ですが、撤退する事にします。
他にも稀なカモ類が現れるかもしれません。
悪天候でも、海岸に足を運びたくなります。