9月25日の事です。
その日の日中は、野鳥観察に行く暇がありませんでした。
少しだけできた時間で、夕方の海岸散策に繰り出す事にしました。
海岸に着くと、釣り人はほとんどいませんでした。
その時間帯は波も高く、釣りには適さない条件だったのかもしれません。
浜辺に着くと、数羽のトウネンが水辺よりもかなり陸側で採餌していました。
普段は水辺に居る事が多いのですが、珍しく乾燥している砂浜で群れています。
高い波を警戒していたのかもしれません。
1羽だけ水辺に近付きますが、レンズを向けると睨まれてしまいました。
小さいのですが、正面から見るとずんぐりとした印象を受けます。
そのほかには目立った野鳥は見つかりませんでした。
夕陽でも撮ろうかと思いましたが、薄っすらと伸びた雲が邪魔します。
肉眼で防波堤に群れるウミネコを眺めていると、異なるシルエットの鳥が1羽だけいました。
双眼鏡を覗いて確認し、心の中で叫びます。
ニンジンだ!
ニンジンとは、ミヤコドリの愛称です。
名前の由来が、嘴の形が長くて橙色のニンジンに似ているからです。
市内で見つけたのは初めてでした。
暗くて遠いので証拠写真レベルでしたが、何とか近くで観たい&撮りたいと願っていました。
そんな私の気も知らず、ミヤコドリは防波堤をちょこまかと動き、水たまりに嘴を突っ込んでいます。
夕陽を撮りながら気長に待っていたところ、ミヤコドリのいた方角から鋭い鳴き声がしました。
海上を低空飛行しながら此方岸に向かってきます。
遠くではありますが、期待通りに此方岸の砂浜に降り立ってくれました。
が、再び飛び立ってしまい。
今度は目の前を通過して、ニンジンはそのまま彼方に飛び去ってしまいました。
地元でミヤコドリを初めて見る事ができ、とても嬉しかったです。
ネット上で調べてみると、地元では比較的珍しい旅鳥のようでした。
たった1羽で旅をするのは寂しいのでしょうか。
それとも、自由気ままで楽しいのでしょうか。
人間の感覚で推し量る事はできません。
~おまけ~
2年前、ミヤコドリを撮ったことがあります。
オーストラリア旅行中、ケアンズにある干潟にて出会いました。
白と黒の体、赤~橙色の嘴、赤い眼(虹彩)がとても印象的でした。
正式な名称はオーストラリアミヤコドリ(学名:Haematopus longirostris)だそうです。
日本で見るミヤコドリ(学名:Haematopus ostralegus)とどう違うのかはよく分かりません、、、というか同じにしか見えません。
詳しい事は分かりませんが、少しだけオーストラリアミヤコドリの方が大きいようです。
実は、このブログを書くまで、日本とオーストラリアを行き来しているのだと勘違いしていました。