昨年12月頃から、話題になっていた鳥がいます。
多摩川に飛来したヒメハジロです。
北米に分布し、日本では稀な冬鳥です。
今までは北海道での観察例が中心だったそうです。
しかも、綺麗な光沢を放つ成鳥♂との事…
一度、観察したいと思っていました。
ただ、遠い場所のため躊躇いがあります。
出張の話が舞い降りた時、飛びつきました。
ネットで調べ、おおよその位置を確認しました。
昨年12月~今年1月の情報が中心です。
空振りでも構わないつもりで、訪問しました。
2月11日のお昼過ぎに、現地に到着します。
午後の方が、順光になるかもと考えての選択です。
因みに、午前中は上野公園で鳥見をしました。
現地の最寄り駅で昼食を摂り、散策に備えます。
然したる苦も無く、現地に辿り着けました。
先着の方々に挨拶をして、カメラの先を探します。
…いました。
ヒメハジロ♂です。
キンクロハジロの群れと共に休憩していました。
陽光に輝く頭部が、噂通りに美しいカモです。
潜水する頻度が少なく、十分に全身を撮れました。
ヒメハジロ(40㎝)は、キンクロハジロ(47㎝)よりも少しだけ小さいようです。(日本のカモ識別図鑑より)
距離は40~50mくらいでしょうか。
先着の方々が話していました。
先日よりも増水しているとか、何とか…
中州がなくなったとか、何とか…
前はもっと近くで観察出来たとか、何とか…
そんな話を耳にしながら、撮り続けました。
頭部をピンク色の足で掻き掻きします。
閉じた瞼は、白色のようです。
私が到着して早々に、飛翔が2度ありました。
残念ながら、位置が悪くて撮影できません。
それ以降は、水面でプカプカと浮いています。
何度か羽ばたく姿を見ましたが、全て背面でした。
風上に向かって羽ばたいていたようです。
カメラマンは10人に満たないくらいでした。
一時期は、100人を超えていたのだとか。
広い河原なので、近隣への迷惑は少ないようです。
ただ、その光景は異様だったでしょう。
首都圏に住んでいたのなら、私もその中の1人だったと思います。
合間に、様々な野鳥も見ました。
カモ類の他にも、サギ類やカワウが群れています。
1羽のセグロカモメを見かけたのには驚きました。
かなり海から離れているはずなので…
チョウゲンボウが飛ぶと、カモ達が逃げ出します。
タヒバリやハクセキレイも現れました。
眼前に来たキセキレイは、愛嬌たっぷりです。
2時間ほどをかけて、周辺の野鳥観察をしました。
動きは少なくても、近くで見れて嬉しかったです。
最後、中州の釣り人を避けるように泳ぎ去りました。
良い天気の中、気持ち良く観察できました。
「無事、北に帰ってね」
心の中で話しかけて、その場を去ります。
明日の仕事は、お昼過ぎまでで終わります。
帰宅まで、少し時間が作れそうでした。
ヒメハジロに会えなければ、再訪も考えましたが…
おかげで、別の場所に立ち寄れました。
【観察できた野鳥】(順不同)
ヒメハジロ、キンクロハジロ、オオバン、
コガモ、オカヨシガモ、カルガモ、タヒバリ、
キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、
ダイサギ、コサギ、アオサギ、カワウ、
チョウゲンボウ、ハシボソガラス、スズメ、
カイツブリ、セグロカモメ、ジョウビタキ、
シジュウカラ
計21種