あなたのお家は何処ですか?(ミソサザイ) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

6月上旬の事です。

休日を愛知県にて過ごしました。

新潟県に帰らなければなりません。

行きは長野経由、帰りは富山経由を選びます。

何処かで鳥見をしながら…、と考えました。

 

 

地図で高速道路沿いをザッと確認します。

ひるがの高原(岐阜県)が目に止まりました。

夏の湿原ではオオジシギが繁殖するようです。

ただ、それは以前の事…

調べると、昨年は観察されていないそうです。

とりあえず、観光でも構いません。

同地域に立ち寄ってみました。

 

 

9時頃に到着します。

湿原は花の見頃を過ぎていました。

探鳥には遅い時間なのか、野鳥も少ないです。

ヒヨドリやコムクドリを目にしましたが…

諦めて、近くの滝に行ってみました。

 

 

滝へと歩く途中、期待した鳥を見つけました。

水辺でよく見かけるキセキレイです。

♀を見つけた他に、傍には♂もいました。

因みに、下の画像は夏でも喉が白い♀です。

 

 

 

ついに、滝壺の前まで来ました。

かなり上から、沢山の水が流れ落ちます。

爆音に紛れて、鋭い鳴き声がしました。

ミソサザイです。

日陰にある流木の上で囀っていました。

 

 

 

そんなミソサザイが、すぐ傍まで来ます。

何かを探しているようでした。

固唾をのんで、その行動を見守ります。

暫くすると、岩から苔を毟り始めました。

どうやら、巣材を集めているようです。

 

 

 

何処かで営巣しているのかも、と思っていたら…

すぐ目の前の岩陰に隠れてしまいました。

 

さて、突然ですが、ここで問題です。

下の画像で、ミソサザイの巣は何処でしょう?

 

 

 

波

波

波

波

波

波

 

 

答えは、中央の右にある茶色い苔の部分です。

巣材となる苔は、根ごと利用されていました。

岩の陰でも、多少は水飛沫がかかります。

水があれば、そうそう枯れないのかも。

頭を出して、周囲を窺う仕草が可愛いです。

 

 

 

暗い場所で、素早い動きでした。

SSを調整して、飛び出しのシーンを狙います。

絞り解放(F9.0)での撮影は、条件が難しくて…

暗い画像となったので、明るさを加工しました。


 

 

幸いにも、他の観光客は居ません。

全部で30分間ほど滞在しました。

ミソサザイは巣作りと囀りを交互に行います。

そもそも、1羽しか見かけませんでした。

パートナーはこれからなのかもしれません。

 

 

調べてみると、ミソサザイは一夫多妻制でした。

♂は巣作りのみで、♀が抱卵と育雛を担当します。

私が観察したのは♂だと思います。

相手となる♀を探していたのでしょう。

 

「ここに良い物件がありますよ〜!」

 

そんな風にアピールしていたのかもしれません。

 

 

 

私が良く訪れる戸隠でも、巣を見た事があります。

水辺だけではなく、屋根の裏にも作っていました。

様々な場所を利用して、繁殖に励んでいるようです。